2003年講演会「手作りカメラと展望写真」 |
日程 | 2003年2月15日(土) 14:00〜16:00 |
会場 | 日本山岳会ルーム |
講師 | 平野武利氏(日本山岳会会員) |
参加者 | 中村久美子、内藤弘子、山崎浩子、佐藤正樹、柴山武、高橋武夫、菅原紀彦、柴本弘、小山茂男、山本憲一、遠山元信 計 11名 |
記録 | 遠山元信 |
講師である平野武利さんは、元日本山岳会会長である木暮理太郎が戦前三十年掛けた『東京から見える山々』の山岳展望の研究を、専用カメラを作成し再研究した戦後の第一人者である。 木暮理太郎は、浅草や赤羽台、明治神宮外苑付近から山を望み研究したが、平野氏は昭和54年池袋サンシャインビル地上240mの屋上に立つ機会に恵まれ、その展望の圧巻にパノラマ写真を撮る専用カメラの必要性を感じ、翌年桜材と飛行機ベニヤを利用した本格的な手作りカメラとして6x9センチ300ミリF9の超軽量大型カメラを作成した。これが本格的なカメラ作成のスタートとなり、その後準広角と広角の軽量カメラ2台も作成、これら機材と赤外線フィルムを駆使して山襞まで鮮明に撮影した迫力ある独特な展望写真の成果が『山頂にて』(山と渓谷社発行)の著書となっている。 |
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講演は小学生の時に神田神保町にあった「トウゴーカメラ」で写真の原理を学んだことから始まり、カメラに利用した材料や作成方法、現像焼き付け、撮影方法等の各種問題を創意工夫で解決、前職を生かした精密機械工学と応用化学の集大成に20年以上経ても追々する人が現れていない現実が偉大なところであろう。 最後に紹介された中西悟堂の「槍ヶ嶽のいただきに來て見放さくるは、陸測二十萬圖九枚の山山」の句は、平野武利さんの世界そのものでもあった。 | |
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