台風一過の快晴を期待して、高尾駅発の河口湖行きの直通電車に、山本さん、江村さん、辻橋の3人が合流して乗り込む。
乗客は思っていたより少なくて、楽々とボックス席に座れる。
河口湖駅から天下茶屋行きのバスに乗り、三ツ峠裏コースになる清八林道にある登山口バス停まで行く。15分程歩くと立派なトイレ棟のある広場に着く。ここから登山道になるが、山頂近くの小屋へ荷を運んだり、電波塔の資材を運ぶために作られたのか、道幅が広く、古くなって舗装はガタガタにくずれてはいるが、コンクリートの道が30分程続く。
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最後まで名前のわからなかった白い花
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7合目から上は見えない富士山
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山道になっても道幅は広く、傾斜もゆるく歩きやすい。
水分補給を早めに!と小休止をとり少し先へ進むと小広い平坦地にベンチまである場所があり、皆のあ〜ぁ!!の声。この後も私の係りとしての勘が冴えなくて、小休止をとる度に数分先には休憩にピッタリの場所が出てきて、やっぱり下見は必要か?と思うのだった。
暑さを覚悟してきたのだが、樹林帯のところどころが、谷からの風の通り道になっていて、涼やかな風が吹いて気分良く歩くことができる。
三ツ峠は花の多い山と聞いていて、楽しみにしていたが、端境期なのか咲いている花の姿が少なくてちょっと残念。それでも花好きの江村ちゃんは葉っぱだけのものや、小さな蕾のものまで目敏く見つけてチェックしてくれる。ぽつぽつとしか咲いていなかったが種類は数多くあるようだ。眼にした花は白い花が多かった。
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ウツギの花の下をくぐって
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クライミングゲレンデを通過
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わずかに傾斜の増した道をひと登りすると三ツ峠山荘に着く。テーブルと椅子のあるテラスからは晴れていれば雄大な富士山が見えるはずだが、台風一過とはいえ梅雨時の今は7合目くらいから上は厚い雲に覆われていた。
時計が正午をまわっていたので、このテラスで山頂直下の岩場でロッククライミングをする人々を見ながら昼食にする。
山荘からわずかに登ると平坦な広場に出て、目の先に電波塔が見えてくる。四季楽園山荘を通り過ぎ、砂止めの階段状の板が並べられたザラザラの急斜面を登ると三ツ峠三山の最高峰、開運山(1986m)山頂に到着。ピンク色のシモツケが沢山咲いていて、登山者の労をねぎらってくれる。
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富士は見えねど不二石はしっかりと
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後には富士山が見えるのだが
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四季楽園までもどり、ダルマ石、三ツ峠駅への下山ルートが標示されている急な階段を下る。
ひとしきり下ると、トラバース状の道の右手は屏風岩と呼ぶのだろうか、ロッククライミング場として、有名な岩壁では講習会でもあるのか大勢の若者達がレクチャーを受けながら岩に取り付いていた。
左手が急な谷になっている山腹を巻くようにしばらく進み小休止をとる。通り過ぎる登山者に「もう少し先に行くとベンチのある八十八大師に着くのに!」と声をかけられる。
八十八大師のお大師さんに手を合わせて通り過ぎ、この後岩ごろの続く歩きづらい箇所を通り抜け、再び足にやさしいフカフカの山道を進むと、ぽっかりと薄墨のシルエットの様な富士山の山頂部が前方に見えてくる。午前中に見た七合目までの富士山と今見える上部だけの富士山を頭の中で合体させれば今日は富士山全体の雄姿を見たことになるね!と3人で慰めあう。
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真っ赤なタマゴダケ
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シャクジョウソウ
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単調なジグザグの道を達磨石までひたすら下り、舗装道路に出る。ここでタクシーを呼ぶか?話し合う。「リーダーが決めて!」の声に車の到着まで30分待つなら、30分位でつきそうな三ツ峠グリーンセンターまで、私の嫌いなアスファルト道ではあるが、歩くことにする。「あ〜ぁ! やっぱりタクシーを呼べば良かった」。センターでの入浴を楽しみに性格の悪くなりそうな気分をだましだまし歩く。
入浴後のビールを飲むお二人の顔が最高でした。お疲れさま!
◎出会った植物 (江村美津子調べ)
アカツメクサ、アヤメ、イワキンバイ、ウツボグサ、ウマノアシガタ、オオバギボウシ(蕾)、オカトラノオ、オダマキ、ガクウツギ、キヌタソウ、ギンラン、キンレイカ、ギンリョウソウ、クガイソウ、クサタチバナ、コアジサイ、サンショウバラ、シモツケソウ、シャクジョウソウ、シロツメクサ、タマゴタケ、ツルシロカネソウ、テガタチドリ、ニガナ、ネバリノギラン、ハハコグサ、ヒメウツギ、ヘビイチゴ(実)、マツヨイグサ、ミネウスユキソウ、ミヤマカラマツ、ヤグルマソウ、ヤマオダマキ、ヤマブキショウマ、ヤマホタルブクロ、ヨツバヒヨドリ、レンゲショウマ(蕾)、(テンニンソウ)、イボタヒョウタンボク(実)、キバナウツギ、コゴメウツギ、シモツケ、バイカウツギ、ハコネウツギ、ミヤマホツツジ(蕾)、モミジイチゴ(実) 全46種
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