朝のんびりと立川駅に向かい武蔵五日市駅に9時過ぎに降り立った。相変わらず数馬へ向かうバス停には沢山の登山客が並んでいた。三頭山、笹尾根、浅間尾根方面へ向かうのだろう。
9時20分過ぎ、本日の参加者4名が上養沢へ向かうバス停に集合。このバスに乗る客もかなり多く、臨時のバスが出ることになった。座席数12席の小型バスは、養沢鱒釣り場に遊びに行く客で混雑していたが、全員座席を確保、大岳鍾乳洞入口へ。
上空に寒気が居座りぐずついた天気が続いていたが、この日は天気に恵まれ養沢渓谷に沿って走る車中からの新緑が目に沁みる。
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炭焼き窯跡
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809m地点のベンチ
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バス停は養沢神社前にあり、小さいながらトイレもある。本日の高岩山ルートは最近あきる野市が整備したそうで、少し前まではルート表示がなかったが今では立派な標識も立っている。ただ、急登が続くので歩く人は少ない。
養沢神社で身支度を調えて、神社裏の登山口からサルギ尾根に入る。いきなりの急登である。杉林の中に鉄パイプで組まれたガードレール状のものに掴まって身体を持ち上げ、持ち上げ登る。今日はこの時期にしては涼しい風が通っているので助かる。
35分ほどで炭焼き窯跡に出る。杉の切り株ベンチが作られている。ここにエビネが一株ある。以前は多くの株があったが盗掘されたそうだ。ここから平坦な道と急登を繰り返し、20分ほどで809m地点に到着。右側の自然林が開け、日の出山、麻生山、御嶽神社の眺望が素晴しい。上空の寒気の影響で、この時期にしては遠くまでよく見え、スカイツリーもバッチリである。ここで甘いものを一口、鋭気を養う。
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高岩山山頂
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上高岩山展望台からの眺め
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ここからは割と緩やかな登りとなり、樹林の中に見え隠れする日の出山、御嶽神社を眺めながら25分ほどで高岩山山頂に到着。健闘を祝って、皆で握手をする。
高岩山から上高岩山を目指して一気に下る。「どこまで下るの。もったいないネー」との声が上がる。ここが底かと思うと、まだ下があったとイヤになる頃最低鞍部に着いた。ここからが上高岩山展望台への急登である。滑り落ちそうな登りをぐっと足を踏ん張り少しずつ登っていくと上から声が聞こえ、近づくと展望台の底が見えてきた。展望台までは、30分ちょっとかかったが、大展望のご褒美が待っていた。関東平野が一望に見えるはオーバーだが、麻生山の向こうに狭山湖が広がり、西武ドーム、スカイツリーが望める。北方向には日光連山が顔を覗かせている。展望台はこの時期人気のスポットなのか、鍋を囲んでワイン(羨ましい!)を飲る連中がいたり、御嶽ビジターセンター主催のツアーに参加した山ガール30人ほどが集まって昼食を摂っていた。
昨年、柄澤さんの案内でここを訪れた時にはシロヤシオが沢山あったが、今年ははずれ年にあたるのか、僅かしか見えない。残念ながらミツバツツジもほとんど見られなかった。
中高年4人組は早々に昼食を済ませ、目の前に迫る大岳山に向かう。
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展望台にて
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近くに見える大岳山
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40分ほどで大岳神社下の小屋に到着。トイレタイムを取っている内に雨が降ってきた。あんなにいい天気だったのにこれはなんだとがっかりしながら雨具をつける。大岳山山頂に向かう途中では、ヒョウが降ってきた。
20分ほどで大岳山山頂に到着。さすがに奥多摩の人気の山だけあって大勢の登山客で賑わっていた。雨は上がったが、残念ながらお目当ての富士山は見えない。あそこが富士だねと言える程度である。そこそこに山頂を辞し、下山ルートの馬頭刈尾根へ向かう。気持ちの良い下山路である。浅間尾根方面を眺めながらのんびり下り、白倉への分岐を白倉バス停へ下る。白倉集落への林道に出る頃、バスの時間が気になった。ここら辺は1時間に1本あるかないかで、15分後には15時46分発のバスが出ることに気がついた。集落のコンクリート道を小走りに下りなんとか2分前にバス停到着。目の前の酒屋に寄る間もなく、バスに乗り込んだ。
サルギ尾根の急登と大展望、大岳山の岩場、馬頭刈尾根の新緑を楽しんだ5時間25分の山旅は奥多摩の春を満喫する充実した山行であった。身体にずしりと疲れが残る山旅でもあった。
お決まりの反省会は拝島駅前の魚民でワイワイと。
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