GPSグラフ 上り
|
GPSグラフ 下り
|
9月13日(金)
ちょうど夏の太平洋高気圧が南下し、北の大陸高気圧に入れ替わろうという時期で、暑さも一段落し、
涼しくなってきてはいたが、多少不安定な天気が続いていた。
しかし、翌日14日の天候は予報によると晴れ。大いに期待しながら山行担当の渡辺は八王子駅前の地下から8名乗りのレンタカーを借り出し、相模湖駅に向け甲州街道の20号線を走った。
車は少なく、大垂水峠より先はトラックが列をなしていてペースが落ちたものの、予定の15時ちょうどに相模湖駅に到着。待っていた6名を乗せコンビニに寄り、目的地に向かう。
ところが、レンタカーのナビがどうも怪しい。何となく違う方に走っているようなので、停車してスマホの助けを借りながら修正。
到着直前にはヒュッテから予約の確認の電話が入る。本当に来るかどうかが心配だったのだろう。16時過ぎに神ノ川ヒュッテに到着。
|
神ノ川ヒュッテ到着
|
ヒュッテの外観
|
神ノ川ヒュッテに着いてみると、すでに夕食の準備が整っており、早く食べるように催促される。
まだ時間も早く、部屋で少しくつろいで一杯やってから夕食に向かうのが山遊会好み。
手伝いに来ていた女性達が片付けをさっと終わらせて早く帰りたいためその様な段取りになったらしい。
1泊2食付きで6千円という今どき破格の値段の山小屋なので文句も言えず従った。食事の後には薪でくべた風呂に入ったが、中を虫が飛び交うワイルドな感じがなかなかのものだった。
手伝いの女性達は皆帰り、管理人は一人で来ていた相客と飲み始めたので、われわれも気兼ねなく食事部屋の奥のテーブルで宴会を始めた。担当(渡辺)が用意したのは「ピムス」というイギリスの酒。
キュウリとレモンを入れ炭酸で割って飲む酒だ。炭酸が三ツ矢サイダーだったのでちょっと甘すぎたが、まあまあイケた(と担当は勝手に思っている)。夜トイレに行ったときには雨がぱらついていた。
|
早い夕食に苦笑い
|
「ピムス」を飲む準備
|
9月14日(土)
朝は5時前に起床、天候も朝食もまあまあ(管理人は飯が余ったからお握りで持っていかないかと勧めたが丁重に断る)。朝のトイレは駐車場の先にある県営の立派な公衆トイレを使わしてもらう。
予定よりも早く6時半出発。途中ガレ場が崩れていて道が下見の時と異なっていたが、さほど問題なく無事通過。ここが一番の難所。
その先から犬越路までが急登。台風の風で飛ばされたとみられるトタン板や鉄棒が避難小屋から200m、400m離れた登山道の脇に落ちていた。下見の時には尾根上にあったものだ。急登をあえいで上り、ようやく犬越路のきれいな避難小屋に到着。 昨晩眠れず体調不良という武藤さんはここで待つという。
|
立派な公衆トイレ
|
出発!!
|
いよいよ山道へ
|
沢の脇を行く
|
沢を渡り
|
また渡り
|
難所通過・ガレ場で小休止
|
犬越路に向け出発!
|
ガレ場の上の急登を登る
|
チョッとだけ緩やかに
|
崩落した山肌も
|
トタン板も飛ばされて
|
犬越路直前の上り
|
犬越路避難小屋からの眺望
|
尾根に出たので景色が開けたものの霧がかかっていて、直ぐ横に位置する富士山は見えず、愛鷹山がかすかに認められた程度。倒木が道をふさぐ。
植生を守るために設けられた保護柵の中は笹も背が高く、いろいろな花も咲いていた。その中にテンニンソウがあった。
神ノ川ヒュッテWebには 「8月下旬から9月中旬にかけて大室山に咲くテンニンソウは、山全体を黄色い色に染めるほどに群生し、深い霧と、ブナの原生林の中でかすかに震えながら咲く姿は、まさにテンニンソウの名にふさわしく、お伽話の中にいるよう」 と記されている。
いつ書かれたのかわからないが、この時から環境は大きく変わってしまったのだろう。結果的に柵の外でテンニンソウを見ることはなかった。柵の外にあるのは毒が鹿に敬遠されたらしいトリカブトのみ。
|
尾根道からの残念な眺望
|
秋の気配
|
尾根道を行く
|
やせ尾根の急降下
|
尾根道をふさぐ倒木
|
植生保護効果
|
保護策の中のテンニンソウ群落
|
テンニンソウ
|
まだまだ尾根道
|
キノコのなる木
|
トリカブトの花その1
|
トリカブトの花その2
|
ノコンギク?の群落
|
アズマヤマアザミその1
|
アズマヤマアザミその2
|
ヤマホトトギス
|
バライチゴの白い花
|
バライチゴの果実
|
ムラサキアブラシメジモドキ
|
もうすぐ頂上かな?
|
本当にもう頂上です!
|
女性陣に花マルをもらった階段
|
長い上りが続いた後、ようやく西の肩に到着。西の肩から大室山までは山梨県と神奈川県の県境。
なだらかな道で直ぐに大室山山頂1587mに到着した。樹木が多く展望はないが開けた山頂には、「山梨百名山」などが記載された看板もある。他に余り人もおらずゆっくりと昼食を楽しんだ。
|
登頂!!!
|
昼食前に記念撮影
|
下見の時には山頂から鐘撞山に向かう稜線をしばらく歩き、日陰新道と呼ばれる森林の中の道を神ノ川ヒュッテに直接下るルートを取ったが、虫が多くてしかも景色も見えない泥道だったので今回は敬遠し、来た道をそのまま戻った。
ところが、西の肩からの下りが長く、1時間10分のコースタイムを2時間近くかかってしまった。
犬越路避難小屋で無聊を託っていた武藤さんと合流し、ヒュッテ目指して下リ出したが雨もパラパラ降り出しペースは上がらなかった。傘を片手に持った染谷さんも、普段は見たことのない尻餅を複数回、披露していた。
|
雨催いの中、下山開始
|
霧も出てきた
|
チョッと幽玄
|
モミジバハグマ
|
傘を片手の染谷さん
|
ガレ場を通過する
|
キノコの樹木 ザイモクタケ?
|
気になる年輪
|
もうすぐ沢筋、慎重に
|
シロソウメンタケ?
|
疲労困憊しながらもヒュッテには何とか16時前に到着。
管理人は出かけて留守だったが、標高差1,000m以上の長くて大変な登山を無事終了した。
ヒュッテからはすぐさまレンタカーに飛び乗り、帰路途中にある源泉掛け流し温泉の「いやしの湯」に。
ここはキャンプ場が隣接しており連休のこともあって家族連れで賑わっていた。当然温泉の中も満員。
とにかく汗を流して5時ぴったりに出発。余り信用できないナビを操作して相模湖駅や国道20号方向ではなく、国道413号を相模原方面に向かった。
こちらのルートの方が空いているだろうとの判断でもあった。しかしながら、結果は散々で相模原市内で渋滞し約束の返却時間が刻々と近づいて、イライラさせられた。
最後にガソリンスタンドを探すのにも一苦労。スマホの威力で何とか見つけて、八王子駅南口の駐車場に辿り着いた時間がちょうど18時半。まさに離れ業だった。
レンタカー屋と同じビル内のそば屋で打ち上げ&反省会。担当(渡辺)は山行とドライブの時間調整に大いに疲れて、しかし山行&ドライブ無事完了の美酒に大いに酔っ払った。
最後に、私が大室山山行を希望して担当した理由を述べておきたい。
私の住む所沢からは富士山が裾野まできれいに見える。丹沢山系と奥多摩山系に邪魔されず、前面はその間の高尾山〜陣馬山の低山しかないからだ。
そして丹沢山系の右端、富士山の直ぐ左横にきれいな山容の山が眺められる。これが大室山だというのは、カシミール3Dでシミュレーションして判明した。それ以来一度登ってみたいとずっと思っていたのだ。
写真は、今年の2月に近所のホームセンター屋上(4F)から撮ったもので、カシミールの画像と比較してもらいたい。実は今回改めて見直して、犬越路まで見えることに驚いた。
今回、つらい思いで登った尾根が鮮明に見えている。もし晴れていたならば、あの尾根から所沢方面の景色も見えていたはずである。
皆さんも、所沢、川越、富士見辺りに来られたときは富士山の左側を眺めてみて欲しい。
冬ならば大室山や犬越路からの尾根が見えて、また新たな感動を呼ぶでしょう。
|
富士山・大室山(所沢から2019年2月撮影)
|
カシミールで同場所からシミュレーション
|