お知らせ山想倶楽部

■ 2016.11.04

山想俱楽部 2016年の夏の合宿 (徳本峠から蝶が岳)

山想俱楽部 2016年の夏の合宿  

徳本峠から蝶が岳              

石原達夫・記

 

期日 2016年7月26日-29日

参加者 西谷(隆)、西谷(可)、吉永、川村、横田、菊池、高橋、石原(担当)

 

7月26日 

電車組3名は上高地着3時前という空いたバスに乗車し、何十回目の上高地着、ちょっと小雨の中を山研に到着する。暫くすると高橋車が4名にて、荷物混載で到着する、早速食材等を運び込むがその量のすさまじいこと。高橋大炊頭指揮のもと調理が始まるが、あとの男どもは悪いなといいながらもビールを飲む。ようやく整った夕食は、たくさんの野菜の入る鯛のしゃぶしゃぶ、岩牡蠣、ホヤ、とうとう、みな高橋さんが魚河岸で仕入れたものばかりで、食事の〆は、こがねもちが入る。皆さん夕食を堪能して、それぞれ寝所を確保する。

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山研階段

7月27日

一応雨は上がっているものの全体曇り、しかし青空もちらほら見えるという天候。

今日は徳本峠小屋泊まりという超イージーな予定なので、あまり早く宿につかないよう、あまり遅く山研を出発しないよう、これまた超安易な時間配分をする。9時に山研を出て、明神に至り、ここで時間調整のため明神池、穂高神社奥社を参拝する。ついでに寄った嘉門次小屋はすっかり綺麗な新築で前庭には小綺麗な屋外喫茶スペースが設置してある。昔からの炉端だけの小屋は、象徴としてか残してあるのか、このアンバランスが面白い。これから峠の登りとなるが、高々1時間半の登りがだらけた体には結構厳しい。なんとか1時前に徳本峠小屋に到着する。あたりには人影もなくどうなってるんだろうという感じだったが、突然管理人室の窓が開き、案に相違していて若い管理人が顔を出す。かの有名な頑固おやじと代わったようだ。勧められ儘に中に入り、食堂のテーブルを借り高橋さん手作りのおにぎりを食べる。この小屋は新館と呼ぶ立派な建物があり、それによりかかった形の昔ながらのつぶれそうな小屋が本館だそうだ。基本的には定員以上には人は詰め込まないようで案内された寝場所は広々ではないが一人づつ楽に寝られるスペースだ。夕食はおでんとハンバーグをメインにいろいろ盛られたおかずで、十分食べられるレベルであった。

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徳本峠小屋

7月28日

残念ながらあたりは霧、空は暗い曇りで、期待の明神方面は全く見えない。私事ながら、かの昔に明神5峰の東壁に暫し通ったことがある。奥又白と違ってアプローチが悪いだけクライマーも少なかった。今や終活の登山であるのでその若き日の残影でも見たいというのが今回の登山の秘めたる目的でもあった。朝は6時出発、宿泊客の大半は1日がかりの霞沢岳登山のようで、蝶が岳、大滝山方面に向かったのは我がグループ以外は1パーテイのみの静かなものだ。途中の槍見台でも樹林の合間にも一向に遠望は利かず、あるのは乳白色の空間だけである。

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大滝山北峰

何も見えない樹林の中を歩くことに終始するが、やっと樹林帯を抜け大滝山に近づくと高山植物の咲く斜面になり、やっと北アルプス的山容になるが、本来見えているはずの明神主峰から前穂高岳、奥又白方面は相変わらず霧の中、一向に姿を現さない。お花畑の花を見ながら急斜面を登ると大滝小屋に着く。私自身は徳本峠から大滝山までは初めて歩くコースである。大滝山は中学生のころ父親に連れられて徳沢から登っている。小屋にはここから徳澤には下りられませんと張り紙があるが、昭和初期の登山者であった父親は何処から私ら子供を連れて登ってきたのだろうか。その時の下りは蝶が岳の長壁を降りたことは確かなので長壁を登ったわけでないのは明白だ。さて大滝山に着く前に一行の1人が足と腹部の痛みが出たとかで、だんだん遅れてくる。横田さんがザックを2つ背負って頑張ってのぼってきた。大滝小屋は泊まる人がいるのかどうか、静かで人気を感じない。足元の高山植物を見ながらのひと踏ん張りで蝶が岳に着く。合宿で登ってきたと思われる女高生が頂上で次々とうたっているのが霧の中から聞こえる。蝶が岳小屋は個室を予約してあったので部屋でゆっくりとくつろぐ。登りで腹痛をこらえて登って来たわがグループの1人は、小屋に仮設されている名古屋市大医学部の診療室で診てもらう。医師が2-3人の学生を助手に使い時間をかけて非常に丁寧に診察をし、結果として脱水症による神経障害ということになり皆ほっとする。夕食は吉永さんの言う山小屋定食のハンバーグが主体であったが、ここは手作り風で結構食べられる。外は変わらず深い霧で何も見えず薄ら涼しいだけなのにやたら人が歩き回っている。部屋が人で一杯で居場所がないのか、山気に当てられて興奮しているのか、ぞろぞろ人が歩いている。

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雲の間から穂高岳

7月29日

朝も霧で東も西も山腹程度しか見えない。何も見えなければ、ここに来た価値は全くない。

常念に行っても仕方ないし、体調不良の人だけでここから下山してもらうわけにもいかず思案の最中に、山が見えるよという声で窓からのぞくと何と霧が晴れて、南は明神岳から、北は槍ヶ岳まで一直線に並んだ山なみがドカンという感じで見える。ベランダから見るとよく見えるとか言われてカメラ片手にベランダにすっ飛んでいく。写真を撮り終わると間もなくどこからか湧き出した雲に見事な景色はすっぽり隠されてしまった。天気も下り坂、山も見えずそのうえ雨に降られたら面白くないし、ということで皆さんと協議した結果、体調不良の人をエスコートするという理由付けで直接三俣に下ることとなった。まずタクシーの予約を山小屋に頼み、診療所の医師に挨拶して下山にかかる。もともと蝶が岳のボッカ道なので、途中のガラガラしたところをのぞけば、よく整備されている。登ってくる個人、団体の登山者は多い。階段状に整備された登山路が終了すると舗装された林道になるが、タクシーが待つ場所までこの林道をさらに1キロ弱歩くとは予想外だった。意外にもジャンボタクシーが迎えに来ていて一同乗り込む。行先は石楠花荘の温泉。これにて今年の夏合宿は無事終了した。