当日、山行メンバーが予定の特急わかしお1号の車中で集結。絶好の天候に当り、帰路に就く時間を遅らせ、その分ゆっくり山行を楽しんでみては・・・との提案有り。異論なし。安房鴨川駅で内房線に乗換え、和田浦で下車。ここで前日当地泊りの柳下さんが合流。都合8名が烏場山登山口に向かう。
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鬱蒼と生い茂った照葉樹林の中を行く
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マテバシイの林
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道中、快晴無風。菜の花が咲き、南房総の香りが漂う。花嫁街道と花婿コースの分岐点(登山口)で山支度を調え、花嫁街道側から入山。木立の中の山道を20分程一気に登ると後は坦々とした尾根筋を進む。林間の散歩の趣である。視界が開けた場所に到り、広く深い谷越しに目的の烏場山が望めた。山道はここから谷を大きく迂回してあの山へ向かうのだが、烏場山と書いた道標の矢板が谷を隔てた山を指している。誰かが、「驚いたね!この谷を渡って行けというのか!」とおどけ皆が笑う。
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暖かい山道をのんびり歩く
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烏場山頂
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第2展望台を過ぎると左側にマテバシイの見事な自然林が広がる。更に30分で北面の曽呂谷、五十蔵村落から山越しの和田浦への嫁ぐ花嫁一行が馬に乗って上がって来たという山道が出合う。駒返と呼ばれるこの地点で花嫁達は乗って来た馬を自分の里に返し、歩いて山を下ったのであろうなどと想像してみる。間もなくカヤ場見晴台に到着。正午となり陽光を満身に浴び、前方に連なる房総の山並みを見渡し乍ら昼食を摂る。
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烏場山を望む
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水量の少ない黒滝をバックに
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ここから山頂は目前。急階段を一気につめて頂上に到る。北西に御殿山、伊予が岳、経塚山を望み、反対側は和田浦の町が見え、その先に太平洋が広がる。記念写真を撮り、帰路は花婿コースを辿る。どんどん下り金比羅山と大層な名がついた小さなコブを通過すると間もなく黒滝が見える。黒々と光る崖に囲まれた風格のある滝(落差15m)だが、生憎連日の晴天続きで水量に乏しかった。滝壺まで降り、渓流沿いに花園広場へ。寒桜が咲きそろい、梅の白い花も混じって春爛漫の趣である。
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寒桜
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花園海岸の砂浜を歩く
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ここで予定した山行は一段落。和田浦駅まで時間が有り余っているので計画通り浜千鳥の歌碑のある花園海岸へ向かう。大塚山の裾を回り込み、海岸の手前まで降りて、女性は生花農園へ、男性はくじら肉専門店に立ち寄り、花束やくじらのタレ(和田浦の名産)などのみやげ物を買い海岸の浜へ。渚の砂を踏みつつ和田浦に帰着。乗車後、つなぎの安房鴨川駅で待機していた電車で辻橋さん、降車駅の安房小湊駅で土田さんが合流。総勢10名となった。夕焼けの海を横目に新鮮な魚で満艦の舟盛り2杯を存分に賞味したあと、安房小湊発19:47特急わかしお30号で帰途についた。
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