医療委員会

■ 2017.12.19

「登山者のためのコンディショニング・ストレッチ教室」報告 野口いづみ

 

「登山者のためのコンディショニング・ストレッチ教室」報告

医療委員会委員長 野口いづみ

医療委員会は2017年10月26日に東京体育館で、登山者のために膝痛と腰痛にフォーカスした教室を主催した。

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西方由美子講師(東京女子体育大学卒)は健康運動指導士で、わかりやすく、楽しい教室を開催している。コンディショニングとストレッチは最近、Mobility first、つまり関節や筋肉の柔らかさがもっとも重要で、筋トレはその次のステップと考えられるようになり、重要性が見直されている。本教室の目的はケガや病気をしないで登山ができるようにセルフコンディショニングの方法を学ぶことだったが、体に柔軟性がないと筋トレしても効果が上がらないということが、繰り返し強調された。

実習は首の周囲の筋肉をほぐすことから始まった。

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膝や腰の痛みは骨格のゆがみから起こり、下肢は股関節と膝関節の屈曲、足底のアーチの乱れなど、体幹は猫背、よじれ、骨盤後傾などが原因になるという。コンディショニングはリセットコンディショニングとアクティブコンディショニングに分けられ、リセットは筋肉の弾力を取り戻し、骨格を整えるもの、アクティブは動作を改善し、使えていない筋肉を使えるようにパワーアップするものだそうだ。まず、膝痛対策の下肢のリセットについては筋肉に意識を向けないで、足指をグルグル回してから膝を持ってユラユラと小さくゆさぶって筋肉をほぐしていく方法、アクティブは呼吸とともに筋肉を意識して、仰向けや横向きで脚を上下させ、うつぶせになって下肢を上下させ、足首を回転させる運動を実習した。

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一休みしてから、腰痛対策は胸とお腹周りをふくらませ、へこませるという呼吸の実習から始まった。体幹のリセットは背骨をゆるめるために、仰向けに寝て両腕を上に伸ばしては落とすキュッストン運動をし、

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腰をユラユラと小さく左右に揺らし、膝を抱え込んで左右の膝をスリスリこすり合わせる運動を行った。次に座って長く呼吸を吐いて上部と下部の胸郭のリセットをした。アクティブとして、仰向けで大きく息を吸ってから、長く8秒かけて吐くロングブレス、うつぶせで同様なことを繰り返す運動をした。最後に登山前後のストレッチを立って行った。

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登山前には動的ストレッチとして腕を大きく回旋させる運動、前に突き出す運動、体幹を左右に倒す運動、足を前に出して重心を落とすランジ、膝を前に引き上げて後に戻す運動、膝をサイドに引き上げては前に回して後に戻す運動、正面を向いて足を少し開いて膝をあげる運動やフロントランジなどを行った。静的ストレッチは筋肉を伸ばしてそれをキープさせるもので、登山者がよく行っている運動で、登山後や就寝前に行うとよいとのこと。実習は西方講師のトークにのせられて、和気あいあいとした雰囲気で進んだ。柳澤香アシスタントの、「You are your doctor。朝と夕にまずは足をさわってほしい」という話も印象的だった。

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参加者は男性11名、女性23名だった。事後アンケートを提出した31名については、40歳代~80歳代で、50歳代が最も多かった。会員と準会員が23名、会員外が8名だった。開催を知ったメディアはJACと医療委員会のHPが最も多く、以下、口コミ(含メール)、会報、フェイスブックなどだった。評価は4段階で「とても良かった」が28名、「良かった」が3名だった。感想は「実践主体で分かりやすかった」、「いつもと違う動きが多く、目新しい感じがした」、「終わってから身体が暖かくなった、軽くなった、動くようになった」、「今後も自宅でも続けたい」という感想が多かった。

自分の体をゆるめてコンディショニングするセルフケアの重要性を実感し、学ぶことができ、有意義な実習だった。