フォーラム「登山を楽しくする科学(Z)」が3月14日(土)の午後に品川区大崎の立正大学キャンパスで科学委員会の主催で聞かれた。
タイムリーでもあり、3講演の中でも「活火山の安全対策」が大好評を受けた。統一テーマでの開催は7回目。会場の大教室には約130人が集まり、最後まで熱心に耳を傾けていた。
トップは「白山を歩いて」。講師は長岡正利委員、富山県の出身で白山研究は大学、社会人を通じていわばライフワークだ。約400枚のスライドと該博な知識を駆使し白山火山の地質と形成史、花々、山岳信仰、ライチョウ発見、山麓の暮らしから名物までたっぶりと語った。
次は安田昌弘講師による「天気予報と異常気象」。気象庁に勤務し南極越冬隊に参加、退職後も気象立正大学キャンパスで行なわれたフォーラム協会で防災の専門家として活躍している。経験から天気予報の精度は90点以上と自己採点、異常気象は30年に一度以下の頻度で起きる気象現象で、温暖化もあり、統計結果では激しい気象現象は増える傾向にあると解説した。
最後は福岡孝昭委員長の「活火山の安全登山」。記憶に新しい昨年9月の御嶽山水蒸気噴火から説き起こし、火山知識のイロハから噴火の種類と危険度を示した。活火山の安全登山では、情報の入手方法やマスク、ゴーグルなど必携の装備品をあげた。登山のリスクは自己責任と強調した上で、ヘルメットは常備品と結んだ。このテーマは関心が高かったこともあり、アンケートでは82%の人が「大変興味深かった」と回答した。
(米倉久邦)