お知らせ富山支部

■ 2012.03.17

「第4回日本山岳会富山支部 山岳講演会」を開催

富山支部は2月17日(金)、富山県民会館701号室で第4回山岳講演会を実施した。講師は立山カルデラ砂防博物館学芸課長であり、また富山支部会員の飯田肇会員。当日は大雪で交通機関が混乱する中、山岳愛好者や支部会員約50名が集まり、熱心に耳を傾けた。

谷村副支部長の司会で進められ、山田支部長の挨拶の後、「立山の雪、ヒマラヤの雪―雪の壁から氷河まで―」と題して講演が行われた。

参加者は日頃なじみの立山の雪であるが、ヒマラヤとの比較や長年の調査データなどからこれまで知られていない姿を教えられた。また最近話題となっている氷河調査の話では日本初の氷河認定に期待を膨らますこととなった。

 

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講演では主に以下の内容が話された。

・1980~90年代にネパールヒマラヤ氷河学術調査隊、カンチェンジュンガ登山隊、日本中国合同ナムチャバルワ登山隊に参加し、氷河の調査や気象担当した。それらの経験をたどりながら、ヒマラヤの氷河の特徴や最近の変動を紹介。

・立山には様々なスケールの雪が存在する。1年分の雪は雪の壁となり、数年~数十年分の雪は万年雪、数百年~数千年分の雪は氷河となっている。

立山・剱の雪の降り方は、ヒマラヤを凌駕するものがある。

・室堂平の積雪は最大約7m、雪の大谷は最大23m、平均15m。

立山の年降水量は雪3,000mm、雨3,000mmで合計6,000mmもあり、世界最大級である。

・立山カルデラ砂防博物館として、2009年から御前沢、内蔵助沢、三の窓、

小窓で、立山ガイドの協力のもと調査を開始・継続している。

     *氷河とは、「重力によって長期間にわたり連続して流動する雪氷体(雪と

        氷の大きな塊)と定義され、厚い氷体と流動があることがその条件。

・2011年に三の窓、小窓で、厚さ20~30m以上の氷体を確認するとともに、GPSで17~32cm(1か月)の流動を確認した。

        この結果、氷河である可能性が大と考えられる。観測結果を学術論文として発

        表して氷河認定を目指す。

・氷河とは、①気候変動の監視者 ②地球環境のタイムカプセル ③観光資源である。

以上 (金尾記)