お知らせ山想倶楽部

■ 2014.10.30

桧枝岐から会津駒ヶ岳、燧岳、尾瀬ヶ原(山想倶楽部)

記:石原達夫

期日 2014年9月16日-19日

参加者 吉永英明、下河辺史郎、武田鞆子、西谷隆亘、西谷可江、山村秀彦、川村光子、石原達夫

 

9月16日

10時40分東武浅草駅発の会津田島駅直通の区間快速に全員乗車する。この電車は東武伊勢崎線-東武日光線-東武鬼怒川線-野岩鉄道・会津鬼怒川線と順にたどり3時間17分後に目的地の会津高原尾瀬口駅に到着の予定だったが、鬼怒川温泉を過ぎたところで福島内陸を震源地とする地震に遭い、電車は安全確認が出来るまで一時運転休止となってしまった。

しばらくして電車は動きだしたが人の歩く程度の早さの超低速運転が続く。何と云う事はない保線係員が徒歩で線路の安全状況を点検しているのでそれより早くは走行出来ないということだった。野岩鉄道に入ると普通の速度になったが、時すでに遅く会津高原尾瀬口に着いたのは14時50分頃、会津バスは少し待っていてくれたらしいが、我々が着く直前に走り去るのが見えた。次のバスは16時20分、タクシーにしようかと思ったがとても高いので、バスを待つことにし、それまで駅隣接の売店でスナックを食べたりして時間をつぶすことになる。やっと乗ったバスは延々と走るが、桧枝岐村までは遠い。トンネルを幾つかくぐり、桧枝岐村に近づくとスキー場や温泉設備とかが目に入るようになるが、過剰投資じゃないの、と心配になる。そんなにお客が来るのだろうか。村に入るとバスは随意停車なので今日の宿となる民宿かどやの玄関先で降ろしてもらう。今日の宿は山想倶楽部で貸し切りだ。温泉に入ったあと、地元素材による夕食を楽しむ。

 

滝沢口登山路
滝沢口登山路

9月17日

宿の好意で早めの朝食の後直ちに出発。宿の車2台でバス停登山口の先林道2キロの滝沢口登山路の登り口まで送ってもらう。歩き始め(6:50)は、道路から手すりの付いた階段を登る。頂上までは標高差950米の登りだが、ブナの大木の林の中の登山道はいきなり急登の連続で、展望もなくただひたすら登る。

駒ヶ岳展望台からの風景
駒ヶ岳展望台からの風景

 

 

 

いい加減くたびれたころに少し広めのなだらかな場所がありお休み処といった感じで登り降りの登山者が腰をおろしている。休憩していた2人連の山慣れた感じの若い女性は尾瀬みはらしの宿の従業員だそうで、昨夜は駒の小屋(山頂小屋)に泊まったとか、つかの間の骨休めだろう。この少し先の水場降り口を過ぎるとやがて登山路は尾根につけられて緩やかな登りとなる。樹木もブナからオオシラビソに替わり少し展望がきくようになる。歩きやすい尾根道を行くと突然樹木がなくなり草地の展望台に出る。

小屋を目指して
小屋を目指して

目前には駒ヶ岳山頂付近のなだらかな山容があり、少し左上には2棟の山小屋が見える。草地のプロムナードを進めば山小屋のある池の平に着く。池の脇にあるベンチにザックを置き、なだらかな登山路をたどり、少し急坂を登って2134.5米の山頂に出る、予定時間通りの到着だ(11:00)。見渡せば近くに明日登る燧岳が見え、その後ろの至仏山までは判るが、この辺りは不案内であとの山々は残念ながら山名が分らない。ベンチに戻り昼食を済ませる(11:30‐12:00)ついでに駒の小屋に行き内を見せてもらう。こじんまりしたしかし感じの良い小屋だ。帰りは一気に下り、登り口のパーキングスペース(14:10)に降り立ち、林道は途中ショートカットでバス道路に出る。

下山、駐車場
下山、駐車場

バスが来るまで1時間以上あるので役場まで歩く。吉永さんは早速役場に行きこの地区の状況調査をするとか、仕事の一環であろう。15時50分のバスに乗り、御池ロッジに着く(16:20)。立派なロッジで、温泉もあって気持ち良い宿だ。

 

9月18日

今朝の天気予報はあまり芳しくなく、早くも出発時刻には小雨模様となる。この状況を勘案し、燧岳登山組と、燧裏林道経由組とにわけ、それぞれに見晴らし(下田代)十字路の宿を目指すことになる。燧岳から十字路に直接下りる登山路みはらし新道は台風で荒廃していて通行禁止とのことなので、山頂から尾瀬沼に直接行けるナデッ窪を下り尾瀬沼に出るコースをとることになるが、私らがナデッ窪を下ると言うと、桧枝岐でも御池でも、それは止めて遠廻りでも安全な長英新道から沼に出なさいといわれる。山慣れた連中と云うことで了解してもらう。 兎も角雨具を付けて出発する(6:50)、登り始めは樹林帯のジグザグ道でここも急だ。登りが緩くなると霧の中の広沢田代に出てホッとするがこれもつかの間、また急登の連続を我慢して登れば間もなく広々とした熊沢田代に出る。

熊沢田代
熊沢田代

 少し霧が切れるが遠望はなく、ふり返ればはるか下に先ほど通過した広沢田代が確認できる程度だ。

広沢田代を見降ろす
広沢田代を見降ろす

 

 

 

 

 

 

 

ここからはガラガラした沢状のくぼみを登る。このあたりはやたら急ですごく疲れる、やはり年を取ったせいだろうかとイヤな気がするが、先行パーティや、前後して登ってきたおばちゃんのパーティを見るとこの登りに私らより難渋しているようで、すごく疲れるのは単に急な登りのせいだと変に安心する。この急登の途中で初めて休む、出発して2時間以上経過している。更にガラガラの程度が大きくなり、やがてよじ登るほどの岩の急斜面を上がるといきなり頂上の俎板嵓2346米に出た(10:40-11:00)、何と休み時間を入れてもガイドブックのコースタイムより短い時間で登れたことになる。頂上からの展望はガスのためゼロだが、ほんの一瞬だけ白く輝く尾瀬沼が思ったより近くに見えた。

一瞬の尾瀬沼
一瞬の尾瀬沼

時間とルートの関係で最高峰の柴安嵓はカットして、いよいよナデッ窪の下降に入る。

ナデッ窪入口
ナデッ窪入口

 

 

 

 

 

 

 

確かに急峻で大きめの岩石がごろごろしているが、私らにはかえって変な急坂より楽な位だ。昨日駒ケ岳で会った韋駄天のおばちゃんは1時間程度で下ったというので、それなら私らも1時間チョイでというつもりだったが、窪が緩い傾斜帯に入り、さてスピードアップというところで何と雨が強くなり岩が滑りやすく慎重に下らざるを得ないので意外と時間がかかり、結果コースタイム通りの2時間で尾瀬沼尻に着いた(13:00)。ようやく雨は止み青空も現れてきたので、越してきた燧岳を見上げ、また沼を眺め、売店のコーヒーを飲んだり食事をしたりの大休止(13:45)。ここからは木道や桟橋の続く歩きやすい道をたどり、17時までに着けば良いか、の当初予定よりずっと早く十字路の桧枝岐小屋に着いた(15:05)。

小屋では裏燧林道経由組と合流し、夕食までは風呂に入ったり雑談したりして過ごす。宿は他に若い男性2人組がいるだけでほぼ貸し切り状態だ。夕食後は疲れていたせいかすぐに寝てしまった。

 

別働隊 燧裏林道組の記録 この項のみ川村光子・記

朝から雨模様なので今日は燧岳と燧裏林道に分かれる。健脚揃いの吉永、石原、山村氏は6:30燧岳を目指す。西谷夫妻、下河辺、武田、川村で、7:00頃御池ロッジを出て、駐車場の脇を抜け長い木道へと入る。雨はシトシト降り足元の木道が濡れてすべるので気が抜けない。木道は東電のカラマツの木で作られ、7年ごと取り換えられるとの事でした。

上田代、横田代と山腹の中間部ではコメツガ、シラビソ等の針葉樹の森が薄暗く、森閑とした空気に包まれ、大きな空洞になった大木、根で石を抱えた古木が見られ、また足元には赤い傘のキノコが生えていた。ヤマトリゼンマイがあざやかに赤く色づき、もう草紅葉は見ごろで、ここ1週間くらいとのこと、木道下には、春に美しく咲いた水芭蕉の葉は橙黄に枯れていた。かわいらしい家紋のウメバチソウが沢山咲いており、チングルマの赤紫がかった白い毛はつややかに雨にぬれて美しい。今回は雨も降っていることもあるので、三条の滝はパスした。少し雨も止んだようなので、11:20早いお昼を湯元温泉無料休憩所でとる。近くにボッカさんが荷を休ませていた、70kg前後は背負っているとのこと。

12:45ヨッピ吊り橋を渡り尾瀬ヶ原から竜宮へと向かった。ナナカマドやツタウルシ、テングカエデ等、紅葉の景色を楽しみながらゆっくりと歩く、濃いブルーのトリカブト、サワギキョウのコントラストがあざやかに咲き、風景がだんだん金色に染まる頃には、夏の終わりを告げるだろう。尾瀬ヶ原の池塘に色の濃い緑と赤味を帯びたヒツジクサがつやつやと光り、花芽も着いていた、ヒツジの感じがない草だが未の刻、午後2時には花を閉じるので命名されたとのこと。池塘を過ぎると、みはらしはもうすぐ、14:30桧枝岐小屋に着く。

 

 

桧枝岐小屋
桧枝岐小屋

9月19日

今日は有難いことに天気がよさそうだ。少し遅めに桧枝岐小屋を出る(7:25)。沼尻川の橋を渡る頃にはすっかり晴れ渡り、最高の景色を楽しむことになる。ふり返れば遠くなった燧岳が、右手には屏風のような景鶴山、与作岳が、左手には富士見峠、正面にはなだらかな至仏山という山々が光る池塘をちりばめた一面の草紅葉の原を抱きかかえるように横たわっている。まばらな木立の中に佇む竜宮小屋を過ぎると原のど真ん中を歩くことになり。

 

 

燧ケ岳 至仏山
燧ケ岳 至仏山

次第に趣のある池塘が増えてくる。至仏山の山容が大きくなってくると尾瀬ヶ原の逍遥も終わりに近づき名残惜しい気分だ。

一休み
一休み

山の鼻に至り大休止(9:10-9:45)、小1時間の登りで鳩待峠に着く(10:50)。 定期バスの停留所まで行くシャトルのジャンボタクシーは11:00の発車だが、1人2500円余分に払えば上毛高原まで行くとのオッファーがあり丁度8人乗りなので受けることにする。タクシーの運転手はこれで今日の仕事は終わりということで、観光タクシーよろしく片品村の広くてのどかな高原地区に寄り道をしてくれる。途中の農産物販売所では30分ほど停まり、皆さん地産農作物を買い込む。タクシーは沼田を抜け細かい道を走って上毛高原駅に着く(13:00)。タイミング良く13:22発の新幹線があり、全員乗り込み、今回の山旅を終えた。

以上