袈裟丸山(1908m)は足尾山塊の南端に位置し、皇海山から見て南方にある山である。その名前からして信仰に係わる山であることは想像できるが、つつじや石楠花がきれいだというので一度行きたいと思っていた。
東武桐生線の赤城駅へ降り立った山遊会の一行12名はジャンボタクシーとタクシーに分乗し出発する。渡良瀬川沿いに122号線を進み三ヶ郷から左折し小中川沿いに山中に入る。深い谷、断崖沿いの悪路からかなり奥深く入り込んだ感じがする。少し前方が開けたあたりで郡界尾根登山口に着く。
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シロヤシオ
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アカヤシオ
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江村さんを先頭に私が2番目に続く。今日のコースは健脚向きと聞いているので遅れてはならじと先に付かせていただく。登り始めから樹林帯の急登で息が弾み汗が噴き出す。傾斜が緩くなって笹原になり白樺が点在する八重樺原に出たあたり眺めのよいところらしいが、後袈裟、前袈裟は雲の中。少し離れたところにシロヤシオが見えた。岩まじりの尾根道を行くとシャクナゲがここにもあそこにもたくさん見える。シャクナゲの淡い桃色のぼかしがなんとも言えないよい色だ。シロヤシオも多くなった。薄いピンクのアカヤシオもある。石祠のあるところからの眺めが景色と調和して良い。急坂を登るまでにもシャクナゲの群生はあったが多すぎて眺めるよりもそれをかき分けて進むほどだった。 木の根まじりの急登しばし袈裟丸山頂上(後袈裟丸山)に出る。途中、栃木県山岳連盟副会長の小島(おじま)さんのお出迎えを受ける。有難うございます。
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ミツバツツジの下を歩く石岡さん
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石楠花の群落
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狭い頂上は溢れんばかりの人、やっと、座るところを見つけて昼食。雲低く依然として展望はなし。記念写真のあと小島さんを先頭に樹林の中を急下降する。急下降はもっとも苦手としているのでゆっくり歩くためうしろから3番目につく。一番後ろでは遅れて離されたときに焦って転ぶ可能性があるので経験から割り出した位置である。八反張のコルと呼ばれる鞍部は両側からの崩壊が進んでいるので通行は危険と聞いていたが、クサリが張ってあったのでそれほどのことはなかった。ただ、通過した後振り返ってみれば高度感があり下りの通過は緊張するかもしれない。枯れ木がめだつやせ尾根を登ると一等三角点のある前袈裟山頂に出る。途中、シャクナゲが良かった。花も良いが景色が良い。構図が良い。花はきれいだけでもだめで取り合わせが必要である。
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山頂にて休息
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山頂にて
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しばらく笹原の尾根を下降してから樹林帯の急坂を下る。笹原に出てダケカンバの林を抜けると小丸山避難小屋に着く。小島さんのお勧めで小丸山山頂を通らずに巻き道を行く。アカヤシオがあった。ここにも、あそこにも、近くにも遠くにも。歩くたびに静かな歓声があがる。深紅のミツバツツジも良い。賽の河原までのお花見である。賽の河原から寝釈迦像のある塔の沢コースを左に見て弓の手コースに入る。樹林を抜けると草原のような開けたところに出る。右側遠くに前袈裟山が見え、前方の奥の稜線は今朝登った郡界尾根のようだ。初めての展望をしばし楽しんで降りの足は速くなった。階段状の坂を下って折り場登山口に着く。
小島さんの車とジャンボタクシーに分乗し、出発地点の赤城駅に到着。駅前で特急電車の発車まで反省会。電車内での一句
花のたび 心洗った 袈裟丸で 武藤 作
小島さん いろいろとお世話になり有難うございました。
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