講演会
「衛星移動通信サービスを利用した
登山位置把握画像伝送システムについて」
2003年10月16日(木)ルームにて
講師 : 松本 彰氏(NTTドコモ) |
創立100周年記念事業「中央分水嶺踏査」の一環として、10月16日、NTTドコモの松本彰を講師にお招きして、講演会を集会室で開催しました。
おもな内容は、まず衛星移動通信とは、どんな仕組みで、どんなものか、ドコモが行っているサービスの現状、サービスのイメージ、システムの構成、期待される可搬型衛星通信端末「ワイドスター・デュオ」の紹介と、特に山間部における利用方法が説明された。
また、最近サービスを始めた、携帯電話によるGPSシステムについても、山での緊急通報、位置確認の他、山小屋や山の情報等が検索、閲覧できるなどの紹介がされた。
GPSでは現在地点が確認できるが、通常の山行では「それがどうしたの」という程度のことで、非常時に他の地点の人と交信ができなければ実用性がない。上記の「ワイドスター・デュオ」は、すでに70の山小屋が加入契約をして、いわゆる衛星電話を設置しているそうであるが、そのような、立派で大規模の小屋より、私たちが逆に必要とする地区、例えばあまり高名でない山域、無人小屋、一般ルートでない場、等々にはもちろん設置されているはずもない。可搬型とはいえ1.7`の重さと付属品のかさばることを考える時、まだ実用性にはほど遠く、しからば携帯電話といえば、日頃私たちが体験しているごとく、本来のサービス区域からは外れている山間部では交信困難な点が多い。
当然のことながら「商売として成り立つことが前提」の企業が全国的規模でサービスを提供することには無理があるのだろう。
「山屋さんよ、そんな金にならないこと、やれるかよ」といった感じになる。しかし、当該企業の専門家による、整理されてカラフルなレジュメを用意されての講演は分かりやすく、よい勉強になった。技術革新の進む分野なので継続的に勉強していきたいものだ
(宮津 公一)