4月18、19日、甲斐駒ヶ岳北東の日向山および深田久弥氏ゆかりの茅ヶ岳登山後、深田祭に参列した。
当初は、定員25名を予定していたか、日帰りの4名を含めて47名の参加となり、急速、宿を二ケ所に分けることとなった。前日は大雨、当日も天気予報では、午後から夕方にかけて雷および雨とのことだったが見事に外れ、新緑の芽吹きのなか、美しい山行となった。
10時5分、JR中央線長坂駅集合。東京方面からの車は、途中事故渋滞で心配されたが、かろうじて到着。
車に分乗して日向山登山道入り口へ。
宿別に2班に分かれ、緩やかな山道を、途中有井講師による地形の説明を受け、1時間半ほどで標高1660メートルの頂上へ。
頂上は雁ガ原とも呼ばれ、花崗岩の白い砂(深層風化とのこと)で覆われ、独特の景観を作っている。雲間に甲斐駒ヶ岳が見られ、中央線を挟んで八ヶ岳が遠望された。下山は急な砂の斜面を降り、錦滝を経由して尾白川林道を歩き、元の登山ロヘ戻った。
フォッサマグナは、幅約100キロメートル、長さ300キロメートルにおよぶ本州中央部を南北に横切る地域で、ラテン語で大きい裂け目という意味。西側の境は、北の新潟県糸魚川市→長野県白馬村→長野県松本市→長野県塩尻市→諏訪湖→山梨県小淵沢町→静岡県静岡市に至る線となっている。この線は糸魚川・静岡構造線と呼ばれ、フォッサマグナの西縁を画する断層として知られている。
各宿に荷物を置いた後、長坂駅前の会場にて夕食および懇親会。参加者は、関東を中心に、熊本・新潟・富山・大阪からも。有井講師による補講もあり、楽しいひとときを過ごした。
翌日は朝食後、東京大学宇宙線研究所の奥の登山口に集合。深田記念公園経由からの茅ヶ岳登山と金ヶ岳
経由とに分かれ登山。金ヶ岳経由は、有井講師の説明を受けながら後方に南アルプスを望み、金ヶ岳山頂(1764メートル)まで約二時間。石門をくぐり鞍部を過ぎて茅ヶ岳(1704メートル)へ。
山頂は足の踏み場もないほどの人数。昼食をとって、下山後深田記念公園にて深田祭に参加。 1971年
登山途中に亡くなられた深田久弥氏をしのび、白鳳会・日本山岳会による献花献酒の後、青い山脈の斉唱。
順次解散となった。
日ごろ登っている山が何千万年単位で造山され今も動いていることを知り、悠久の時を感じた二日間だった。
(丸山修一)
山637(1998年6月号)