日本山岳会埼玉支部設立趣意書

 

太古より我々日本人は、山々を仰ぎ見ながらまたそこにある自然に育まれてきた。明治27年に初版が発行された志賀重*

著「日本風景論」の中で、氏は 国土を 自然科学的観点から、気候、海流、火山、岩石、生物、登山などについて詳述され

た。その著書により多くの日本国民が国土の自然に目覚めさせられ、山に親し むようになり、「愛山の念を養成された」

と当会設立発起人の一人である小島烏水大先輩が、上掲の書についての解説の中で評しておられる。

 



 さらに、小島烏水氏ご自身と後に会員となられた田部重治氏らの著書を通して学んだ山岳賛美に触発された人達が山と

その自然に親しむようになったことは、 明らかである。埼玉県の県境稜線の山々に多くの足跡を残された田部重治氏は著

書「山と渓谷」で、豊かな森林に覆われた奥秩父の山々を賛美しておられる。そ うした森や高原そして頂に身を置く悦び

に浸ることは山好きな我々にとってこの上ない一時である。

 



 埼玉県在住会員は、こうした恵まれた環境に居ながら、同好の士として又同県人として集う機会がなかったが、この度

日本山岳会の基本方針に則り、支部を設 立する機運に至ったことは、慶びに堪えないところであり、この機会に我々は埼

玉県在住会員の繋がりと仲間意識を増長すべき、と考えるものである。

 



 我々はここに、登山や森歩きを通して、埼玉県内外にある数多くの山々とその自然生態を皆で学び・楽しむために支部

会員として集うことを提案する。その中 で、支部の委員会等を通じて会員皆がそれぞれの役目を果たしつつ、活発にして

より高いものをめざす支部にして行くことを希求するものである。支部会員各々 は自身が持つ知識並びに体験を他会員も

しくは次代の会員へ引き渡していく認識を持たなければならない。

 



 日本山岳会と埼玉支部の今後を考えるに、埼玉支部会員は自らの山行に浸るのみならず、支部組織を確固たるものにし

て、次代への会員を募るべく鋭意努力し て行かなければならない。特に若年層の入会を募って行くことは今や不可避であ

る。加えて、登山形態や目的の変化並びに多様化を鑑み、また今や人間により傷 みつつある自然生態の保全を認識するこ

とが肝要である。これらの趣旨を念頭に、我々埼玉県在住会員こぞって相互の理解と協力を以って活動すべく、埼玉支部

の設立をここに宣言する。


平成22年3月1日


社団法人日本山岳会


埼玉支部設立発起人


 

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