2009年9月個人山行 白山

日程

2009年9月20日(日)〜22日(火)

参加者 染谷美佐子、永田弘太郎、松島岳生
記録 松島岳生

9月20日(日)晴れ
前夜池袋を発った夜行バスは、明け染めた加賀平野へ入り早朝の金沢駅前に着いた。駅前のターミナルで今度は白山の石川県側の登山口、別当出合行きのバスをまつ。駅前のコンビニで買い物をしている間に、バス待ちの登山客が列を作りはじめた。結局、このバスは臨時に1台増便することになった。9月の大型連休中でしかも天気も上々とあってさすが白山は人気がある。このふるさとの山に何度登ったのだろう。
 バスの中でうとうとしながら2時間強で別当出合に着き、おおぜいの登山者に交じって身支度を整え、いよいよ出発。天気がいいので、砂防新道に比べて少々長いが眺望のいい観光新道を登路にとる。真上から真夏のような日差しが照りつける。急な登りをひと頑張りして、白山禅定道との合流点で涼しい風のある尾根筋に出る。足元には、トリカブト、リンドウ、マツムシソウなど紫紺系の秋の花々が咲いていて、思わずカメラを向ける。そして対面に一ノ瀬からの釈迦新道の尾根にどっしりとした白山釈迦岳がのぞまれる。稜線上には大きな露岩が何箇所かあり、かつて友人がボルダリングをしていて、肩を脱臼して往生したのを思い出した。殿ケ池避難小屋まで来れば、砂防新道の甚之助ヒュッテもチブリ尾根のチブリ避難小屋も同じ高度で赤い屋根を見せている。伝説の馬のたて髪、蛇塚を過ぎて、砂防新道との合流点、沢山の登山者が行きかう黒ボコ岩に着く。いよいよ溶岩台地の末端を白山本峰をのぞみながら登山者のいきかう道を室堂へとたどる。室堂着13:8。所要時間約4時間半。それからよく整備された石畳の道を御前峰(2702m)へと往復する。大勢の登山客が集まった山頂からの眺望は快晴とは言い難いが、素晴らしいものだった。富士山は無理だったが北アルプス、乗鞍、御岳、恵那山までが確認出来る。
 登山者でにぎわう室堂を後にトンビ岩を経て今夜の泊まり場、南竜ケ馬場の南竜山荘へ下る。南竜山荘は室堂に比べれば、まだしもすいていたのだろう、8人部屋を3人で使うことができた。


室堂から御前峰を望



御前峰山頂
9月21日(月)
 朝食をすまして、6時50分に小屋を出る。今日も晴天が約束されている。夏はお花畑の南竜ケ馬場の湿原を右にみて、油坂をゆっくり登り、天池からは大きな白山を背中に感じながらの稜線漫歩。御舎利山で市ノ瀬へ下るチブリ尾根を分け、いよいよ別山へ。山頂には別山神社の小社がまつられていて、風を避けて小憩。三ノ峰を経て、三ノ峰避難小屋に11:20着。ここはまだ石川県内で、小屋の前で岐阜県側へ下る長い長い石徹白道と我々がとる福井県側へと下るルートを分けるのだが、同行のSさんのこだわりは実はこの近辺にあった。従来、福井県の最高地点は石徹白道の二ノ峰(1962m)とされてきたが、三ノ峰避難小屋の裏手の打波ノ頭(2095m)という説も有力で、それを確認するために、藪をこいで避難小屋の裏手のピークにあがってみた。そこには、確かに「福井県の最高地点」の標識があった。同行のSさんの長年の懸案だった問題がこの時解決したのだ。



山道にはリンドウが彩る



別山山頂
 それからの下降路はまことに急峻だった。下りでさえアゴが出るような険阻な登山道を登路にとる越前衆の忍耐強さに感嘆したくなった。ようやく宿との約束の時間に間に合って小池の駐車場に下山したのが、14:50。今夜の泊まり場の鳩ケ湯温泉からの迎いの車に乗って、「秘湯を守る会の宿」の提灯が軒先に下がった静かな一軒宿に落ち着き、天気に恵まれた充実した今回の山旅が終わった。(松島記)



福井県最高峰の打波ノ頭



静かな天池で一休み


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