いわおぬぷり

イワオヌプリ(1116m)は、北海道の南西、ニセコ山系に位置する火山で出来た山で、他の山に比べ地肌のむき出し部分が多く、山頂部には馬蹄形の噴火口が二つある。山頂標識は左右噴火口の縁(1110m)にある。地形図上の山頂は標識から東170mにあり、登山道はない。
火口稜線分岐(1020m)からは、西噴火口縁に左右ルートがあり、一周をお勧めします。
登山道には、6月から多くの高山植物の花々が楽しめる。頂上からは、ニセコの全山、羊蹄山、昆布岳などが見渡せる。

   
co920ケルンから山頂   アカモノ   花畑登山口からイワオヌプリ
イワオヌプリの登山道は、大沼分岐から上は樹木が少ないので、木陰がなく真夏は暑くなります。
標高1000mからは急斜面で岩が多くになり、足元と落石に注意して下さい。
山頂は吹きさらしなので、防寒対策を万全に。
アクセス JRニセコ駅から「ニセコバス」五色温泉郷バス停終点が登山口。(季節運行)

マイカーは道道58号沿い五色温泉に同上。登山口とバス停前に無料駐車場・トイレがある。

バス停の北東360mにも駐車場があり、登山届ポストで合流するお花畑登山口がある。
コース 755駐車場登山口 → 815登山届ポスト → 893湯本分岐 → 910砂地休憩所 → 920ケルン → 930大沼・イワオヌプリ分岐 → 1040火口稜線分岐 → 1110イワオヌプリ山頂標識
親子
コースタイム
登りは1時間20分、登山口〜40分〜大沼・イワオヌプリ分岐〜40分〜山頂
下りは50分、山頂〜20分〜分岐〜30分〜登山口
合計2時間10分

黄色い硫黄のかたまりを探そう

ニセコ山系は200 万年前の火山活動でできました。その中でもイワオヌプリは6000年前の噴火でできた、ニセコでは一番新しい火山の山です。山頂は平らで馬蹄型の噴火口があります。火山岩で覆われたクレーターのまわりには、硫黄を含んだ火山灰と火山礫(れき)の登山道になっていて、生々しい火山活動の跡を見ることができます。黄色い硫黄のかたまりもあります。

硫黄はマッチの原料だった

イワオヌプリの北に硫黄鉱山跡があります。明治時代、ここでマッチの原料である硫黄を採るためにさかんに採掘が行われていましたが、当時の日本では、マッチは重要な輸出品でした。最も多いときには200人近い人々が生活し、町がありました。昭和12年に閉山しました。いまでも登山道から精錬所に使われていた耐火レンガが転がっているのを見ることができます。硫黄鉱山跡は、経済産業省の「近代化産業遺産群 続33」に選定されています。

イワオヌプリとはどういう意味でしょうか? アイヌ語です。

1. 硫黄の山の意味

アイヌ語で「イワウ・ヌプリ」=「硫黄・山」から「イワオヌプリ」になりました。硫黄山という名前もあります。岩内町もアイヌ語「イワウ・ナイ」(硫黄の川)から名づけられたものです。ちなみに、富良野は、硫黄の匂い「フラ・ヌ・イ」からきています。

2. 黄色い山の意味

3. 火の山の意味

イワオヌプリがある倶知安町には羊蹄山があります。この羊蹄山はむかしは「後方羊蹄山」という名前でした。
なんと読むでしょうか?

1. こうほうひつじやま

2. しりべようていざん

3. しりべしやま

『日本書紀』に後方羊蹄(しりべし)とあります。「後方」を「しりへ」、「羊蹄」を「し」と読みます。「羊蹄」とはギシギシという草のことです。「しりへ」では読みにくかったため、倶知安町が国土地理院に変更を依頼し、1969年発行の地形図から羊蹄山になりました。ちなみに深田久弥の『日本百名山』では「後方羊蹄山」です。

イワオヌプリ情報

ニセコ町商工観光課 Tel. 0136-44-2121
ニセコバス(株) Tel. 0136-44-2001
ニセコ野営場(ニセコ町商工観光課) Tel. 0136-44-2121
五色温泉旅館 Tel. 0136-58-2707

 

お問合わせ

日本山岳会 北海道支部
鈴木貞信

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