9月18日
茅野から小屋差し回しの車に乗った。別荘地を過ぎ、舗装が切れて砂利道に入り、桜平のゲートを開けて進む。天狗岳の頭にはガスがかかっているが日差しは強い。夏沢鉱泉を僅かに過ぎて車が止まった。もうここからは歩きである。自然林と思われる道を50分でオーレン小屋についた。
ここで少し早いが昼食。少し曇ってきたが悪化の兆しではない。モミだかシラビソだかの林の中をゆるゆる登る。やがて箕冠岳についた。展望は何もないゆるやかな頂上だ。ここで松田さんがストックを忘れた・・・と少し過ぎてから言い出した。「ま、帰りに拾って行けばいいや」とは彼の弁であったが、帰りにはもうなくなっていた。
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オーレン小屋前
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木越しに東天狗・西天狗を仰ぐ
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ここを過ぎると間もなく展望が開けた。ハイマツ帯である。修理中だか改築中だかの根石山荘の脇を抜けて根石岳にかかる。僅かな登りで頂上だった。ここからは天狗岳の眺めが素晴しい。実にきれいなハイマツ帯が斜面を覆っている。
やっとこさ東天狗岳の頂上に着いた。ガスってきた。何も見えぬ。西天狗へ行くとか行かぬとかで多少もめたが、結局は行かぬことになって、キネパチの後来た道を戻ることにした。根石岳まで戻ると再び天狗岳の姿が見えるようになっていた。じきに根石山荘、そして間もなく樹林帯に入り、すぐに箕冠岳だが松田さんのストックは見あたらぬ。
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東天狗岳
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東天狗岳山頂
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ゆるゆる下ってオーレン小屋に戻り着いた。晩飯は5時半からだというのでゆっくり風呂に入り、本日の反省会と明日のお天気祭となった。晩飯は馬肉のすき焼きで量もたっぷりであった。
夜7時前、我々の話がうるさいぞと言う小屋番の一声で話声を小さくした。確かにうるさかったかも知れぬが、まだ7時前である。どうなのかなと思ってしまう。
9月19日
朝飯は5時半と言っていたが、5時15分には食べ始めていた。6時5分出発。温度計が見あたらぬので聞くと、百葉箱に案内してくれた。7度である。かなり涼しい。ちょっと寒いくらいだ。
夏沢峠に向かった。昨日と同じようなタンネの林で、やはりゆるゆるの登りである。峠から硫黄岳の登りにかかる。間もなく林を抜けて展望が開けた。硫黄岳の頂上はかなりの高みに見える。風が強くて寒いが、永田さんはTシャツ1枚である。
やがて見覚えのある頂上に着いた。風は相変わらずだ。さすがの永田さんもシャツを羽織った。
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硫黄岳山頂から天狗岳方面
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硫黄岳山頂
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赤岩ノ頭へ向かう。赤岳鉱泉の分岐に「赤岩ノ頭」という標識があったが、本当の赤岩ノ頭というのはすぐ先の2656mのピークである。ここから先はほとんど人がいなくなって静かな山道となった。
やがて樹林帯に入り。オーレン小屋の分岐となった。ここから峰の松目は往復なので、私は荷を下ろしたが他の人は背負ったままである。やがてとんでもない急登になった。松田さんによれば、昨日今日で一番の登りだそうだ。じきにこの登りも終わって、緩やかになれば峰の松目頂上だった。樹林は多少まばらであるが眺めは得られない。三角点があるくらいだから明治のころは伐採されていたに違いない。
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硫黄岳から赤岳方面
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峰の松目山頂
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戻って分岐で私は荷物を拾い、オーレン小屋へ下る道に入った。昭文社の地図では真っ直ぐ下るようになっているが、実際はどんどん右へトラバースして赤岩ノ頭から下ってくる道の途中に出くわした。オーレン小屋はもう近い。 小屋で大休止。外のベンチでカレーライスをほお張る。ゲートのある桜平にタクシーの予約時間を1時間早めて貰って出発する。夏沢鉱泉からは道が少しよくなって、桜平に着いたのは12:40だった。タクシーは15分程でやって来た。
それにしても好天に恵まれていい山歩きであった。私だけは呼吸が乱れ足腰が痛くなってかなり辛かったが、リーダーが気を使ってゆっくり歩いてくれたので助かった。ありがとうございました。
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