駅に着くなり、新井さんの一、二、三の掛け声で柔軟体操が始まった。西武池袋線東吾野駅前広場で16名が全員揃って、体をほぐし、まつわりつく冷気を徐々に振り払って、9時30分出発、高麗川に掛かかる橋を渡ってから左に曲がって
歩く。まもなく右に折れ、渓流沿いの道にかかり、福徳寺を右手に見て進む。
「発砲注意」の立看板が道路脇に立て掛けていた。駐車場の端にある東屋の近くにハンターらしき男が5〜6人たむろしている、多分猪狩りだろう。歩く事30分、虎秀(林道と山道の分岐点)で休んでから登りに入る。パッと広がる明るい平坦地、ユガテだった。日が当って暖かい耕作地の奥の草地の広場には、しっかりした造りのWCがあり、落ち着ける雰囲気十分。民家が近くに見えて、畑で働く人、ただ一人、何とのどかな朝の山村風景だ。日向ぼっこをして皆でゆっくり休む。(11時)
ゆずの実に目を奪われながら、薄暗い竹林の間を抜ける細い道に入って行く。道に這う木の根っこに注意しながら歩く。杉の木に挟まれて登り下りを繰り返す間に「北向地蔵・377m」に着く。このお地蔵さんは『山頂の道しるべともなり、男女の逢瀬を取り持つ縁起地蔵』とも言われている。そんな事で、この際、切実な思いを込めてお参りをした人があったかも知れません。道中、カメラを野草に向けたり、野イチゴを採って食べたり、各人各様に楽しんだ。ナナカマドの真っ赤な実を左斜面に見ながら啓明荘に到着、ザックを部屋に置いて、一息つく。
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