科学委員会
KAGAKU                        探索山行


2001年
探索山行「奥会津に高層湿原とブナ林を訪ねる」
2001年(平成13) 6月16-17日
地域:
駒止湿原 志津倉山
宿泊:
宮下「ふるさと荘」
講師:山田彬(委員) 「日本各地のブナとブナ林の特徴」
参加者44名 報告:山675(宮津公一) 予稿集:「奥会津に高層湿原とブナ林を訪ねる(A4-10P)

■2001年■探索山行:

「奥会津に高層湿原とブナ林を訪ねる」

 (平成13年6月16日・17日)



 事前踏査時よりご協力いただいた地元会員2名の現地参加を含め、参加者44名、6月16日・17日の日程で、駒止湿原及び志津倉山登山にて実施した。

 16日8時、高速道路に入りやすいJR南浦和駅前をチャーターバスで出発。はじめに訪ねる駒止湿原について、今回の講師、山田彬委員より、車中、高層湿原、低層湿原の生成、特徴など事前知識の講義を受け、駒止湿原を散策。思っていたよりも規模が小さく、水芭蕉も終わって、少々淋しいものであった。

 道路の渋滞で、スケジュールが遅れたため、段取りを少し変えて、大沼郡三島村役場会議室を会場にして、地元志津倉山岳会、志田会長による志津倉山登山道開拓などのご苦労話を拝聴。続いて、山田講師による予稿集とスライドを使っての、日本各地のブナとブナ林の特徴、化石に見る古代ブナとの比較、自然林の生成、遷移等の講義があった。講演後、宮下「ふるさと荘」に移動、食事と懇談会を行った。

 翌朝、三島町の中型バスと乗用車に分乗し、志津倉山登山口まで送っていただき登山開始。要所要所にて、実物を前に、ブナ及び混生成高木、下層植生などについてのタイムリーな説明があり、やせた岩稜で堂々と根をはる五葉松の大木の極相等、興味を持って観察した。志津倉山は登山道もよく整備されており、登り下り約六キロの程良い山行であった。しかしなんと云っても、圧巻は白神山地へと通じる雪国型ブナ林と混生高木の豊かさである。もう宣伝しないでくれ、あまり人が入らないでくれと手前勝手な独占欲が刺激されるような山様で、今更ながら、自然の広さ、深さ、瑞々しさ、300年を越えて生成される自然の仕組みに心を打たれた。

自然と森の偉大さに、敬意と尊崇を感じた2日間の山行であった。

(宮津公一)
山675-2001/8月号




予稿集:「奥会津に高層湿原とブナ林を訪ねる(A4-10P)(pdf)


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