科学委員会
KAGAKU            

1987年
◆講演会「フィーゲルのすすめと実演」
1987年(昭和62年) 9月8日(火)
山岳会ルーム  
玉木正之
参加者:23名  報告:山509-1987/11(松丸秀夫)

報告

「フィーゲルのすすめ」と製作実演

科学研究委員会

 題記が62年9月8日に本会ルームで行われた

講師 玉木正之
製作実演 松丸秀夫

 フィーゲルは短くて軽いスキーで、いろいろな長さと性能のものがある。

 長さ49センチ、両方で700グラムのもので白馬の大雪渓を快調に滑り下りることができた。

 残雪期の山行に利用すると楽しさが広がる。 但し、急峻な雪渓のスリップにはくれぐれも注意してほしい

 製作実演は長さ60センチ、片方の重量550グラムのものについて行なわれた。

 木材の中芯をグラスファイバーの織物で包んだ形にし、これを液状のエポキシ樹脂で含浸して、硬化剤を用いて硬化するのである。

 簡単な型を用いるので先端の曲がった部分を含めて一度に出来上がる。

 但し、スチールエッヂや滑走面材は付いていない。

 スチールエッヂやポリエチレンの滑走面材を取付けようと思えば、ベニア板の型に小さな釘で仮止めしておいて上記の工程を行なえば可能で、困難はない。

 また、普通のスキーをフイーゲルに改造すればより簡単である。

 スキーを適当な長さに切って、後端を広げ、厚さを薄くするのである。

 後端を拡げるには、エッヂに沿って金鋸で切れ目を入れ、木の楔を入れて拡げる。

 厚さを薄くするにはノミで削る。広げたすき間の底に滑走面材を入れる。

 それから、すき間にグラスファイバーをおし込み、上面にグラスファイバーをエポキシで接着して硬化させればよい。

 フィーゲルの基本設計として要求される機械特性と、その対応は、

@スキーは長いものも、短いものも人が乗ったときのたわみのカープは同一にする。

A曲げ剛性は、おおよそスキーの厚さの三乗に比例する。

B残雪のシーズンは雪の間に石が出ていることがある。尖った石を踏んで行くには、中芯が硬い木材であることが望ましい。

(A) スキーの前半部が雪から受ける曲げモーメントの大きさと後半部のそれとは近似するようにする。

(B) 前記(A)の記載とは別に、フィーゲルのように短い場合は、足を捻る方法で繰作する技術が有効である。
   この場合はサイドカーブは不要 である。

(C) 短くなると慣性能率が小さくなってスキーが振動することがある。
   使い馴れれば解消するが、先端に100グラム程度のおもりを付けると治る。

 当日の参会者は23名であった。

    (松丸秀夫)

山509 (1987/11月号)


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