支部の山

 
東九州支部   「九重山」(くじゅうさん)

飯田勝之/興田勝幸会員 撮影

九重山は大分を代表する山であるとともに、九州の登山家にとってメッカともいえる山である。九州本土の最高峰(中岳・1791m)をはじめ1700m級の峰々を林立させ、九州の屋根とも呼ばれている。しかし山様はやわらかな草原状の高まりで、裾には広大な高原を広げるたおやかで女性的な美しさの山である。

九重山は長者原付近を中心にして東西約15km、南北約10kmにわたって連なる山々の総称で、ほかに九重連山・九重山群または九重連峰とも呼ばれることもある。主峰は久住山(くじゅさん・1786.6m)でそのまわりを天狗ヶ城(1780m)、中岳、稲星山(1774m)、白口岳(1720m)、星生山(1762m)、肥前ヶ城(1685m)、扇ヶ鼻(1698m)、沓掛山(1503m)などがとりかこみ、北の端には三俣山(1744.3m)さらに坊ガツルをはさんで東には大船山(1786.4m)、平治岳(1643.0m)そして九重山には珍しく黒々とした原生林におおわる黒岳(1587m)、西の方には黒岩山(1502.8m)、泉水山(1447m)、猟師岳(1423.4m)、一目山(1287.6m)、みそこぶし山(1299.7m)などの草つきの峰を連ねて、最西端の涌蓋山(1499.6m)に至っている。

そして北には草丘の入り組んだ飯田高原、南には阿蘇の外輪山や竹田盆地にまで続く広大な久住高原を広げている。さらに山域にはラムサール条約に指定された坊ガツルやタデ原湿原などのほか佐土ヶ窪、はち窪などの高層湿原、そして大船山一帯のミヤマキリシマ大群落や久住山一帯のコケモモ大群落など天然記念物に指定された植物群落がある。

これらの峰々や草原をつなぎあわせ縫うようにして登山道も縦横にあり、年間26万人(2012年推計)を越す登山者が訪れている。こうした登山者が山で汗を流したあとの楽しみは、山域のいたるところにある温泉である。九州で一番高所にある法華院温泉を始め、北には筋湯温泉、湯坪温泉、長者原温泉群、南には赤川温泉から七里田温泉の間に幾つもの温泉が点在する。

 

  中岳からみた久住山と御池(手前) (撮影者:飯田勝之)

  大船山からみた白口岳(左端)中岳(中)久住山(左端)(撮影者:興田勝幸)

  ミヤマキリシマと大船山(撮影者:飯田勝之)

  三俣山小鍋の淵から見た平治岳と大船山(撮影者:興田勝幸)

  久住山頂からみた三俣山(左)天狗ヶ城(中央)と中岳(左)遠くに由布岳(撮影者:飯田勝之)

  由布岳山頂から見た九重連山(撮影者:興田勝幸)