お知らせ山想倶楽部

■ 2015.10.23

70の爺さん二人アルプス漫歩

70の爺さん二人アルプス漫歩

(読売新道~雲の平~薬師岳~剣岳~大日岳)

田谷八束

 

8月の栂海新道に続き、今歩いておきたいルートの読売新道~剣岳へ前回と同じメンバーの醍醐準一さんと行って来た。

 

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扇沢

9月9日(水) 雨

新宿高速バスターミナル23:00 扇沢5:05

台風18号の影響で当初の予定より2日遅れて雨の中を出発。

 

9月10日 (木) 曇

扇沢7:30 黒部ダム7:46 遊覧船乗り場9:30 奥黒部ヒユッ専用船着き場10:15~10:25

  奥黒部ヒユッテ12:00

扇沢に着いた時は、雨も上がり本日から天気も良くなりそうだ。今日は醍醐さんの仲間の口利きで奥黒部ヒュッテ専用のボートに乗せて貰う事が出来、平の渡し迄のいやらしい湖畔を歩かなくて済み大助かりだ。ボートは遊覧船乗り場を9:30に出発。水面近くからの景色を十分に堪能し奥黒部ヒュッテ専用の船着き場に到着する。この船着き場は平の渡しの船着き場よりもかなり奥になる。ここからのコースは起伏が有り、皮を剥いだ丸太の梯子や、木で作られている階段がつるつると滑りそうで慎重になる。奥黒部ヒュッテには昼には到着、夕食前に風呂に入って下さいとの声が有り、思いもかけず風呂を御馳走になる。明日は早立ちの為19:30には就寝。

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遊覧船 奥黒部ヒュッテ前にて

 

9月11日(金) 霧

出発3:50 赤牛岳12:00~12:25 温泉沢の頭15:20 水晶岳17:10 水晶小屋18:10

今日は長く厳しい登りのコースだ。気持ちを引き締めて早めの出発とする。赤牛岳の頂上迄の標識が、下から1/8,2/8,3/8,4/8,5/8,6/8,7/8と8等分されており、登りだけの長い尾根なので、只々根気が必要である。他のコースで一般的には危険と言われる,急登、鎖場、梯子等が一杯詰まっている。8時間程懸かって、なんとか頂上に着いた。これから歩んで行く前方を眺めると、今から行く水晶岳迄は、今までの苦しかった登りの事を考えると、楽な稜線漫歩だ。16:40頃西側の空が急に晴れてブロッケン現象を見る事が出来、ブロッケン現象が見られたすぐ脇の岩場に沿って、虹が出ている事に醍醐さんが気付く。なんと虹のアーチの発生元である。すぐ目の前で虹の橋の元が見られるとは何と言う感激か言葉に表すことが出来ない。二人共今までの人生でもそうだが、この後の人生でも見る事が出来ないであろう現象に感激して、只見とれるのみだ。残念乍ら感激のあまり写真を撮る事を忘れてしまったのである。この後水晶小屋には、今日一日の長い行動に猛烈に疲れ、右手の稜線に夕日が沈んで行くのを見ながら、ふらふらになりながら水晶小屋に18:10に着いたのでした。

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赤牛岳までの登り ブロッケン現象 水晶岳迄の稜線
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水晶岳頂上 稜線に夕日が沈んで行く

 

9月12日 (土) 晴

出発5:00 岩苔乗越5:40 祖父岳6:20 雲の平キヤンプ場分岐8:00~8:30 アラスカ庭園9:20

  薬師沢小屋11:50~12:30 左股分岐14:00 太郎平小屋15:35

今日は薬師岳山荘の予定だったが、前日の長行動に体が疲れ果てているようなので、とにかく太郎平小屋目指して歩きだす。『水晶小屋~三俣方面へのルートは先月の栂海新道より焼岳迄行った時に歩いているので、雲の平経由のルートだ』祖父岳の手前で今シーズン初となる霜柱発見。かなり冷え込んでいる。祖父岳の頂上から雲の平を一望する。雲の平のキャンプ場で水を補給して、雲の平山荘を通り過ぎ、薬師沢に下る。この薬師沢への下りの路は大きな石が重なった急な下りで、しかも苔が濡れていて物凄く滑りやすい、時間を掛けて慎重に下った。薬師沢小屋の傍で昼食として、緩い登りが続く東股出合いに向って進み、太郎平小屋迄3時間程の一頑張りをして、何とか太郎平小屋に辿り着いた。

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雲ノ平山荘 薬師沢山荘 太郎平小屋

9月13日(日) 濃霧~強風~雨

出発6:15 薬師岳山荘8:05 薬師岳9:05~9:15 間山12:25 スゴ乗越小屋13:35

太郎平小屋を出発した時は、風をそれほど肌に感じなかったのだが、登るにつれ徐々に風が強くなってくる。途中で休憩したので、薬師岳山荘には寄らず通過。風がいよいよ強くなり、稜線では強風が吹き荒び体を持って行かれそうになる。ストックで体を支えながら、確りと足元を確認して歩く。薬師岳の頂上で少し休み、強風に注意しながら前進するのみだ。間山を過ぎ、少しして下りに掛かると前方に赤い屋根の小屋らしき物が見えホットしたが、小屋迄はかなり時間を費やし到着した。小屋到着後14:00過ぎ頃から雨が降り出したので、雨の前に小屋に入っていたので大助かりだ。夕方醍醐さんが受付の前を通った時に太郎平との連絡で、醍醐という二人組が着いているかと確認していたとの事だ。山小屋の人達は何気なく登山者を送りだしているようだが、年齢、気象条件、コースにより気にかけている事が解った。有難い事である。

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薬師岳頂上 スゴ乗越小屋

9月14日(月) 晴

出発6:17 スゴの頭8:05 越中沢岳10:35~10:50 鳶山12:45 五色ケ原小屋13:25

朝食後直ぐに出発。小屋の前のテーブルやイスが霜で真っ白になっている。木道にも霜が真っ白に付着していて非常に滑りやすい。スゴの頭は頂上近く迄岩場の急な登りだ。登り切ったら目の前には越中沢岳が聳えている。一寸下ったかと思うと直ぐに登りになり、まだ時間も十分に有るのでゆっくりと登る。この越中沢岳より鳶山間はたいした事は無いなと思っていたのだが、鳶山が近づくにつれて高度感が増して来た。此処もゆっくりだ。鳶山の山頂からは、眼下に残雪と広々とした五色ケ原の景色が広がり気持ちが良い。今日泊まる五色ケ原山荘はこの五色ケ原の真ん中に位置している。

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スゴの頭 越中沢岳を見る 越中沢岳頂上
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越中沢岳 五色ケ原と五色ケ原山荘

9月15日(火) 晴

出発6:00 ザラ峠6:35 獅子岳7:55~8:10 室堂山11:10~11:25 立山室堂山荘12:10

ザラ峠迄は、ほゞ下りだ。朝一番なのでのんびりと草原の中を歩く。ザラ峠~獅子岳を見ると見上げる程高く、かなり苦戦を強いられるかと思ったのだが、まだ歩き初めで疲れも無い為か、コースタイム通りに歩く事が出来た。室堂山と一の越の分岐迄は、鬼岳と龍王岳を巻いて、岩場とガレ場のミックスのルートを登りながら到着。此処で一休み後、室堂山に向かうが、地元ではこの室堂山をカルデラ展望台と呼んでいるようだった。カルデラや後方に聳えている槍ケ岳を望遠後、室堂に向かう。日本最古と言われている山小屋の横を通り、隣の立山室堂山荘が本日の我々の宿だ。食堂で昼食後温泉に入る。奥黒部ヒュッテ以来の風呂で実に気持ちが良い。時間もあるが部屋に戻り後4日ある事を考え、体力の回復の為にのんびりと過ごす。

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獅子岳頂上 鬼岳と右側(雄山) 五色ケ原
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鬼岳と右側(雄山) 龍王岳 雄山
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遠方に剱岳 日本最古の山小屋  

9月16日(水) 曇

出発7:00 一ノ越山荘7:50 雄山9:00~9~9:15 大汝山9:40 真砂岳10:40別山11:45 剣山荘13:40

本日の行動は剣山荘までの予定だ。通常なら剣山荘に行くには雷鳥沢経由の方が時間は相当に短縮出来るのだろうが、ここから剣岳本峰へ行き剣山荘へ帰ってくるのは厳しいので、少し大回りになるが一ノ越から立山を通って行く事にする。雄山ではヘリコプターの荷降ろしの為通行止めとなり暫く待たされる。立山では一番標高が高い大汝山を通り越し、富士ノ折立を下がった近辺より何故か登山道が歩き易くなって来た。真砂岳、別山等の頂上には確りと立ち、別山の頂上よりは明日登る剣岳の頂上が大きく聳え立っており、明日の登攀意欲が盛り上げられる。剣御前小舎より剣山荘迄は剣御前への別山尾根と剣沢に降りるルートの中間にあるトラバースルートを歩いたが、ガレ場と岩屑のミックスで歩き難し。山荘でシヤワー。2日続きの沐浴は快適で疲れもどこかに行ってしまう。

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大日連峰 雄山(社務所より) 大汝山
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別山 剱岳を背に  

9月17日(木) 雨

出発6:20 一服剣6:50 前剣8:00 剣岳10:00~10:10 前剣11:50 一服剣12:10 剣山荘12:50

今日は雨予報だったので、起きた時は降っていなかったので喜んでいたのだが、朝食が終わり外を見ると残念、なんだか少し濡れている。出発時には雨も少し強くなってきたようだが、此処で待機していても仕方ないので、出発する事にする。一服剣迄の道中も足元の岩や鎖がかなり滑りやすい。気を付けて行こう。この先には前剣やカニのタテバイ等危険個所が連続しているので充分に気を引き締める。剣岳のテッペンに辿り付き少し休んだが、雨も降っているので体が冷えない内に下る事にする。鎖場や岩場の部分は登りよりも下りの方がより注意が必要で、今日は雨の為、鎖を持つ手や足場が滑り易いく、余計な力が入る。前剣辺りより雨、風も強くなって来たので緊張が高まるが、一服剣を過ぎて最後の鎖場が終わると、ほっとして気が緩み、何故だか寒気を感じたのだった。

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剣岳のテッペンにて

9月18日(金) 晴後霧

出発5:25 剣御前小舎7:20 新室堂乗越8:25 奥大日岳10:40~11:10 中大日岳12:50 大日小屋13:00

この剣山荘より剣御前に向かうコースは3通りあるが、トラバースルートは一昨日歩いたので、剣沢コースを行く事とする。剣沢小屋迄は下りで楽だったが、小屋を過ぎると比較的緩い登りとなり、最後は急な登りとなっていたのだが、割りと楽に御前小舎に着くことが出来た。これより奥大日に向かうのだが、室堂乗越よりは立山~一の越~浄土山~国見山~天狗山に囲まれている室堂全体が良く見えて、とても素晴らしい景色だ。又地獄谷の噴煙の吹き出し音も良く聞こえ、紅葉も既に始まっている。奥大日より剣岳を見ることを楽しみにしていたが、10:00頃より霧が出て来たので望みが断ち切られてしまう。誠に残念だ。大きな岩がある七福園を通過すると程無く大日小屋だ。今日はまだかなり早いが、此処に泊まるので小屋に荷物を預け大日岳迄往復する。夕食は17:30からとの事で、時間になって食堂に行くと、其処には沢山のランプが吊られており、ランプの明かりの下で食べる食事の雰囲気も素晴らしい。

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奥大日岳
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大日岳

9月19日(土) 雨後曇

出発4:30 大日平小屋7:15~7:40 牛ノ首8:35 登山口9:30 称名バス停留所着9:45 立山駅着10:35 電鉄富山着13:16 東京駅着17:12

今日は一般にはシルバーウイークの初日である、帰路の交通機関の混雑が心配だ。濃霧の中を出発する。まだ暗くてヘッドランプの明かりを頼りに、濡れて滑る岩に注意しながら、転ばないように慎重に下ったので、大日平小屋迄時間が掛かった。休憩後は予定の時間通りに下ることが出来、登山口には9:30に着き、バス停には9:45着だ。バスに乗ってから運転手さんに立山駅の傍でどこか風呂に入れないかと聞いたら、千寿荘を教えてくれたので、そこで風呂に入り、この10日間の汗と埃をすっかり洗い清めて、富山駅を経由し、北陸新幹線で東京駅には17:12に着き、東京駅でこの10日間の相棒と別れて帰宅した。