大月駅が近づくと新緑の中に岩殿城跡の看板と大きな岩肌が見える。
真夏のような日差しの中、相模川(通称桂川)を渡ると間もなく登山口(400m)に着き、石段を登り始めて10分足らずでふれあいの館を経由し、脇の階段をジグザグにゆっくりと進む。木の間から残雪の富士山が見え隠れする。時折の風が心地良い。
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稚児落とし1
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稚児落とし2
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兜岩方面との分岐からわずかで、大きな岩の間を通過すると城跡一帯が公園になっており、木陰で寛ぐ人たちが沢山いる。展望台から大月の町と富士山の眺めが素晴らしい。奥の少し登った所に電波塔と烽火台のある本丸跡が岩殿山(634.4m)の頂上だ。分岐まで戻りさらに下った鞍部が筑坂峠(460m)。兜岩への最初の取り付きはロープ、次に鉄の足場と鎖、そして最後は鎖だがここは林内コースを選びロープを頼りに急な木の根道やザレた道で気が抜けない。高い梢でキビタキが鳴いている。登山道と合流する南側の眺めの良いところで吹き上がる風を浴びながら昼食とする。
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難所の鎖場
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富士山遠景
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天神山(590m)を通過し、一旦林に入るがすぐに両側がキレた稜線に出ると稚児落しの始まりだ。この垂直の大岩壁の上から追手を逃れる途中、子を落としたなど悲しいエピソードは諸説あるらしい。後ろを振り返ると新緑に包まれた岩殿山が見える。ここからはザレた急坂を下り、小さな橋を渡ると浅利集落に到着だ。大月駅行きのバスは土、日が運休らしい。浅利川の水音にかき消されそうにカジカの鳴き声が聞こえる。何とも言えない癒しの鳴き声は、一か月前に由良川で初めて聞いた時の感動が蘇る。
新緑の中、緊張する箇所やアップダウンのある岩殿山は終わってみれば結構面白い山だった。大月駅前での反省会は少々早い開始となった。
[ 咲いていた花々 ]
ホタルブクロ、ニガナ、ヒメジョオン、アザミ、カタバミ、ムラサキカタバミ、タツナミソウ、アマドコロ、マルバウツギ、コゴメウツギ、ガマズミ、ヤマボウシ、ジャケツイバラ
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