忘年山行は高尾山のゴミ拾い山行であった。
10時、京王線高尾山口駅集合。各自持参のトングがいろいろだが、先端に特徴があるようだ。平べったいもの、尖ったもの、ギザギザの歯がついたものなどで、大西さんのにはストッパーがついている。訊いてみるとみんな百円ショップで買ったもののようである。
初めに世話役の小山さんから、登りは稲荷山コース、下りは3号路にすること、拾いながら登るのでバラバラになるけれども、先頭は高橋さんで小山さんが最後尾を歩くことなどの説明があった。話の中に「ポイントがある」という言葉があり、大事なことらしいが一体何のことだろうかと思う。続いて高橋さんが「ロープを用意してきました」という。「エッ、ゴミ拾いにロープが必要なの?」と不思議になる。「この中にロープを使ったことがない人はいますか?」とギロッと目をむいて見わたしている。おそるおそる手をあげたがそれが筆者だけのようなのでさらに不安になった。最後に3人目の世話役の菅原さんから、中腹のあずまやの所で休憩し、1時から2時まで山頂でゆっくりお弁当を食べ、4時に下山して忘年会場に行く、というスケジュールの説明があった。
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高尾山ケーブル前で
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動きに無駄のない喜多さん
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自己紹介の後、10:20出発。ひとつふたつと拾いながら登って行く。急な斜面の杉林の所でストップがかかる。「ここはゴミが多い所です」と高橋さん。ゴミなんか落ちていないじゃないかと思って顔を見ると、「下の方にたくさん落ちています」という。急でまっすぐには下れないのでジグザグに下ってゆくと、あるある。ペットボトル、空き缶、菓子の袋、弁当の容器などが半分土をかぶって落ちている。目が慣れてくるとよく見つかる。ある程度拾ってから登って行くと上からロープが垂れてきた。これでポイントとかロープという意味が判った。筆者は山菜採りが好きであるが、崩れ易い急斜面で採るスリルもその楽しみの一部である。ゴミ拾いもそれと共通する所があり、なかなか楽しい。
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高尾山山頂でゆっくり昼食
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ゴミがずしりと重い
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中腹のあずまやがある所で休憩し、各自が拾ったゴミをある程度まとめた。全員がバラバラになったので他の人のことが判らないけれど、腹がペコペコになって1時過ぎに山頂に辿り着いた。高尾山でこんなにいい運動をしたのは筆者には初めての経験であった。
山頂のベンチに集まって一同弁当を広げた。焼酎やら梅酒やら漬物やらいろいろ並んだ。話題は何といっても今日拾ったゴミ。変ったものでは渡辺さんがポリバケツ、高橋さんが数珠のようなもの(腕環)などがあった。世話役のお三方は高尾山のゴミ拾いを長年にわたって続けてこられ、ギプスの腕を拾った時のことや、糞だらけのパンツを拾った体験などが紹介された。
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小山さんお疲れ様
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ゴミの博物館のあり様
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2時半、下山開始。3号路を下った。沢には登山者によるものとは違うゴミも落ちていた。
4時20分、ゴミ集積所に到着。われわれが拾ったゴミをまとめると大きなゴミ袋4つになった。ゴミ拾いをしてきた別のグループもやって来た。その10数人の中には外国人もまざっていた。みんな揃って記念写真を撮った。ここで先に帰る古閑さんと別れ、われわれを待っていた染谷さんと松島さんが合流。4時半、忘年会場の「琵琶家」に入った。
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同好の外人さんグループと記念撮影
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やっぱり主役は菅原さん
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乾杯の後、今日は高橋さんの誕生日で、古希になることが判り、再度の乾杯。おかみからお祝いのワインが出た。柄澤さんから日大山岳部時代に歌ったという歌が披露され、その歌にあわせて踊る菅原さんの珍芸が一同の喝采を浴びた。鍼灸修行中という渡辺さんからは足三里のツボの効用を教えてもらったり、多士済済の山遊会ならではの忘年会になった。
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