奥多摩の沢、初心者向けという事でガイドブックより抜粋。
意気揚々と沢を案内?とんでもない先輩を相手に案内なんておこがましいと前日から緊張。
10時集合。
武蔵五日市からタクシーで南郷。その奥の矢沢林道と熊倉林道の分岐、タクシーをそこまでお願いする。熊倉林道へ入り、約30分で沢へ降り、右俣の橋を渡る。さらに橋を二つ渡ると西沢と東沢の分岐に。
「ここで身支度しましょう」。渡辺さんから「この水量ではここは西沢ではないでしょう」との意見があって8月に来た時は確かこの場所からだったはずだと思ったがその時、沢には入らなかったので思い直しその先の仕事道の様な所から入渓点に下る。
(沢を初体験の二戸さんこの滑る藪漕ぎ驚かれたのでは)
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身支度を済ませ休む間もなく沢に入り遡行開始11:30。実はここまででも疲れてしまった。
間もなくなめ滝、中央を直登。初心者の沢とあったのでこの調子なら大丈夫。次に3mの滝、これも難なくこなせる。昨日の雨で水量が多いのかと案じたがその様な事は無く巻き道を使わず通過。だが余り歩かれてないような沢なので荒れていてとても歩きにくい。なお且つ滑りやすい、注意を払いながら遡行を続ける。
次第に流木あり、倒木あり、枝垂れあり、くもの巣あり、苔むした岩、沢特有の全ての難が揃い、とても初心者向けどころでは無くなった。
涸れ滝の直登は足を一歩出すのも滑べって届かない。巻き道を使う事に。
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これが巻き道?急斜面に枯れ葉が積って足を前に出す度、ズルズルッと。捕まる所は全くない。草はあるが掴まると根っこごとはがれてしまう。バランスを取らないと何処まで滑り下りてしまうかと思われる急な、急な斜面。
ゆっくり時間を掛けて登らなければ、と思うが少し足を休めると又、ズルズルと足を持って行かれる。「いつまで続くのかな」。暫くして見上げるとなだらかに見えてきた。もう少しとか思えたが、そんな甘くは無かった。
夢中で登っていたので時計を見る事もなく、ただただ疲れる。
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昼食後、最後の二股に到達し、やがて水が涸れてなくなった。渡辺さんは二人を連れてスイスイと先に行ってしまわれる。いよいよ直登が厳しくなったので右横の尾根に取り付いた。
心細さを感じながら姿だけは見失は無いようにと思ったが無理。最後には声を掛け合う程遠くなってしまった。大きな声で呼べども返事は無い。「渡辺さ〜ん」何度も叫ぶ。
手の届きそうな場所にやっと大木が。しがみ付き体を大木に委ね休む。再び「渡辺さ〜ん」
声が届き、疲れ果てた私の所まで戻って来て下さったのでホットする
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「もう近いよ、ザック持って行く」嬉しくお願いする。
渡辺さんは私のザックを持って再び登って姿が見えなくなってしまう。
しかし追いかけるのも大変。ようやく登山道に近くなった所で渡辺さんの声が。
「そこは獣道、こっちからから登って」5m程で登山道。
二戸さん、小池さんは直登でやはり大変な思いをされたとお聞きし、途中から獣道をたどって熊倉山?にたどり着いたと伺いました。
登山道近くになって、声を確認することが出来た時には、皆さんが心配されていたのかと感動。
全員、顔を合わせ、無事を確認。下山開始。
浅間峠で15:00.車道に出たのは16:00。既に渡辺さん、二戸さんの姿はバス停に向かって姿は見えず。疲れた私達二人を車が次々追い越して行く。
この沢の反省。
ガイドブック等で調べてからだったが、実際に遡行して余りにも違いすぎた点。実は間違いだった事も。
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