お知らせ医療委員会

■ 2015.07.12

名古屋夏山フェスタにて110周年記念シンポジウム「御嶽山噴火!」開催される

名古屋夏山フェスタにて110周年記念シンポジウム「御嶽山噴火!」開催される

医療委員会担当理事・野口いづみ

6月20,21日の両日に、名古屋のウインクあいちにて夏山フェスタ(全国「山の日」協議会・中部経済新聞社主催、日本山岳会東海支部特別協力)が行われた。今年のテーマは、「山の恵みとリスクについて今、考えよう」であった。名古屋夏山フェスタは今年で3回目になる。出展者はメーカー、山小屋を中心に、自治体、交通・旅行社など、89機関であった。今年の参加者は6930名で、昨年の5%増、展示会場は多くの参加者で賑わっていた。

セミナー会場では、2日間にわたり、セミナー、トークショー、フォーラムなど13コマが行われた。日本山岳会110周年記念フォーラム「御嶽噴火!」(医療委員会主催)は、2日目の午後に約2時間かけて開催された。セミナー会場は300人席が満席で、さらに100名の立ち見が出る盛況だった。人気のフォーラムだったとのこと。

フォーラムは、まず、科学委員会の福岡孝昭委員長の基調講演「活火山の安全登山」が行われた。福岡氏は、日本に110の活火山があり、このうち50火山が常時観測対象になっていること、100名山の1/3が火山であることから話された。噴火には水蒸気噴火、マグマ噴火、マグマ水蒸気噴火の3タイプあり、水蒸気噴火はサインが小さく、予知が難しいとのこと。御嶽山、箱根山、草津白根、秋田焼山、焼岳などが水蒸気噴火、浅間山、富士山、桜島がマグマ噴火だそうだ。なお、噴火頻度の高い火山、桜島、伊豆大島、浅間山、阿蘇山(中央火口丘)などは比較的予知をしやすいが、阿蘇カルデラや洞爺カルデラなどの巨大噴火の予知は未知とのこと。安全対策として、登山届の提出、火山ガスの検知と地形の観察(ガスには濡れ手ぬぐいの利用が勧められるとのこと)、地図上でシェルターの位置を確認すること、泥流や雪崩などの二次災害を警戒すること、事前にウェブなどで活動状況をチェックすることなどを提案された。最後に火山について学習できるサイトを紹介した。

犠牲者に黙とうを捧げた後、福岡氏の座長で、シンポジウム「その時、何が起きたのか?」が行われ、自己体験と安全についての取り組みが発表された。まず、上條剛志氏(医師)はDMATの災害医療医として噴火翌日に山頂に行った経験を報告された。36名の方が亡くなられており、6名の生存者がいられたことを話され、日頃から救急医療を学んでほしいと結んだ。津田祐次氏(カメラマン)は登山中に異臭を感じた経験を紹介し、事前察知の可能性について話した。谷口光洋氏(岐阜県山岳警備隊飛騨方面隊長)はヘルメットの着用、登っている山が活火山であるという心構えが必要であること、ポスターなどによる注意の呼びかけを行う必要があることを述べた。市川典司氏(五の池小屋)は火山に対するシュミレーショントレーニングを行い、災害に対する意識を高めておくことが必要であると話した。座長の福岡氏は、今回、山小屋が避難場所としての役割を果たしたことが、被害を少なくする上で有効だった旨、追加した。参加者は熱心に聞き入り、2時間では少ない感じがするほどだった。このように、多くの方が関心を持たれるテーマについて、今後も講演会などを企画したいと考えております。

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