11月11日、12日両日長野県奥蓼科にある渋温泉御殿湯で行われた。
当日は三々五々集合時間の午後5時までに集り、最終バスの到着を待って、早速大月短期大学田中収教授の講義が始められた。教授は構造地質学がご専門であり、温泉は熱・水・断層(水の通り道)がなければ涌かない。それを見つけ出し、いくつもの公共機関の温泉掘削を成功させ、現在まで確率百パーセントだそうである。
講義は温泉の経済的価値に始まり、世界の温泉分布。各国で利用法、日本の温泉分布。山梨県がフォッサマグナ地域の要にあり、古い地質構造と新しい構造が斜交して、世界の中でも最も複雑な様相をしめしていることから温泉の泉温、泉質に変化があり、温泉の涌出する地質構造などについて、オーバーヘッドプロジェクターを使って分かり易く解説された。また教授自身が掘削された山梨県白州町の温泉の話も交えて、ユーモアあふれる1時間半の熱演であった。質問にも一つ一つ丁寧に答えられ有意義な秋の一夜となった。
12日は、風もなくよく晴れた空のもと黒百合平へ向うか尾根を乗越し、唐沢鉱泉へと足をのばした。やや褐色になったとはいえ落葉松の紅葉を楽しんだ。昼食には唐沢鉱泉の御主人がし留めたいのしし鍋を、唐沢のせせらぎを聞きながら屋外で味わい、視・聴・味の三つの感覚を十分満足させ、午後一時過ぎ唐沢鉱泉で解散した。
(出席者・順不同) 関口令安、高遠宏、松丸秀夫、高橋詞、奥野道治、中川武、斉藤桂、石田要久、中村太郎
(中村純二)
山535-1990/1