念願のトムラウシ縦走

念願のトムラウシ縦走

722日(日) 層雲峡から黒岳、北海岳、白雲岳避難小屋へ

 朝方の雨も止み、層雲峡から登った黒岳山頂では青空が広がっていた。ここで、全国支部懇交流登山の参加者と別れて山本さんと私は、永年の憧れの山、トムラウシを目指して歩き出した。黒岳石室から少し下った赤石川では、冷たさに悲鳴を上げながら裸足で渡渉した。しばらくすると、銀泉台からやってきた交流登山の別グループとすれ違う。「北海岳はものすごい風だよ」と教えてくれる。あまりの強風に雨合羽のフードをすっぽり被って歩く。  

黒岳から約4時間、白雲岳避難小屋に着く。テント場にテントは一張りだけ。避難小屋の宿泊は4人だけと聞き、我々も小屋泊にする。管理人がいて、協力金1,000円を支払う。夜中に小屋が揺れるほどの風が吹いていた。

 

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右上が黒岳、後姿は交流登山者 白雲岳避難小屋

 

723日(月) 白雲岳避難小屋から、忠別岳、ヒサゴ沼避難小屋へ

 朝焼けが素晴らしく、今日歩く道がはっきりと分かる。山々が連なり、一番奥に王冠のような形で頂上だけ見えるのがトムラウシ山だ。

まだまだ遠い。熊鈴を鳴らしながらハイマツの中を行く。出発から4時間、緩やかなアップダウンを繰り返し忠別岳に着く。撮影スポットがありすぎてなかなか進めない。忠別岳から200m以上いったん下って、五色岳への登り返し。ここを過ぎると化雲岳までは穏やかな登山路。

“カムイミンタラ”(神々の遊ぶ庭)とは言いえて妙だ。10時間掛けて今日の宿泊地、ヒサゴ沼避難小屋に着く。

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朝焼けと中央奥にトムラウシ山 神々の遊ぶ庭からトムラウシ山 ヒサゴ沼避難小屋

 

724日(火)① ヒサゴ沼避難小屋から、トムラウシ山、トムラウシ温泉へ

 ヒサゴ沼の雪渓を慎重に登り返して稜線の縦走路に出る。天沼で浄水して飲み水を作る。巨岩がゴロゴロした中を進み、ヒサゴ沼から3時間でトムラウシ山頂に到着した。ついにやった。山本さんとがっちり握手。

山頂で記念撮影したりするうちに、トムラウシ温泉方面からの日帰り組がどんどん上ってきた。下った南沼のキャンプ地で山本さんと分かれて、ヘロヘロになりながらトムラウシ温泉へ7時間かけて下山した。

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トムラウシ山頂

                                  (記 三田 博)

十勝岳分岐からオプタテシケ山、美瑛岳、十勝岳、旭岳

 

724() ② トムラウシ温泉と十勝岳分岐から双子池へ

十勝岳分岐から少し登りトムラウシ温泉ルートの三田さんを呼ぶと振り向いて手を振ってくれた。南沼の先は広大な台地の黄金ケ原だ。ハイマツ帯は先が見えず笛を鳴らし歩く。三川台の下りでヒグマの掘った新しい跡が数か所。笹のブッシュ帯は足元が見えなく何処までも続いた。笹は時々背丈以上あってストックでかき分け進んだ。最低コルのブシュ帯で2名に合った。つりがね山の急登はハイマツに覆われ長い鎖があった。ハイマツ帯とブッシュ帯が続く。右断崖の登山道が崩落していたので狭い尾根上のハイマツを支えに越えた。ここは1558m地点らしい。コスマヌプリ1626mで休憩。

最後のピークを登って下るとカブト岩1569m。足元の見えない笹ブッシュの道を下ると双子池。テント場は、最低部から少し登った雪渓の下。じめじめしたテント場だった。16時45分。一張は函館在住の先行者。やっと安心。トムラウシ山から7時間30分掛かった。

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振返って見たトムラウシ山

 

725()  双子池-オプタテシケ山2012.5m-美瑛岳2052m-十勝岳2077m-上ホロ避難小屋

 オプタテシケ山頂に雲が掛かっていた。函館の人が左方向に登って行った。550分。テントを畳み先行者の方向に。直ぐ、道を失ったが上部を目指す。はるか上に先行者と登山道。右にトラバース気味に登ると登山道だった。頂上はいったん下った上だ。

 

オプタテシケ山は山深い。ここまで2名パーティと単独行者に合った。819分。オプタテシケ山頂、軽装でトムラウシに向かう東京の登山者にった。トムラウシ温泉からと十勝岳経由も同じ距離でこちらからトムラウシに行くという。自分の歩いて来た経験から11時間かかります。道は不明な場所が多いと伝えた。その登山者は直ぐに引き返してきた。ベベツ岳・石垣山を下り美瑛富士避難小屋分岐で休憩。登山道に真っ黒な大きな糞だ。ヒグマに違いない。美瑛富士分岐から約300mの登り。美瑛岳の分岐に荷物を置き美瑛岳に向かった。1232分。美瑛岳山頂もガス覆われていて何も見えなかった。分岐に戻り行動食を補給、その間、東京と函館の登山者が先行した。少し登って下ると右に黄色印、ガスで見えにくい。谷で険しそうだ。左のルートらしい道を少し辿った。地図で確認するとこの方向は北方向で今登ってきた方向だ。ルートは南方向で元に戻り下った。ガスが少なくなると美瑛岳東側尾根の下部は緩やかな斜面が原生林まで続いていた。遠くに十勝岳山頂がやっと見えてきた。

最低コルから250-300mの登り。鋸岳の東斜面を登って行くと残雪と融水、不安定な火山灰と砂礫のリッジを一歩一歩登った。東京の登山者に追いつき、水を補給しましたかと聞くと先程の残雪で補給できたと云う。火山灰の急斜面をトラバースし後方の登山者を待ったが不安定な所で座っていて来ない。そこまで甘納豆と塩飴を持っていった。登山者は靴底が剥がれ疲労していた。安全な所に戻り結束バンドを用意して待った。風の強い平ケ岳から岩場を登ると十勝岳山頂。1534分。光顔巍力と書かれた石柱有り。東京の登山者は望岳台に下山。ここから3時間かかりそうだ。上ホロ避難小屋の標識に従い滑りやすい岩礫の登山路を慎重に下った。1650分。上ホロ避難小屋は、函館の人と自分の二人だった。夜中、東側にオレンジ色の星、火星だ。暫くすると雲で見えなくなった。

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オプタテシケ山からトムラウシ山旭岳 十勝岳

726()  上ホロ避難小屋-上ホロカメットク山-かみふらの岳-十勝岳温泉

610分に歩行開始。急尾根を登ると上ホロカメットク山1920m。かみふらの岳からD尾根で活火山の噴煙を後に十勝岳温泉に下る。

尾根から階段で整備された登山道だった。沢筋で大きなザックの若い単独女性と話す。これから十勝・トムラウシに向かうと云う。地元の人だ。笹とブッシュで歩きにくかったと話すと、登山道整備時にその女性も手伝うからと言っているという。涸れ沢の富良野岳分岐から右尾根を回り込むと安政火口が近い。外国人が迷っていてコピーした地図を示しながら現在地は何処ですかと聞いてきた。自分の地図を出して現在地を教えた。目的ルートは望岳台から十勝岳・美瑛岳で車は十勝岳温泉に置いてあるという。十勝岳が目的ならば、ここからかみふらの岳・上ホロ岳・十勝岳の往復が良いでしょうと伝えた。二人連れの女性に相談したらその案がよさそうだ。自分の地図をスマホで撮った。女性たちもかみふらの岳まで同じという。安政火口の沢を渡り少し登ると広い登山道。ふくよかな女性が休んでいて話しかけられた。トムラウシからですか。そうです。私も何年も前に歩いたがもう行けないですと。 

40分程度で十勝温泉凌雲閣910分。800円用意し入浴を頼むと、半額の恩恵を得た。源泉は、登山路の下に3本のパイプで引き込んでいるので茶褐色の温泉だった。バスの発車は955分。乗客は自分1人。町営バスは吹上温泉に右折し登山者5名を乗せて元の道路に戻った。上富良野駅1035分着。空港経由旭川駅のバスの停留所が分からない。もう一人の若い登山者も同じだ。駅内に案内所があったので聞くと、信号の右だそうだ。若い登山者と話すと層雲峡で働いているという。黒岳ロープウエイだそうだ。22日の日曜日、黒岳のリフト終点で降りたときの係だったそうだ。美瑛避難小屋からオプタテシケ山を往復したらしい。オプタテシケ山で軽装登山者の話をしたら、その方も会ったという。1124分発の定期バスで旭川空港へ。空港でその好青年と別れ、姪の車で羽衣の滝を見学し旭岳温泉のラビスタ大雪山に泊った。

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手前は安政火口と三段山、奥に噴煙と十勝岳 中ほどが安政火口、右上は上ホロカメットク山、中央のコルの反対側に上ホロ避難小屋

727() 大雪山 旭岳-間宮岳 

 前日、洗濯。530分会計を済ませ、旭岳ロ―プウェイ駅へ。貸ロッカーにガスコンロ以外の荷物を置き6時発一番のロ―プウェイに乗った。旭岳は名前の通り朝日が昇ってきた。姿見池で逆光の噴煙と旭岳を撮影。

    

10数人の登山者が登っていく。登山道は左に向きを変え、最後の傾斜を登ると旭岳山頂82分。高校生グループがいた。急いで、全周ムービーを撮影。828分、旭岳から間宮岳の下りは砂礫で滑りやすいのでゆっくり下った。下部は残雪が残っていた。荒井岳より御鉢平を撮影、戻って標識が立つ間宮岳。中岳分岐から左に折れ、急な登山路を下ると中岳温泉。足湯を楽しんだ。エゾコザクラとチングルマの大群落を撮影。裾合平で休憩。姿見池ロ―プウェイ駅で時間調整。三田さんに下山報告。旭岳ロ―プウェイ駅でガスカートリッジを引き取って貰った。1800分の空港経由旭川駅行バスに乗車。2015分の飛行機、帰着2330分。※今回グレイル浄水ボトルを使用。一回で470ml濾過、重さ310g。             (記 山本哲夫)

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姿見池と旭岳 遠くトムラウシ山、十勝岳