天上山は、9世紀の噴火で形成された溶岩ドームで、838年(承和5年)に大規模な噴火をしたことが記録されている。山頂部は比較的に平坦で、ここに「表砂漠」「裏砂漠」と呼ばれる砂地がある。 又、日本国内で2番目の「星空保護区」に認定されている。ラン科など多様な植生が見られ、本州では2,000メートル級の高山に生育しているような高山植物も見られる。(ウィキペディア抜粋) 定例集会の折、「神津島のサクユリを見たい」と口にしたことで「では、当番を」と7月の山行と係が簡単に決まった。 9日(金)竹芝桟橋を予定通り出港、大島、利島、新島、式根島と寄港し神津島の多幸港に着いた時の客は半分以下であった。生暖かい風と強い日差しが私たちを出迎えた。 村営バスで赤崎遊歩道への車窓からノカンゾウがたくさん見られた。 岩場に張り付くように造られた赤崎遊歩道の下に、シュノーケリングや飛び込み、泳ぐ若者たちがたくさん見えた。
神津港から緩やかな坂を汗まみれになりながら漁師の宿「丈栄丸」へ向かった。 この時、前方の山に霧がかかっていて少しの不安を感じた。夜になっても星は全く見えず風は一層強くなり、一晩中音をたてて吹き荒れていた。 20日(土) 庭からいつもは見えるという天上山が全く見えず、宿のご主人が「風があの霧を吹き飛ばしてくれると良いが」と心配そうに言い、登山口まで車で送ってくれ、「霧で道に迷わないように」と気遣ってくれた。
登山口からいきなり急登、海を背にジグザクにゆっくり進む。眺めの良い所にベンチが置かれ海と村を一望できた。 進むにつれて霧の中へ入って行く。キキョウが一輪、サクユリも藪から抜きん出て凛と立っていた。
その後もあちらこちらにサクユリの白が目立つ。10合目に着く頃には風が強く霧で辺りは真っ白、危険を感じるほどの強風に千代池(せんだいいけ)は途中で断念。 10合目の分岐に引き返し、ジャングルのような所を抜けると低木に赤い花が三輪だけ咲き残っていた。オオシマツツジだと思った。その先5mくらいの所にも同じような花が見られた。岩に付けられた黄色の矢印を慎重に進む。表砂漠への分岐にいくつかのベンチが置かれた平らなところに出た。足元の白っぽい粉のような砂が砂漠を感じる(筆者は砂漠を知らない)。 相変わらず辺りは何も見えず、どんな景色が広がっているのか想像でしかない。天上山最高地点への分岐にザックを置き霧の山頂へ往復10分足らず。360度何も見えない山頂近くに新鮮なサクユリを見ることができた。
まもなく白島登山道に出て、整備された階段を白島6合目へ一気に下った。 全員汗と霧で全身ずぶ濡れ状態。黒島10合目から休憩もそこそこに携帯食でしのぎ、白島6合目にたどり着いた。 湿気はすごいが樹木に囲まれ風を避けられるベンチでタクシーを待った。 多幸港の近くの水量豊富な多幸名湧水に立ち寄ったりもした。
今回の山行は、悪天候のため、パンフレットなどで見た独特の景観は全て霧の中という最悪の状況だったたことは残念であった。 又、少し時期が遅いかと心配したサクユリを間近に見られたことは良かった。サクユリはヤマユリほどの大きさで、あの強風に耐えられるだけの太い茎、密集した葉を備え芳香を放っていた。 【見た花】 赤崎遊歩道 : スカシユリ、ハマナタマメ 天 上 山 : キキョウ、ヒメヤブラン、ネジバナ、リョウブ、ノアザミ、サクユリ、シラヤマギク、 アキカラマツ、シマシャジン、オオシマツツジ、サルトリイバラ 多幸港近く : スカシユリ、ハマゴウ
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