2008年8月山行・鞍掛山、三石山

日程 2008年8月9・10日(土・日) 晴れ
コース 8月9日
盛岡〜相の沢キャンプ場〜東側コース登山口〜稜線(分岐)〜鞍掛山〜山頂〜分岐〜高台展望台〜西側コース〜相の沢キャンプ場駐車場〜七時雨山荘
8月10日
七時雨山荘〜松川温泉〜松川大橋(車止)〜三ツ石山荘〜三ツ石山〜三ツ石山荘〜松川大橋〜松川温泉〜盛岡 
参加者 9日 石井、江村、喜多、染谷、辻橋、中澤、永田、福原、大西他、会友として大西夫人、YOHO会松田、小澤 (12名)
10日 江村、喜多、染谷、辻橋、永田、大西 (6名)
記録 9日 辻橋
10日 喜多

 今夏の東北シリーズは前に行って皆が気に入った七時雨山荘をベースに行ける山との希望が多かったので、今回も大西さんに係りをお願いした。
前回参加の何人かは7日から出発、前半を個人山行にして後半9日〜10日の会山行に合流した。
朝11時、先発組が盛岡駅で後発組を出迎え、大西さんの車とレンタカーに分乗して一路小岩井農場近くにある、鞍掛山登山口に向かう。途中コンビニに寄って昼食、飲み物などをゲット。
夏休み最盛期なれど、観光地の車は近年に無く少ない! やはりガソリン代の高騰が響いているのだろうか?
小岩井農場で山へ行かないYOHO会の小澤さんを下ろして、昼近くに相の沢キャンプ場の駐車場に着く。木陰で昼食後12時40分出発。右手樹の間越しに広大な牧野を界間見ながら15分ほど林道を進むと左へ東側コースの登山口あった。熊追いのヤッホーの大声と大西さんの空砲の音をスタートに登山開始。
登山路の両サイド雑木の森のみどりは、若葉のような綺麗な色で木漏れ日に輝いて美しかった。ひと登りで稜線に出る(分岐・13:20〜13:25)丁度目の先に普段の山行ではあまり目にすることの無い植物があり「由紀せんせい!」と
大声で石井さんを呼ぶ!(石井由紀さんは山遊会の会員なのだが普段あまり会山行には出てこられないが、花や植物に造詣が深く本も出版している方です)。ドレドレ!と近寄ってきた由紀ちゃんは即座に「これはジャコウソウと言う、葉っぱを折って匂いを嗅いでごらん!」と教えてくださる。本当だ!名前のような動物性の匂いではないが、シソの香りを甘くしたようなほのかな清しい匂いがする。
稜線を右に進む。道すがら結構花の種類が多く、由紀先生はあっち、こっちと呼び止められて、大忙し!!ホトトギスが数多く咲いていた。ドクツルダケという猛毒のある真っ白いキノコを教わり、あれこれ物騒な会話が続く!
30分ほどで鞍掛山山頂着(14:05~14:30)突然目前にドーンと岩手山の雄姿。
西側に秋田駒、南に和賀岳、焼石岳、東方向に早池峰、姫神山と大パノラマ。暫し地図を出して、皆で山座同定。下山路は分岐より右へ階段を下り、水場になっている小沢を渡りしばらく平坦な道を行くと、高台展望台、西側コースも幅広ののどかに歩けるハイキングロードになっていて、マイズルソウの葉っぱが群落。花の時期には見事だろう!途中休憩も無く1時間ほどで、登山口着(15:30)


倉掛山山頂


七時雨山荘で夕食

 小岩井農場でスケッチをしていた小沢さんを拾って山荘に戻る途中、大西夫人お勧めの店で、地元のそば粉や辛味噌、お麩など女性軍はお土産を購入、その後マーケットに寄り虫除け網のついた帽子,帆布で出来たスパッツ、汗よけT字型タオルなどなかなか都会では、入手出来ない品々やスイカを買って山荘に戻る。
総勢12名で楽しくも賑やかに、短角牛や岩魚、地物の野菜でバーべキュウの夕食後は持ち寄り、差し入れの各種アルコールとスイカで、満腹の二次会を終えて、明日の三つ石登山を楽しみに眠りについた。        辻橋記


8:30、街歩き組の5人に見送られて、大西さんの車で七時雨山荘を出発。空は晴れている。
 9:40、松川大橋に着いた。橋の手前にゲートがあって、10台位の駐車場があり、ここで車を降り身支度して歩き始めた。松川大橋は浅い谷の急斜面に掛けられた新しい橋で、進行方向左側の手すりから下を見ると非常に高い所にかかっているように見えるが、右側はすぐ近くまで山の斜面が迫っている。若い男性が1人橋の渡り口に立って、利用状況を調べていた。行く手にアサギマダラという蝶が1匹、ひらひらと飛んでいる。林道の脇にはクガイソウやヨツバヒヨドリが咲いていた。
 舗装された林道はやがて砂利の道に変わり、次第に細くなった。30分も歩くと赤川の流れにぶつかり、林道が終っていた。ここは松川大橋から1.8km、三ツ石山荘まで2.7kmの地点(標高1120m)で、幅約5mの流れに大きな石が4-5個置いてあり、徒渉せずに対岸に渡ることができた。近くに「大雨などで赤川が渡れない場合は引き返して下さい」という看板が立っていた。
 山腹を巻くようにつけられたしっかりした道を進む。登り下りの急な所には木製の立派な階段がつくられ、両側にはロープが張ってあり、誰からともなく「これはやり過ぎだ」という声があがった。10:30、ベンチで一服。この辺りには実をつけたユキザサが見られた。


七時雨山荘前

三石山山頂

10:55、松川温泉から登ってくる登山道に合流。ここは松川大橋から2.6km、松川温泉からは1.8kmの地点(標高1175m)である。
 11:40、三ツ石山荘(標高1281m)に到着。小屋の前は湿地が広がって木道がつけられており、薄紫のギボウシや濃い紫のサワギキョウの花がたくさん咲いていた。入口には腕章をつけた数人の監視員が立っていて、登山者の1人1人に対してアンケートの記入を求めていた。登山道の整備状況に関する意見を求めるものであった。小屋の中や外には10〜20人の登山者がいた。我々はここで弁当を食べ、12:15、出発。頂上までの間にはリンドウ、ニッコウキスゲ、イワイチョウ、モミジカラマツなどなど、いろいろな種類の花が咲いていた。
 12:50、山頂(1466m)に着く。北方向に広がった平坦な山地はまるで草原のように見える。そこについている一筋の道は、八幡平に通じる裏岩手縦走路で、その先に小モッコ山や大深岳があり、遥かその先に八幡平が見えた。北西方向遥か遠くには裾の長い森吉山、東方向すぐ近くに岩手山、西南方向には秋田駒が望まれた。晴れてはいたが遠くの山はもやっと霞んでいた。
 13:05、下山開始。先頭と後尾が離れたので三ツ石山荘で一服。その間、滝の上温泉の方向に木道を100mほど行ってみると水場があった。そこにはチョロチョロと頼りない水が流れており、重い柄杓が置いてあった。その近くには登山者数計測中という計器が据付けられていた。
 14:20、松川温泉に直接下る登山道と別れ、松川大橋への道に入る。そこにはリンネソウやマイヅルソウが咲いていた。14:45、赤川を渡り、林道終点。15:15、松川大橋に到着。車に乗って松川温泉へ急ぐ。峡雲荘であわただしく汗を流し16:00出発。17:15、盛岡で街歩き組に合流し、寿司屋で食事。19:41発の新幹線で盛岡を発ち東京に向った。


オヤマリンドウ

今回は大西さんの案内により、松川温泉から新しく開かれた登山道を辿って三ツ石山に登ることができた。従来の三ツ石山登山コースは標高約830mの松川温泉からすぐ登り始めるもので、地形図を見ると最初の登りがかなりきつそうである。今回登ったコースは標高約1000mにある松川大橋まで車で行き、駐車場から山腹を巻くようにつけられた道を通って従来の登山道に合流するものである。土の道で歩き易いが、一旦雨ともなればよく滑るだろうし、途中の赤川を徒渉する危険を冒すことになる。
 三ツ石山荘は建て替えてからまだ2、3年の快適な避難小屋であった。筆者は今から50年前の夏、八幡平からの縦走の途中、この小屋に一泊した。ガスに包まれて何も見えず、独りで心細い一夜を過ごしたことを思い出し、感慨を覚えた。   喜多記

(※写真は拡大してご覧になれます。)

Page Top



この改行は必要→