山行委員会

■ 2012.02.25

パタゴニア トレッキング報告

日程:  2012年2月1日~12日(12日間)

参加者: 22名(+ガイド)

南半球南米大陸の南端、もう南極に近いパタゴニアは、まさに日本の真裏にあり地の果てである。成田から北米アトランタ経由でアルゼンチン・ブエノスアイレスに飛び、さらにアルゼンチン航空でカラファテまで。合計飛行時間26時間、成田から40時間をかけて到着である。ほとんど2日がかりの旅程でさすがに遠い。はるばる来たもんだ。
カラファテは、パタゴニアツアーの玄関口ともいえる町でヨーロッパアルプスの山麓を髣髴させる雰囲気がある。この時期は夏の観光シーズンの真っ盛りであり目抜き通りの人通りも多かったが、2か月後にはほとんどの店やホテルは休業に入り、人通りも絶えてしまうそうだ。夏とはいえ気温はせいぜい10℃程度。風が吹けば震え上がるほどである。
まずは、カラファテからチリ国境を越えてパイネ国立公園に向かう。ツアー初日は素晴らしい快晴である。しかし快晴烈風である。途中、アズール湖など美しい湖水の畔で休憩しパイネの塔などの針峰群の雄姿を楽しむ。さっそくスケッチというメンバーもいたがスケッチブックを風に持って行かれないようにするのが精いっぱい。これがパタゴニアの風だ。パイネの宿はホテル・ラストーレス。NHKがグレートサミッツ撮影で登頂を試みたアルミランテ・ニエト峰の麓にある。なかなか洒落たホテルだ。NHKスタッフも宿泊したそうだ。
パイネでのハイキング初日は、トーレス・デル・パイネ(3本の塔)の氷河末端のモレーンまで。南極ブナなどの繁る渓谷をたどり、最後はモレーンの急登にあえぐ。ガスがかかり展望は無理かなと思っていたが、ゴールに到達した瞬間、なんとガスが薄れ、3本の塔が氷河湖の向こうにシルエットとなって見えるではないか。一同、大歓声であった。
ハイキング2日目はパイネ大滝からパイネ・グランテを望むコースだったが、ガスに猛烈な風。風に人がなぎ倒されるほどになってきたので途中で引き返した。まさにパタゴニアの風の洗礼を受けた感じであった。
パイネを楽しんだ後、再び国境を越えていったんカラファテに戻った。カラファテというのは灌木の名前でパタゴニア一帯にはいたるところに自生している。とげのある灌木で黒っぽい小さな実がなる。この実はほんのりした甘みがあり、この実をつまめばまたカラファテに帰ってくることができると言い伝えられている。ツアー中に随分たくさんつまんだので再訪は間違いなしだ。カラファテのジャムは土産物人気ナンバーワンである。
翌日は、有名なペリト・モレノ氷河クルーズだ。とてつもなく長大な氷河が氷河湖に直接落ち込み、崩れ落ちて氷山となって湖をただよう。船上から眺め、高台の展望台から眺める氷河は、今まで見た氷河とは少し趣が異なり、迫力満点であった。これでパイネの旅は終わった。チリは農産物保護の観点で入国には神経質であり、バスもチリのバスに乗り換える。アルゼンチン側は鷹揚で帰りはチリのバスがそのままアルゼンチンまで送ってくれる。長い国境線で隣接する両国だが国情は必ずしも同じではないようである。アルゼンチンは、過去に破たんしたことがあり、またいつ何時ペソが紙くずになるかもしれない、だから使えるうちに車を買っておくんだ、とブエノスアイレスの日系人女性ガイドが言っていた。経済は厳しいが楽天的なんだ。
リオネル・テレイが初登頂した秀峰フィッツ・ロイ山で知られた北部のロス・グラシアレス国立公園に向かう。カラファテからフィッツ・ロイ山麓のエルチャルテンまで280キロある。この間、ほとんど景色が変わらない。枯草と僅かな灌木しかない乾いた荒野が延々と続くだけである。人家は全くない、畑もない。トウモロコシもジャガイモも栽培できない荒涼たる荒地である。昔はパタゴニアでも羊を飼っており、その作業員が拠点としたホテル・「ラ・レオナ」というところでトイレ休憩をとったが、傍らに川が流れ、この川で羊を運ぶための筏を流したとのこと。今は羊の姿はなく、ただその名残の囲いの策が寂しげに残っている。広大な大地で荒くれ男達が羊を追い、夜な夜なワインを浴びていた光景が目に浮かぶようだ。ワインといえばアルゼンチンもチリもワインの宝庫である。特にパタゴニアのワインは特に美味しいと定評がある。日本のマーケットでもチリワインは美味しくリーズナブルとして好評だが、現地でも安い。ビールより安い。グラスでもらってもボトルでもらっても値段は一緒となれば、当然連夜ワインボトルが林立することになる。大体、ワンボトル1400円くらいである。350ビールが600円くらいだからビールは一杯だけ、となる。
フィッツロイのハイキングは、やはり氷河末端の氷河湖トーレ湖へ。この日はガスで途中では峰々はガスの中だったが、湖の畔に到着するころ、さっとガスが流れ薄日までさしてきた。セロ・トーレのトップまでは展望できなかったもののまずまずの満足感であった。
2日目のハイキングはフィッツロイを望むカプリ湖へ。この日は好天に恵まれ、天を突くような鋭鋒フィッツ・ロイが手の届くような迫力で展望を楽しんだ。最後の展望で大満足し、スケッチも心置きなく成就できたのではないか。
旅の終わりにはブエノスアイレスでボリューム満点(我々はハーフの特別メニューだが)のアサードと呼ばれる焼肉料理とタンゴショーを楽しみ、一同再び20時間余りの空路に耐えた。
12日間のうち4日間を往復に要するという旅であったが、内容は盛りだくさんでパタゴニアを満喫できたのではないだろうか。何しろパタゴニアは気候がとてつもなく厳しい。温暖な地域ならのんびり歩きを楽しめるようなところでも一度風が吹けば必死に歩かなければならないと実感した。 

集会委員 高橋 努

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参加者紀行

 2月1日~12日 12日間のJACパタゴニアトレッキングに参加した。参加者は三井リーダーの下、総勢23名と大所帯だった。日程は大きく分けて、チリのパイネ国立公園、アルゼンチンのロス・グラシアレス国立公園、そしてブエノスアイレス観光の三本柱だ。
 2月1日 これから40時間かけて目的地パタゴニアのカラファテまで飛行機で飛ぶことになる。途中、アトランタ、ブエノスアイレスで乗り継ぎ、日本から21000km、地球を半周して丁度日本の裏側に来た感じだ。
3日 アルゼンチンから国境を越えてチリに入る。アズール湖畔で昼食。青いきれいな湖の向こうにトーレス・デル・パイネの岩峰が素晴らしい。パイネ国立公園のホテルに着く。
4日 パイネ国立公園でのトレッキング。チレーノ小屋を経由してトーレス・デル・パイネの麓まで往復する。尾根筋は強風だが、森の中に入ると比較的穏やかだ。ナンキョクブナの森で巨木も多いが、倒木も多い。風が強いのが分かる。時々、雪が舞い強風で寒い。体感温度は零度ぐらい。モレーンを登りつめるときれいな氷河湖の向こうにトーレス・デル・パイネがそびえている。圧倒的な迫力に思わず全員喚声をあげる。徒歩8時間の行動は長い一日だった。
5日 水量豊富なパイネ大滝とパイネ・グランデを望む展望台へのトレッキング。風が強く、思わずしゃがみこむ。みぞれ混じりの雨で吹っ飛ばされる。仰向けに倒れた人、真横に倒れた人、凄い風で大変だった。しかし、怪我がなくて本当によかった。午後、バスでアルゼンチン、カラファテに戻る。
6日 氷河国立公園のペリト・モレノ氷河を観光して、エル・チャルテンに移動。氷河の崩れ落ちる迫力はすごい。雷が落ちるような音がこだまする。7日 セロトーレの眺めが素晴らしいトーレ湖にトレッキング。徒歩6時間。
8日 フィッツロイの景観が美しいカプリ湖までトレッキング。徒歩4時間。風が強くフィツロイの頂上にガスかかりちょっと残念だ。しかし、青い氷河が燦然と輝いている。バスでカラファテに戻る。
9日 カラファテからブエノスアイレスに戻る。夜、アルゼンチンタンゴのショーを楽しむ。さすが本場、生演奏で迫力がある。10日 ブエノスアイレス市内観光。

12日間の内5日間トレッキングができた。しかし、天候は安定せず、毎日強風の中で「世界一風の強い大地」を実感した。最後になりましたが、集会委員会の方々には大変お世話になり感謝いたします。 
(斉藤 友護) 

 

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