前日にリーダーの辻橋さんから「三度目の雨天中止は、係としてつらいので、決行します」とメールが届く。小雨降る甲斐大和でタクシーに乗車し、湯ノ沢峠へ向かう。駐車場には数台の車があったので歩いている人がいるようだ。私達も雨具をつけ覚悟を決めて霧雨の中を歩き始める。
数分で湯ノ沢峠、霧の高原も味わい深いものがある。笹の間から負けじと咲いている花々は可憐だ。ゆるやかな登り下りを繰り返し、大蔵高丸で傘をさしながら一休み。
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湯ノ沢峠トイレ脇の案内板前で
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小雨の大藏高丸
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ふたたび草原状の道を行き、ハマイバ丸の手前で樹林にはいり、小高い丘のような山頂を通過する。ここからの下りには往生した。今まではなんとか転倒もせず下ってきたが急に、たいした傾斜でもないのに滑る、滑る、つかまろうにもトゲトゲの枝ばかり、、、私も派手に滑り、哀れな姿になってしまう。天下石を通過して米背負峠で休むことにする。傘をさしながらの食事だが元気がでてきた。
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雨も涼しく、快適なお花畑散歩
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米背負峠
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ここから急な登りで広場のような大谷ケ丸の山頂に着く。滝子山への分岐の標識がでていた。またまた滑りやすい急坂を今回は無事に通過する。行く手にはカラマツの林が続いていて、単調な緩やかな登り下りに辻橋さんが「喜多さん、こういう道、嫌いでしょ」と気遣うと、喜多さんが「大丈夫だよ」と応えていた。山頂らしくないコンドウ丸をすぎ、さらに単調な山道を行く。
曲沢峠の下山路は荒れているようなので、大鹿山手前の分岐から下山する。山中では吹く風が心地よく初秋の山のように感じられたが、田野の集落の屋根が見えると、さすが暑くなってきた。徳川家康が武田勝頼の死を弔うために建立したという古刹、景徳院で帰り仕度をする。
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雨に煙る高原お花畑(湯ノ沢峠近く)
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レンゲショウマ
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30年ぶりでこのコースを歩いた辻橋さんは「憧れの君に久し振りで同窓会で再会して、がっかりした気分よ」と語っていたが、書きとめた花の名前をチェックすると、咲いている花は30年前とほとんど変わっていなかった。笹が繁茂したため草原の雰囲気が損なわれたためかもしれない。
いつものように立川の「黒潮」で反省会を開き、小雨ではあったが充実した一日の山行を振り返って美酒を呑み散会した。
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笹に負けじとばかりヤナギラン
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ハンゴンソウ?
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山で出会った花々
【白】丘虎の尾、猪独活、薄雪草、山母子
【ピンク・赤】下野草、蛍袋、鵯草、柳蘭、伊予風露、蓮華升麻
【オレンジ】車百合、小鬼百合、節黒仙翁、紅輪花
【黄】金水引、巴草、女郎花、弟切草、丸葉岳蕗、秋の麒麟草、反魂草、花碇
【紫】岨菜、野薊、野原薊、九蓋草(九階草)、山虎の尾、瑠璃虎の尾、松虫草、田村草
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