《 東根山 》
初日は盛岡市から南西に位置する台形の形をした里山「東根山」。
「東根山」についてはJAC創立100周年記念事業の「新日本山岳誌」に及川さんが執筆しておりますのでぜひお読み下さい。
盛岡駅で及川夫妻と再会、挨拶もそこそこに車に同乗、登山口の「ラ・フランス湯楽々駐車場」へ。ラ・フランスとはずいぶんとしゃれた名前であるが、この辺りで洋梨が生産されていることから名づけられたらしい。身支度を整え、駐車場の裏手の広い登山道を行く。この辺りは杉の植林で風とおしも悪く、また気温も湿度も高く額からは流れるような汗。しばらくすると行程の中間点一の平へ着く。この辺りから広葉樹林帯になり、やがて丁字路の二の平でゆっくりと昼食をとる。二の平あたりから見事なブナ林にかわり、つづら折りの坂を登ると突然切り開いた台地へ出る。広々とした草原に吹く風が汗ばんだ頬に心地よい。ここは360度のパノラマ。山並みを示す方位板もあり、遠くにどっしりとした岩手山、姫神山、八幡平、早池峰山、薬師岳が望まれる。近くには東根山から北に向かって南昌山、箱ケ森山と志波三山が続く。毎年2回プモリ山想会も協力して志波三山縦走が行われるそうです。行程約10時間だそうですが、チャレンジしたい方は及川さんまでご連絡を。
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二の平
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広い台地
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この広々とした心地よい草原に座ると足元にはススキ、カワラナデシコ、オミナエシと秋の花が咲き乱れ、私達を出迎えてくれる。
及川さんのザックからはキンキンに冷えたビールが登場。アルコールが苦手な辻橋さんには特別なビールが。このビール辻橋さんはいたくお気に入りのようでした。
一等三角点のある山頂はここから15分程登ったところで、眺望はないがブナ林に囲まれたとても静かな味のある山頂だ。帰りは同じルートを引き返し今夜の宿である「つどいの森こもれびの宿」へ。宿は及川さんのご自宅に近く、緑に囲まれたとてもよいところだ。及川夫妻はいったんご自宅にお帰りになり、6時に合流。宿でお食事となり、お料理とお酒を肴に及川さんの熱いお話を伺っていると、まだまだ東北の山は行きたいところがたくさんあり楽しみです。
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東根山山頂
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峰越口登山口
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《 真昼岳 》
二日目は、岩手、秋田県境にあり和賀岳と共に知られる名山真昼岳へ。
及川夫妻が宿に迎えにきて下さり、いざ出発。今回は岩手側が通行不可のため、仙岩トンネルを通って秋田県側峰越登山口へ。途中車窓からはさすが米処黄金色の稲穂が波をうって美しい。秋田県千畑町から真昼岳林道に入り峰越登山口に着く。入り口には「緑の回廊」の大きな看板がある。説明によると国有林野において森林生態系の保護・保全を図るため設定されたもので、奥羽山脈緑の回廊は、北は八甲田周辺から南は蔵王周辺までの約400kmにわたり設定されているそうだ。
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北真昼岳
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音動岳
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ここからいよいよ真昼岳へ。このコースは森林限界をこえてさえぎるもののない尾根道を登る。いきなりの急登で少々辛いが、フウロ、フジバカマ、ウメバチソウ、ヨツバシオガマなど可憐な花達に元気をもらう。道はとても整備されていて気持ちよい。いくつか峰をアップダウンし、最後の急坂を登りきると一面笹原になり、頂上へはもうひとふんばりだ。
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真昼岳を登る
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真昼岳山頂
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山頂はさえぎるもののない展望であるが、生憎天候がいまひとつ。それでも7月に登った女神岳、登りたかった和賀岳、岩手山、早池峰山などかすかに望むことが出来る。そして眼下には広々とした横手盆地が。
さっそく山頂で楽しい昼食。またまた及川さんのザックから手作りのご馳走がたっぷりと出てきて感激です。幾重にも連なる山並みを見ながらの仲間との食事は格別おいしいものですね。
食事も終わり下山の支度をしていると突然の雨。雨脚は強くなるばかりであわててもしかたがない。近くの建物で雨宿りする。この建物は大国主命を祀るという三輪神社だが、神社兼避難小屋といった感じてとても立派なものだ。中には神棚、賽銭箱、燭台、御神酒が供えてある。おまけに御札までご自由にお持ちくださいと書いてあり、ご利益もありそうでありがたく頂くことにする。
やがて30分もすると雨もあがり往路を戻る。下りながら振り返ると霧も上がって緑がいっそう濃くなり、真昼岳のどっしりとしたたおやかな山稜がとても美しい。機会があればぜひ岩手側からも登ってみたいものです。
2日間の楽しい山行、及川ご夫妻には大変お世話になりました。
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