「山の日」レポート集2010-2014お知らせ

■ 2012.04.09

「山の日」制定に賛成  岩崎元郎(オピニオン)

 

「山の日」制定に賛成

岩崎元郎(登山インストラクター)

 

毎年10月の第1日曜日が、「ぐんま山の日」として制定された。制定記念日の講演にお声がかかって、前橋のイベント会場にお邪魔した。光栄なことである。

独自に山の日を制定している県は、ほかにもある。山ガールが引率する登山ブームも、影響を与えているのだろうか。我が国を代表する山岳団体、日本山岳協会、日本勤労者山岳連盟、日本山岳会なども、国として「山の日」を制定し、海の日と同じように祝日とするよう、運動を展開している。

唐突だが、10月3日は「登山の日」である。山岳ガイドの草分け的存在であるS氏の発案で、グッドアイディアであると思った。心身の健康に山登りがベストとは、揺るぎない僕の持論だが、山登りと無縁な人を山登りに連れ出すのは、結構難しい課題なのである。

例えばAKB48の公演があると聞けば、興味ある人は会場に押しかけるだろう。しかし、山登りのお誘いは、興味ある人でも容易に飛び付いてこない。危険・苦しい・汚い、という3Kが垣根を作っているのだ。

「登山の日」というのは、山登りを始める“きっかけ”になるはずだ。ガイド協会では登山の日をアピールし、千代田区公会堂でのトークショーや、各地で登山教室も展開した。第一回のときは、公会堂を満席にしたほどの熱も、残念ながら次第にさめてきたように思う。

最近では、山を登山だけじゃなく、もっと大きく文化として捉えて、「山の日」を制定すべきだ、という声が大きくなってきた。それは、よく理解できる。9月29日は阿蘇、10月1日は平尾台に遊んできた。どちらも野焼きの文化を持つが、必要性が減少し、できる人が少なくなってきて、野焼きを継承していくことも難しい状況になっていると聞く。

日本の各地域に残っている山の文化を継承していくためにも、国として「山の日」制定は急務であると思う。10月3日は「登山の日」ということも、もっと広めたいと、僕は思っている。

いつだったか、六月の父の日に、父→とうさん→登山、「父の日は、登山の日」とこじつけて、箱根でハイキングイベントを企画した。ご丁寧に、父子で参加してねと呼び掛けまでしたが、当日、その年はすでに梅雨入りで、雨。さんざんな登山の日になった。六月中旬の父の日は、雨が多い。「父の日は、登山の日」は、二度と陽の目を見なかった。

*文藝春秋2011年12月号《悠々山歩き 第63回「山の日」》よりタイトルを変えて転載。