お知らせ医療委員会

■ 2016.08.26

山で虫を防ぐ 医療委員会 浜口欣一

山で虫を防ぐ

医療委員会 浜口欣一

6月13日,夏山シーズンを迎えるに当たって,医療委員会主催で,会員向け講習会「山で虫を防ぐ」を,ルーム104号室で開催した.講師は有害生物研究会,秦 和寿委員で,参加者は21名であった.まず, 冒頭で秦氏は,日本の夏は蒸し暑く熱帯のフィリピンと大差はない.それ故多種の害虫が多発する.縄文・弥生の時代から防虫対策は課題であり,「燻す,忌避する,蚊帳のように物理的に防ぐ」ことが行われてきたと,述べた.次いで,山の虫としてブユ,スズメバチ,アブ,ヌカカ,ヤブカ類,ヤマビル,ツツガムシ,マダニなどを紹介した.マダニが重症熱性血小板減少症候群,日本紅斑熱,ヒトシズシマカがデング熱,ジカ熱を媒介するが,ライム病,ツツガムシ病なども虫が媒介する感染症である.山での防虫具として,原則的に長袖,長ズボン,帽子を装着し,マダニやヤマビルはスパッツの着用が有効である.昔ながらの防虫布である藍染め木綿の手ぬぐいも良い.忌避剤としてディート,イカリジン,植物由来の柑橘類やハッカ(ハッカ飴)などがある.虫刺され薬として抗ヒスタミン+ステロイド含有軟膏,マダニ除去のためにワセリン,エタノール,ベンジンの携行が勧められる.刺された場合の応急処置として,ブユは抗ヒスタミン+ステロイド含有軟膏塗布,スズメバチは水洗後冷やして抗ヒスタミン+ステロイド含有軟膏塗布,マダニは無理に取ると口器が皮膚内に残り結節となるので,ワセリンを腹側に塗って呼吸を出来なくさせて自然落下を待つのが良い.多岐にわたる内容を,持参した虫の標本,防虫具を使用して判りやすく説明した.

追加発言として野口いづみ委員が,防虫用ハッカ油の作り方,虫刺されの実例,虫刺され薬,マダニと重症熱性血小板減少症候群の実情,ハチ刺されに対する処置,アナフィラキシーショックの実態とエピペン,ジカ熱と最近の知見などを紹介した.

質疑応答はデング熱,ジカ熱,ブユ,ヤマビル,マダニ,ハチ刺されなどついて話題が多く,盛り上がった.大変参考になる充実した内容だった.