お知らせ山想倶楽部

■ 2015.08.24

室堂から太郎平・折立の縦走(山想倶楽部)

石原達夫

 

期日 8月2日から6日まで

参加者 吉永英明、廣島孝子、酒井展弘、西谷可江、石原達夫

 

8月2日

8月初めは地元小・中学校恒例の集団立山登山があるそうで、そのため室堂はおろか天狗原、弥陀ヶ原のすべて宿泊設備は満杯である。折角予約した宿も先方の手違いで違う日となっており、間際で宿を探す羽目になった。無駄を承知でほとんどすべての宿に電話したがやはり駄目だった。仕方なくウエブで立山駅付近の宿を探すとスキー場の宿、ホワイトベルが見つかった。やれやれである。

東京を9:44発の北陸新幹線“”はくたかに乗車する。自由席しかなかったので万全を期して50分以上ホームで待ったが、東京駅では発車間際でも座れる程度だった。 しかし大宮では通路に立つ人が見られる混み方になった。 長野を過ぎると空席がだいぶ目立つようになり上越妙高を過ぎるとほとんどガラガラになった。 まだ北陸方面の観光開拓は不十分だということがわかる。 道理で金沢行きは1時間あたり“かがやき”1本、“はくたか”1本のわずか2本しかなく、これでは大金をかけて造った北陸新幹線は無駄使いだといわれても仕方あるまい。

12時近くに富山駅に着く。1時前に京都から参加の酒井さんを待ち、新しい駅ビルにある食堂で白エビ天丼を食べる。なかなか美味い。3時近い地鉄に乗り

立山駅到着、明日のケーブルの時間や切符の買い方を聞き、宿からの迎えの車に乗り今日の宿ホワイトベルに着く。スキー場の前に位置している温泉付き宿だ。

ここの温泉はアルカリ泉、露天風呂もあるが夕方はアブが出るから注意とのこと。夕食もよかった。

8月3日

朝はほとんど起き抜けで5:40 宿の車で立山駅に送ってもらう。すでにケーブルの切符売り場は行列である。6:00 切符売り場がオープンし6:40 発のケーブルの乗車券を買うことが出来た。待つ間に外のベンチに座り、昨日買ったます寿司を半分食べ朝食とする。ケーブルに乗れば後は順調にすすみ8時ころ室堂バス停に着く。広場の湧水を水筒に入れ、諸々の準備を済ませて8:30頃から歩き始める。

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室堂のバス停から一の越への道

まずまずの好天気、一の越へのメインストリートから分かれて室堂山に向かう通路をとる。以前はゴロゴロ道だったのがよく手入れされた石畳みの道となっていた。室堂山の展望台への道から分かれ山道に入りすぐ雪田を渡りきるとガレ場の急登となる。登り切って浄土山、続く竜王岳に出れば雄山の展望が開ける。よく見れば一の越から御山に登る多くの人々が確認できる。鬼岳、獅子岳の間には3か所ほど雪渓の上部を通過する所があるが、別に問題はない。早い時期だと軽アイゼンがあった方がよいといわれるところだ。

獅子岳からザラ峠までは400米下ることになるが、この辺りから霧が昇ってくるようになり風も出て涼しい。いやらしいガラガラ路を下っていくとライチョウが私らを待っていて、しばらく先導してくれる。立山カルデラ側は崩壊が相当に進みそのうち登山路も付け替える必要がありそうだ。ライチョウが出れば雨というごとく、ザラ峠を過ぎるころから雨がポツポツ降り出してきた。空を見れば東側は晴れ間もありすぐ止むだろうとたかをくくっていたが、そのうち濡れるようになり先ずザックカバーを付け、ついに雨具を着ることになる。意地が悪いものですぐ雨は止む。雨具は着たまま乾かす。五色が原小屋の見えてきたところで生乾きの雨具を外しザックにしまい込み小屋に着く。小屋では個室をあてがわれ、やることがないので、5時の夕食までゆっくりと飲みながら時間を過ごす。夕食後はすぐに寝る。7時頃だろう。ここのトイレはペーパーも流せる水洗式で快適だ。

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五色ヶ原山荘を出発

8月4日

朝食5時なので6時には出発する。天気予報では3時頃には雨ということなのでその前にスゴ乗越の小屋に着きたい。地図帳を見るとコースタイムがまちまちでどれが適切なのかわからない。朝の五色が原は気持ちよい。鳶岳の登りからは、朝もやで少しぼんやりした後立山連峰や昨日越してきたいかつい獅子岳、とがった鬼岳が見える。ここからはお花畑でいろいろな高山植物が見える。越中沢岳までは朝の勢いでどんどん上る。スゴの頭との鞍部まで何と3時間半。地図帳では越中沢岳まで4時間とある。このくだりで反対側から登ってきた登山者にライチョウ親子がいると教えられる。登山路のわきに2~3羽の子を連れた母鳥がいた。鞍部からスゴの頭までは200米に満たない登りだが急でくたびれる。スゴ乗越の下りがまた急だ。スゴ乗越の先は樹林帯となり先ほどまで見えていた赤い小さな小屋はみえなくなる。黒部渓谷を挟んだ対岸には烏帽子岳、南沢岳が見え、さらにどでかい赤牛岳が聳えている。あまり早く小屋に着くと「まだ夕暮れまでは十分時間があるから薬師小屋まで行きなさい」といわれる可能性があるのでゆっくりしたいところだが、振り返ると昨晩五色が原小屋に泊まっていた34名と23名の大団体がスゴの頭からわさわさと下って来る、この連中に先を越されて小屋に入られたらえらいことになると早々に小屋に着く。小屋には吉永さんの知人の勝山さんが働いていたがこの人数では特別待遇は望むべくもない。夕食4時半、朝食4時半ということだ。酒井さんの機転で2階ベランダにテーブルといすを確保し夕食を待った。下の前庭のベンチでは団体さんがラーメンを作り始めていたが夕立になってしまって大騒ぎだった。

さて寝場所だが、当初布団1枚に2人といわれ驚いたが、寝るころには布団2枚に3人程度に緩和された。しかし寝るときは隣同士が頭と足を互い違いにした。夕食を食べたら寝るしかない。6時前には、寝たと思う。

8月5日

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スゴ乗越小屋

昨夜は窮屈で熟睡は出来なかったが、朝方には逆に疲れが出たためか目が覚めない。時計を見ると4時17分、これは大変だと飛び起きる。デジタル時計の見間違えで実際は4時7分だったがともかく手を洗い食堂に行く。昨日の五色が原小屋より幾分ましな食事だ。5時半には小屋を出立する。勝山さんには太郎平小屋での個室確保をお願いする。

まずはなだらかに見える間山の登りから始まるが、登山路は直登するので、見た目ほど楽な登りではない。大体室堂から来る人たちは同じ小屋に泊まり、同じ時間に小屋を出るため、お互い抜きつ抜かれつでだんだん顔見知りとなる。

この辺りも一面のお花畑だが花の種類が変わってきている。間山山頂手前の池のある所で休む。

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薬師岳の手前、間山の登り

テント泊りの若いカップルが母親と思しき女性とともに先行していたが、いきなり荷物を放り出し走って下って来る。小屋に忘れ物があるとか。間山を越えると薬師岳山頂が見えてくる。振り返れば雄山が一段と立派に見える。剣岳も見えるが雄山の方が威厳がある。そうかそれで雄山なのか、と納得する。此処からの北薬師岳の登りがきつい、黒部側にガレたところを慎重に越すと、後は単調な登りが続き、やっと北薬師山頂に着く。山頂は人が多いので少し下がったところで休む。わがパーティの女性はここが薬師岳山頂と思っていたらしく、なんで写真を撮らないのかといわれる。ここから一旦下り、次いで登りとなる。

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北薬師岳と金作谷カール

雄大な金作谷カールを見ながら小1時間で薬師岳山頂に至る。忘れ物を取りに戻ったカップル+1名はいつの間にか私らに追いつき、追い越して行った。若いというのは素晴らしいとわが老人組は羨ましがる。

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薬師岳山頂、ここから先は下るだけ。

 

 

 

 

 

山頂では当然大休止、山頂のお堂には古い薬師さんと金ぴかの薬師さんが鎮座している。さてここから先は下り一方だ。愛知大事件の恨みの北東稜の頭を過ぎると、天水だけに頼った、しかし立派な薬師岳小屋の横を通り抜ける。登山路が緩い尾根道から谷あいに入るところにある水場で冷たい湧水を飲み、しばらくぶりに顔を洗う。谷とも道とも言えないところを下ると薬師峠のすっきりしたテント場に出る。これを過ぎて一登り、目の前に現れた太郎平小屋に向かう。

部屋は残念ながら個室にはならなかったが大部屋の隅に1人布団1枚で場所をあてがわれる。残りは山形からの30人くらいの団体が占めていたが、この団体は圧倒的に女性が多い。夕食後部屋で話をしていたらうるさいと苦情を言われ早いけど7時10分ごろ電気を消して寝た。

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太郎小屋の朝

8月6日

朝食5時、余計な水も捨てて身軽になり6時下山開始、下りはなんだかんだ言っていても速い。大学が夏休みに入ったためか合宿に入る学生のパーティがいくつも登ってくる。テントを持った単独登山の若い女性も目立つ。休みながら降りても9時前に折立バス停に着く。急げば8:30 のバスに間に合っただろう。次のバスは10:45発なので待ち時間がありすぎる。幸い5人乗りのタクシーが空いているというのでタクシーに乗る。昨日確認しておいた亀谷温泉の白樺ハイツという日帰り温泉に寄ってもらう。この温泉は軽々しい名前だが、しっかりした温泉ホテルで、温泉場もなかなかよく、しかも1人610円と安い。温泉は10時オープンなので少し待ち、ゆっくり入って11時には乗ってきたタクシーで富山まで送ってもらう。これで1人3800円、多分パブリックの交通機関と比べてそれほど高くないと思う。富山駅では来た時に寄った駅ビルで回転寿司屋に入り豪華に昼食。いや山小屋の食事と比較しての話だ。

酒井さんを除いた4人は12:55 発のはくたかに乗車する。この列車は長野を過ぎると大宮までノンストップで16:28 には東京に着く。

これにて5日間の山旅は終了、解散と相成った。

平均年齢74.5歳の皆さん、よく歩きました。

以上