私の経験した山行の中で最も難しい山を5つ挙げるとすれば、北海道札内川上流のカムイエクウチカウシ山(通称カムエク)、黒部の毛勝山、中央アルプスの安平路山越え、加越の笈ヶ岳、及び猿ヶ馬場山である。
今回の中央分水嶺としてトライした男鹿岳はこれらに決して勝るとも劣らない一級の手強い山であった。最初に踏破した大川峠から栗石山経由男鹿岳は距離も短く微かな踏跡もあり、また、薮もそれ程多くないため秋口に2度挑戦し成功した。
第1回目の2004年10月23日夕方、下見山行で大川峠に仮泊中、中越大地震にみまわれる。幸い道路、山道の崩壊等も無く、無事下見の目的を達した。
2回目は2週間後霜が降りた寒さにも拘わらず、有志10人で再トライし完歩、感慨深い。
この時期朝晩の気温が下がり、ル−トを間違えた登山者2人が不幸にも帰らぬ人となった。
本当に遭難の多い山域である。
(写真は拡大してご覧になれます。)
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本ル−トの山王峠から大倉山、1361m峰経由男鹿岳は、会員皆様のご支援とご協力により難行苦行の末7回目の山行でお蔭様に完全踏破できた。6回目の男鹿岳直下までの山行は柴山会員の報告をご覧ください。
7回目の山行は快晴にめぐまれ前回下山で経験した横川ゲ―トから、緩やかに上りが続くオガクラ林道を利用。分水嶺到達点直下の男鹿川の渡渉地点まで9つの橋を渡る。1週間前に歩いた林道には雪解けが急速に進み、美味そうなフキノトウが顔を出している。
長い林道歩きを終え、男鹿川の支流を渡渉し、最初の難関の根まがり竹、繁茂したツルの北尾根を直登。途中からは雪が多くなりジグザグに登る、相変わらず雪に足を捕られながら分水嶺到達点のサワラらしき巨樹に囲まれたピ−クに到着。あとは勝手知ったデポ地にテントを設営、明日の登頂を待つばかりだ。
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翌朝も天気良く、5:0分に出発。距離約1・2km、標高差500mの急登を軽身でよじ登る。前々日降った雪が締まりアイゼンが心地よく良く効く。約2時間で待ちに待った男鹿岳頂上に到着。まだ積雪は2m近くあり北面には雪庇がはみだして危険である。
ナガーイ、ナガ−イ期間と時間を費やし大勢の方の参加によりこの分水嶺踏破できたこと、ヤット、肩の荷から解放され喜びもひとしおである。
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