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猪熊隆之著『山の天気にだまされるな!』

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猪熊隆之著『山の天気にだまされるな!』山と渓谷社2016年
 

 「天気予報を鵜呑みにすると痛い目に遭う」と著者は指摘している。一般に天気予報とは麓の天気をいい、山頂の天気を指すものではないとする。また「ほとんどの低体温症による死亡事故は、低気圧が通過しているときや、通過前ではなく、低気圧の通過後に発生している。」として下表の例を挙げて注意喚起した。

 さらに低体温症・増水による遭難・落雷遭難・突風による遭難を防ぐシミュレーションを示している。

 近年増えつつある気象遭難は、局地豪雨などによって急激に沢や川が増水し、渡渉中に流される事故であるが、地球温暖化の進行に伴い、全国で局地的な豪雨や落雷、突風の出現率が増加傾向にあるという。それには事前にその沢の特性を考慮して、当日の気象リスクを事前に予測する必要があると説いている。

 ※著者「猪熊隆之氏」は山の天気予報を配信する(株)ヤマテンの代表取締役で気象予報士。
 

       近年の気象遭難の例
     
1989年 10月8日 立山・真砂岳で低体温症により8人死亡
1993年 5月3日 月山で低体温症により4人死亡
1994年 2月13日 吾妻連峰で低体温症により5人死亡
  2月21~23日 剱岳で低体温症により3人死亡
1995年 1月4日 千畳敷カールで雪崩により6人死亡
1999年 4月18日 浅間山で低体温症により4人死亡
2002年 9月11~12日 黒岳と十勝岳で低体温症により2人死亡
2006年 3月19~20日 八が岳・阿弥陀岳で低体温症により3人死亡
  10月7日 白馬岳で低体温症により4人死亡
2007年 12月31日 槍平で雪崩により4人死亡
2009年 4月26日 鳴沢岳で低体温症により3人死亡
  7月16日 トムラウシ山で低体温症により9人死亡
2012年 5月4日 三国境(白馬岳北方)で低体温症により6人死亡など北アルプスで合計10人死亡
2014年 8月16日 穂高岳・滝谷出合で沢の増水により3人死亡
2016年 4月30日 立山・富士ノ折立で低体温症により2人死亡
2017年 3月27日 那須・茶臼岳のスキー場近くの雪崩により高校生・教師ら8人が死亡
2017年 8月29日 幌尻岳・糠平川の増水で3人死亡
     


 

このブログ記事について

このページは、富山支部が2018年5月24日 13:56に書いたブログ記事です。

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