7月山行 八幡平・裏岩手連峰縦走

日程 2003年7月26・27日(土・日)
コース 26日
盛岡駅発12:52−八幡平頂上(駐車場)着14:37 15:00発−八幡平頂上経由陵雲荘着15:45 近くを散策  16:45頃より食事
27日
陵雲荘発5:45 −駐車場6:10−畚岳登山口6:25−畚岳分岐6:45(頂上往復)7:20−諸檜岳8:00−石沼8:30 8:40−前諸檜岳9:00−嶮岨森9:40 9:55−大深山荘10:40 11:00−源太ケ岳分岐11:30−源太ケ岳尾根11:45 13:00−源太ケ岳13:20−水場14:30−車道15:30−松川温泉15:40 17:00−盛岡駅18:47
参加者 及川迪靖・及川妙子(及川夫人)・菅原紀彦・山本憲一・永田弘太郎・渡辺正子・辻橋明子・中村久美子・岡田陽子(会員外)  計9名
記録 中村久美子

 7月26日(土)
早朝の新幹線に乗るため、5時にラジオをつけながら身支度をしていると、午前0時頃宮城で地震ありとのニュース。新幹線は大丈夫かしらと早めに家を出、大宮駅より乗車。車内では何の放送もなくこのまま順調かと思われたが、宇都宮を過ぎたあたりで、再度地震発生の車内放送と共に徐行運転となり、挙げ句の果てに仙台止まりとなってしまう。
 後続電車の辻橋さんに連絡を入れるがなかなか繋がらない。何度目かにやっと繋がり、白石蔵王で停車中とのこと。(辻橋さん達は遠山さんから連絡がいくまで地震のことは知らなかったようです。・・・・・携帯電話は便利ですね。)
 仙台で待つこと1時間あまり、後続の菅原さん、山本さん、永田さん、渡辺さん、辻橋さんと合流。仙台駅のホームで運転再開の見通しがつかないまま、さてどうしたものか。このまま運休になったら安達太良登山、くろがね小屋のお風呂に入ろうなどとビールを飲みながら極楽とんぼでおしゃべりを楽しんでいましたが、盛岡の及川さんは忍の一字で大いに気を揉んでいたことでしょう。(夜行バスで早朝盛岡に着いた岡田さんは、市内観光やお買い物もして有効に時間を使ってらしたとか)
 そうこうしているうちにあっけなく運転再開となり、3時間遅れで盛岡駅に全員集合。挨拶もそこそこに無事八幡平頂上行き最終バスに乗り込む。時間も遅くなったことから、今回は茶臼岳はカットすることにする。窓の外は少し雨模様、アスピーテラインを登るにつれて濃いガスの中、黒谷地あたりはニッコウキスゲの黄色が鮮やかだ。
 八幡平頂上(駐車場)へ到着。レストハウスで各自水や泡の補給をし、身支度をして出発。ガマ沼、めがね沼をとおり、八幡平頂上(1613.3m)で記念撮影後今日のわれらの宿となる陵雲荘へ到着。夕食にはまだ時間もあり、荷物をおいて近くを散策することにする。池塘を散りばめた湿原にはハクサンチドリ、ワタスゲ、シャクナゲ、ヨツバシオガマなどの彩りも華やかに私達の目を楽しませてくれる。風に揺れる高山植物はなんとも可憐で風情がある。木道の下の水溜りには最近ではめずらしくなったおたまじゃくしがたくさんいて、今夜の蛋白源になべの中へなどと冗談を言うご仁も。


新築の避難小屋「陵雲荘」


陵雲荘内で夕食。小屋は貸切でした。
 八幡沼のほとりに建つ陵雲荘は、今年7月10日改築されたばかりの木の香も残る快適な避難小屋で、中でも別荘にでもあるような立派なストーブが目を引く。
 小屋は貸切、いよいよ今夜の宴の始まり始まり!まずは菅原さんのザックから福原さん差し入れの一升瓶「大多喜城」がドーンと真ん中に。及川さんの高そうな焼酎、ワイン、山本さん、中村のワイン、レストハウスで買い込んだ泡などのアルコールがずらりと並ぶ。各自持ち寄った食材をならべ、お料理上手の辻橋さんが具だくさんの野菜スープを手際よく作る。そうそう及川さん特製の砂肝はくせになりそうなおいしさで、永田さんと中村がせっせと口にはこんでしまいました。


お気に入りのストーブで何でも燃やす菅原さん


夕食後も及川さんの話は続く・・・・

 及川さんからは、駐車場の水は県に働きかけて飲料水として適するとのお墨付きをいただいたことや、コースガイドにない数々の東北の山のお話などを伺い、ますます東北シリーズは目が離せない。しばらくは及川さんにお世話になりましょう。
 及川さんが四角としたら、及川夫人は丸の形といったらよいのか、絶妙なコンビネーションでよくお二人で山に出かけるのがわかる気がします。渡辺さんはにこやかに、岡田さんははじめてお会いしたのに旧知の仲のように座に溶け込んでお話に花が咲く。最後はストーブの前に火盗改め菅原紀彦が座り込み、火をつけ、何でも燃しちゃうよとほろ酔い気分で・・・夜は更けてゆきます。


朝の小屋脇の沼


小屋そばのお花

7月27日(日)
 4時30分起床、今日は長丁場のため、そうそうに食事をすませ、掃除をし、小屋を後にする。駐車場から、藤七温泉へのアスファルトを歩きながら畚岳登山口へ。ここからいよいよ秋田・岩手の県境を行く裏岩手縦走路だ。多少ガスはかかっているものの、予想では降水確率50%だったので上出来といえよう。畚岳分岐に荷物を置き、畚岳頂上へ(1577.8m)。360度の展望を楽しみたいところだが、生憎のガスではっきりとは見えないが、西には森吉山、北東には茶臼岳南東には岩手山と及川さんが説明してくださる。下るころには綺麗な虹がかかり、気分も軽やかになる。行く手にはこれからの長い縦走路が見え隠れする。オオシラビソやコメツガの林に入り、生い茂った笹の中、ぬかるみの道を進んでいく。登山道の刈り払いは予算がないため2〜3年に1度とのことだが、小柄な私にはなかなかつらい。


5時45分陵雲荘を出発


畚岳山頂

 笹をかき分けるとぱっと視界がひらけ諸檜岳(1516m)に立つ。見渡すかぎり熊笹の草原だ。諸檜岳から前諸檜岳へはゆるやかな尾根道で、ツリガネニンジンやリンドウなど青色の花が風にゆれている。ミズガシワの群落がひときわ目立つ石沼を過ぎ嶮岨森(1448.2m)に着く。このころになると青空も顔を覗かせてくれる。ここからは眺望もよく東側にはキラキラ光る鏡沼をはじめたくさんの小さな沼が見られる。さらに大深山荘へと向かう。
今年5月の連休に山スキーで来た時にはあったはずの小屋が無い。よくみれば解体されて改築中らしい。工事は来年の3月末までなので、山行計画をしている方はご注意を!
大深山荘の脇を通って水場まで行くとそこは高層湿原の宝庫。木道が敷かれ、斜面には沢山のニッコウキスゲが咲き乱れ、岩手山の雄姿もすばらしい。水は冷たくて甘い。木道には先行パーティ20人程が休憩していたが、彼等はこのまま松川温泉へ下るらしい。


三ッ石山、藤七温泉分岐


源太ケ岳分岐から松川温泉への稜線上で食事後、全員集合

 私達はまだまだ先は長い。先を急ごう。このころから渡辺さんの足の調子がよくなく、この先エスケープルートもないことから及川さんの判断で源太ケ岳分岐から松川温泉に下ることにする。そうと決まれば時間の余裕が出来、分岐から15分ほど登った岩稜でお昼の大休止。
北をみれば右から茶臼岳、越えてきた畚岳からの縦走路もみえ、遠く西には森吉山、近くには及川さんお奨めの大白森・小白森(及川さんは白ではなく城とこだわっていました)の稜線が望まれる。南には行くはずだった三ツ石山が見え、来年こそは繋げようと思う。


ミツガシワの群落


お花畑の中、及川さんを先頭に松川温泉へ下る

 空はすっかり晴れ渡りところどころ夏曇が広がり、日頃のストレスもどこへやら。さぁお昼だ。各自ザックからたくさんのたべものや果物を広げ、大宴会。コーヒーを沸かす人、ラーメンを作る人、みんなの笑顔がいいですね。大空に向かって辻橋さんの歌声も響く。そのうち菅原さんがなにやらブツブツ独り言。どうやら昨夜で空になった一升瓶がじゃまらしい。これからは全部飲まないで翌日のために少しだけ残しておきましょう。菅原さん嬉々として背負いますからね。及川さんからは足がつってしまった時や腰痛になってしまった時の応急処置の仕方を教えていただく。


帰りのバス中継所から岩手山を望む

 渡辺さんの足の具合も落ち着き、お腹も一杯。あとは泡と温泉を求めて下るのみ。
源太ケ岳をすぎ、いよいよ長い下りがはじまる。小石がゴロゴロし根もはりだして歩きにくいこと。こちらの東斜面はなぜかコバイケイソウやハクサンイチゲ、ミヤマダイコンソウなどの白花が多く見られ木々の緑とのコントラストが美しい。松川の地熱発電所の鉄塔は見えるがなかなか着かない。膝もくたびれて、靴も泥だらけになったころようやく到着。川岸で汚れたスパッツや靴を洗い、やっと温泉へ。陽の明るいうちにのんびりと露天風呂につかっているのはほんとに気持ちがいい。湯上がりの冷えたビールがおいしいこと。皆サッパリした顔で盛岡行最終バスに乗り込む。盛岡駅で及川夫妻、夜行バスで帰京の岡田さんと別れ、駅弁を買い、車中の人となった。


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