科学委員会主催の探索山行が6月23,24日に、昨年、日本ジオパークに認定されたばかりの会津の磐梯山で行われた。山岳会員と一般参加も含めて49人が参加、梅雨の最盛期だったが、2日間とも晴天に恵まれ、火山地形の勉強と磐梯山登山を楽しんだ。
23日早朝に池袋駅をバスで出発、昼前に磐梯山噴火記念館に到着。佐藤公記念館副館長が、1888年に起きた水蒸気爆発を引き金とした山体崩壊ともいわれる岩屑雪崩について、詳しく説明してくれた。現在の裏磐梯の湖沼群など美しい景観もその時に造られた。
その後、副館長の案内で歩いて銅沼(あかぬま)まで上がり、山がえぐられた地形を目の当たりにし、すさまじい崩壊の跡に全員が見入っていた。
宿は裏磐梯にある国民休暇村。ジオパーク認定ガイドの江花俊和科学委員(会津在住)が磐梯山をめぐる話題、失われた三角点を担ぎ上げた苦心のエピソードなどを話した。
24日も快晴。八方台登山口から磐梯山頂を目指した。ブナの樹林帯を快適に上り、昼過ぎ山頂へ。猪苗代湖を見下ろし、絶景を堪能、表磐梯の翁島登山口へと降りた。かなりの急傾斜の下りで時間がかかったが、全員無事に下山し、満足の2日間だった。
(米倉久邦)
山807-2012/8月号