話題のパソコンを利用した「数値地図」について、基礎的な知識と、どんなことが利用可能なのかをテーマに、講演会が2月24日、本会ルームで開催された。
数地地図は国土地理院が既存の地区情報を数値化してコンピューターで利用できるようにしたもの。従来の紙地図との大きな違いは、目的に応じた自分なりのオリジナル地図が作成可能であることや、整理や保管が楽になることがあげられる。
はじめに講師の小堀昇氏(日本地図センター地図研究所)が、データの作成方法や種類、メッシュ番号(地域を示すコード番号)の説明など基本的な内容を説明された。
続いて田代博氏(筑波大付属高校)が数値地図を利用してできるさまざまな使い方の実例を紹介した。パソコン通信上で流通している無料や小額で使えるソフトで鳥瞰図やルート図を作成したり、特定の山がどこから肉眼で見られるかを見出したり、工夫次第で面白い使い方があること。
また、小型のナビゲーションでモニターを見ながら登山をすることが可能になってきていること。いまや地図は紙の上で見る時代ではないと納得させられた。からにはバーチャル登山もよりリアルになり、あたかも現地にいるかのような視界を得ることも可能になりつつある。
技術の進展とともに、山登りそのものも大きく変革しているさなか、数値地図も今後思いも寄らない使い方が生まれる可能性を感じた。参加者25名。
(近藤善則)
山647-1999/4