山想倶楽部

■ 2011.08.20

'11/8黒部源流の山旅

 倶楽部山行/‘11/8月山行 

山行日 2011年8月6日(土)~9日(火)

参加者 3名 石原達夫、他会員外2名

山行報告 

石原達夫・記

コース概略  富山駅~折立-太郎平=薬師岳往復、太郎平小屋(泊)-北の俣岳-

黒部五郎岳-カール-黒部五郎小屋(泊)-三俣蓮華岳-双六岳-双六小屋-弓張岳-鏡平山荘(泊)-わさび平小屋-新穂高温泉~松本駅

 

8月6日

予め予約の富山駅6:10発の折立行き直通バスに乗る。 乗客は登山者ばかりで20名くらい。  バスは有峰ダムで時間調整し、小雨の中8:15頃折立に着く。 辺り一帯道路まで多数の車が止めてある。 雨具に身を固め、折立登山口8:30出発する。

三角点に出るまでの樹林帯の急登で、雨具の下は汗でびっしょりとなる。  木道の出る辺りで、雨が止んだので、早い昼食とする。 あたり一帯は、ニッコウキスゲと綿毛となったチングルマの群落である。  13:05に太郎平小屋に着く。







若干の展望もきくようなので、薬師岳往復をしようと13:20に出発する。  東南稜の頭にさしかかる頃、雷鳴と共に雨となり、雨具を付ける間もなく猛烈な降りとなる。  これより先は、風雨を避ける場所もない稜線になるので、前進を断念し太郎小屋に15:40に戻る。  

折から各方面からの到着者や、大雨のため予定の前進あるいは下山を断念して宿泊する人たちで、小屋は大混乱の状況となる。  臨時診療所の医師まで出て対応に大童だ。  狭くもない乾燥室は濡れ物で一杯、あたかも海草の乱立密集する海底のようだ。  結局布団2枚に3人程度のスペースに押し込まれる。  雨の止み間をぬって県警のヘリコプターが飛来する。  病人と怪我人の収容だそうだ。  明日の天気予報は1日中雨という。

 

8月7日

朝は晴れ間の見えるまあまあの天気、5:30に小屋を出る。  北ノ股岳までは2時間の登りで予定通り。 今日は余裕があるのでこれからはゆっくりとあるく。 一面のお花畑で、ハクサンイチゲ、ミヤマダイコンソウ、ヨツバシオガ、ハクサンフウロ、等々が咲いている。 地図で見るよりすっきりした赤木山(8:30)にいたれば、眼下には、たおやかな黒部源流が広がり、視線を上げれば薬師岳から雲の平、赤牛岳、水晶岳、鷲羽岳の雄大な姿が目に入る。  ここからは下りとなり小さなピークを越えて、中俣乗越に至り大休止とする(9:00-9:15)。  ここからは、黒部五郎岳の登りとなる。 天候は徐々に悪化し、展望はきかなくなる。 雨の降る前にと、2500M地点で早めに太郎小屋の押し寿司弁当の昼食をとる(10:30-10:50)。 間違いなく午後は雨になるので急ぐことにする。  長い急登の末、黒部五郎岳の肩に着く(11:50)。  既に雷鳴を聞くようになり、ここからは雷撃の危険度の高い稜線伝いのルートは諦め、より安全なカールルートに入ることとして、その前に山頂を往復する。

気がつけば雷鳥一家が側を歩いている。  ついに雨となったので、雨具を付け、カールルート降り口方面に稜線を辿る(12:10)。  この頃には雷鳴も一段と近くなる。  稜線からカール底に向かう斜面に至って、一安心と思ったとたんに、雷光と雷鳴が同時に襲い、差していた傘に帯電したのか、パチンという音と共に持っていた手が痺れた。  直ちに傘を投げ捨て、同行者にも金物は手放すように云い、暫く身を低くかまえる。  そのうちに雨が強くなってきたので、雷撃の心配は少なくなったと考え、行動を開始した。  未だゴロゴロと雷鳴が響き、雷雲が黒部五郎岳の上に止まっているようだ。  見上げると黒部五郎岳の肩で食事をしていた後続のパーティが、やっと稜線を離れて無事にカールに下ってくるのが見えた。  雨は強くなったり弱くなったりで、カール底のごろごろした岩の間(羊群石)の間を、勢いを増す水流を避け歩く。 岳樺帯に入る頃には小降りとなる。 やっと五郎沢左俣の広い沢が見えると、黒部五郎小屋についた(14:00)。 途端に凄まじい雨となり、一時は小屋にも水が浸入するのではないかと思われる勢いであった。  後続パーティはなかなか到着せず、心配していたが15:00頃、全身ずぶ濡れで続々と到着した。  登山路は完全に川となり、歩行はかなり難渋したそうで、靴の中まで水浸しであった。  夕方には雨は上がったが、展望はきかない。 今日は余裕で1人布団1枚であった。

8月8日

同行者に起こされ、目を覚ましたら5:12、急いで食堂に行くと1人分だけ食事が残っていた。 昨日から食欲がなく、おかずだけ食べてすぐ出発する(5:35)。  天気は  高曇りで青空も見えるが、天気予報は一日中雨とのこと。  半分寝ぼけ気分で三俣蓮華の急坂を登る。  眼下に瀟洒な黒部五郎小屋が見える。

1時間も登ると稜線に出て、その先に三俣蓮華岳の頂上が見えてくる。  山頂に着くと大勢の登山者がいて、見渡すかぎりの山々のパノラマを眺めている(8:10)。 








昨日の同宿のパーティから山の説明を求められる。  くっきりではないが槍の3つの鎌尾根が見える。 雲ノ平小屋も小さく見える。  眼下には赤い三俣蓮華小屋が見え、県警のヘリコプターが降りてきている。  これから南に進路をとり、稜線伝いに双六岳にむかう(8:20)。

見えていた槍から穂高までの稜線はいつの間にか深い霧に消える。  山頂(9:30)から双六小屋に向かう幅広い尾根を、雷を気にしながら行くと、20名位のツアーパーティと行き交う。  皆黙々と歩いているが、楽な迂回路の多いこの辺りを、山頂経由出行こうというのは立派だと思う。  双六小屋は登山路の交差する所だけに、大勢の登山者が休んでいる(10:20)。 ピーチネクターを買い、すぐ出発。 上り下りを繰り返し、休まず弓張乗越に着く(12:10)。  ここで昼食だが食欲なく、ジュースだけ飲む(12:30)。  時間的にはわさび平までいけるが、鏡平から眺める朝の絶景を期待して、少し到着時間が早いが今日は鏡平小屋に宿泊と決める。 初めの池を過ぎると、美しく池に写る鏡平小屋が現れる。 橋を渡って小屋には13:00に少し前に到着する。 今日は宿泊客が多く布団3枚に4人とのこと。 チト当てが外れる。  小屋では昼食としてうどんを食す。  午後一杯は少し雨のぱらつくことはあっても、大体が曇りで 4:30の夕食まで食堂のベランダで過ごす、但し展望はない。  夕食後は、展望は依然としてないものの明るくなった外で、暫く過ごす。 

 

8月9日

4:05に起床。 身支度を調え、4:30より始まる朝食の列に並び、おかずだけ食べる。  外は槍から穂高までの黒々としたシルエット。  良さそうな天気で、鏡平に泊まった甲斐があった。

5:00少し過ぎに出発。  池に映る槍から穂高の稜線を眺め、足を進める。  日の出と共に、前方に乗鞍と御岳が重なって見えてくる。









この辺りには早くもトリカブトが咲き、クルマユリも見かける。 一面イタドリだけ生えている不思議な所を過ぎ、快調にとばして林道に出る。  わさび平小屋では一休みし、またネクターを買う。  これから先の林道では次々と登ってくる登山者に挨拶を交わし、穴毛沢の第1、第2尾根の岩峰が見えると間もなく、新穂高温泉のバス停に着く(8:25)。   例の如く温泉に入り汗を流す。 同行者は急ぎの用事があるのか、8:55の高山行きのバスに乗る。  松本行きのバスは11:30なので、早い昼食を食べたりしてゆっくりと過ごす。

 

毎日午後は天気が悪く、雨具を離せない山旅であったが、体調不良ながらガイドブックの時間内に歩けたことがうれしかった。