みとうさん

名前のとおり、3つの峰を持っています。東京都と山梨県の都県境にあり、1973年に奥多摩周遊道路ができて開発が進み、90年には東京都が「都民の森」として整備しました。森林館、木材工芸センターなどがあり、「三頭大滝」「ブナの路」「三頭沢と野鳥」などの登山コースがつくられています。「奥多摩三山」のひとつです。田中澄江は『花の百名山』で、ハシリドコロを紹介しています。引率して一緒に登った学生たちが、毒のある花に手をふれないか、心配したエピソードが綴られています。JR武蔵五日市駅からバスで「都民の森入口」下車。ウッドチップの路、三頭大滝などを経て、三頭山に登るコースを紹介しましよう。

   
都民の森 入口で大きな看板に迎えられる。5分足らずで森林館へ。左に曲がればウッドチップの路となる   ウッドチップの路 森林館から三頭大滝まで全長1km、約20分のコース。ウッドチップが敷かれていて歩きやすい。ヒノキの香りがただよう   三頭大滝 落差33mある。滝の前に滝見橋がかかっており、大滝を間近で見ることができる
   
ブナの路を登りつめればムシカリ峠につく。山頂は右。左手に避難小屋がある。ゆっくり休もう。トイレも備わっている   ブナの路というだけあって、ブナの木が多い。初夏の新緑、秋の紅葉。四季それぞれに美しい姿を見せてくれる   西峰1524.5mには三角点によく似た標石がある。宮標石といって、かつて皇室の森林だったことを示す標識だ
   
西峰を下れば御堂峠(みどうとうげ)。かつて御堂があったとか。「みどう」がなまって三頭山(みとうさん)となったという説もある   森林館。都民の森の管理事務所がある。解説員が登山道や動植物などを親切に教えてくれる。いすや机などが作れる「木工教室」は要予約   三頭山全容。左から西峰、中央峰、東峰。中央峰1531mがいちばん高い。三角点があるのは東峰1527.5m

東京の最深部です。電車とバスを乗り継いで2時間30分。少し遠いのが難点ですが、バスを降りると「都民の森」入口。標高1000mの世界が広がります。頂上までは高低差500mほど、ゆっくり歩いて自然とのふれあいを楽しみましよう。

「JR武蔵五日市←→都民の森のバス」は、急行バスを利用することをお勧めします。急行以外は数馬で乗り換えとなります。数馬〜都民の森は無料ですが、12月から2月までは運休、また3月は土日・祝日のみとなります。事前によく調べておきましよう。乗車時間が長くなるので、乗車前に必ずトイレを済ませておきましよう。
都民の森のなかの樹木、草花には随所に説明板がつけられています。分からないことがあれば森林館でていねいに教えてくれます。木工教室、自然教室が定期的に開かれています。ぜひ参加しましよう。年間スケジュールは「都民の森ホームページ」で確認することができます。
アクセス JR武蔵五日市 ←(西東京バス)→ 都民の森。武蔵五日市まではホリデー快速だと新宿から約1時間。西東京バス/武蔵五日市 → 都民の森は70分
コース 森林館 → ウッドチップの路 → 三頭大滝 → ブナの路→ムシカリ峠 → 三頭山 → 展望台 → 見晴小屋 → 鞘口峠 → 森林館
親子
コースタイム
三頭大滝からムシカリ峠を経て三頭山まで約2時間。いちばん早く頂上に着く。帰りは鞘口峠を経由して森林館まで約1時間30分。ゆとりを持って下山し、森林館・木材工芸センターで工作などを体験したい。健脚組には、奥多摩湖に下りるコースや笹尾根を経由し数馬まで足を延ばすコースがある。
交通 ●電車利用
土曜・休日には、新宿からJR武蔵五日市まで「ホリデー快速 あきがわ号」が午前中3本運行される。西東京バスの武蔵五日市〜都民の森は急行がある。本数が少ないのでよく調べておきたい。
 
●車利用
都民の森の駐車場を無料で利用できる。100台駐車可能。利用時間は午後5時30分までだが、学校の夏休み期間中は6時まで延長される。

都民の森

正式名称は、東京都檜原都民の森といいます。広大な森にはブナの自然林が残り、新緑と紅葉がとりわけ美しい。三頭山の西峰には三角点のような標柱が立っています。実は「宮標石」といい、丸の中に8の字が刻まれています。「宮」の「うかんむり」を外した意匠。明治時代、三頭山は宮内庁御料局(のちの帝室林野局)が管理する皇室財産の御料地ひとつで、宮標石はその境界の名残りなのです。1939年に帝室林野局から東京都に払い下げられ、これを都民の森として整備したのです。

奥多摩湖と都の水道水源林

三頭山の北側に大きな湖があります。奥多摩湖です。東京都の水ガメです。1957年に完成しました。当時、水道専門のダムとしては世界最大級の大きさだったそうです。東京都の水道水の約2割を供給しています。ダムを護る水道水源林は、1901年に皇室から御料林を譲り受け森林の管理を始めたのが始まりです。百十数年にわたって多摩川上流の森林を買い進め、水源林として都が所有している範囲は、東京都最西部の奥多摩町から山梨県の小菅村、丹波山村、甲州市に至るまで面積は約22,000haに及んでいます。東京都の面積の約10%に相当する広さです。三頭山の北斜面はほとんどが都の水源林です。

笛吹を「うずしき」と読む!?

三頭山へはJR武蔵五日市駅からバスに乗る。途中、笛吹、人里などのバス停がありました。バスの案内に「うずしき」、「へんぼり」と表示していました。驚きました。どうして、そんなふうに読むのでしよう。かつて口をつぼめて息を吹き出し音を出すことを「うそふき」といったとか。これがなったという説がある。奥多摩には、読み方のむずかしい地名が多い。つぎは、なんと読みますか。
「神戸岩」、「事貫」、「海澤」、「留浦」、「丹波」、「小棡」、「天平尾根」、「芥場峠」、「登計」、「軍道」、「軍畑」、「市道山」、「堂所」、「水松山」、「軍刀利山」
<正解>
「かのといわ」、「ことづら」、「うなざわ」、「とずら」、「たば」、「こゆずり」、「でんでえろおね」、「あくばとうげ」、「とけ」、「ぐんどう」、「いくさばた」、「いちみちやま」、「どうどころ」、「あららぎやま」、「ぐんだりやま」

「奥多摩三山」とは、次の3つのうちどの組み合わせをいうのでしようか。

1. 雲取山、三頭山、川苔山

2. 御前山、大岳山、三頭山

いずれも奥多摩の中央部、多摩川の南、秋川の北に位置する山域にあります。古くから神社や幕府の直轄林として保護されてきたため、豊富な自然が残されています。いちばん高いのが三頭山で1531mです。奥多摩山岳会の会員が1956年に名付けたそうです。「奥多摩の背骨たる尾根になにもないのは残念。三山と呼んでも恥ずかしくない山容である」と記しています。60年近くたって、すっかり定着したようです。多摩には「高水三山」や「戸倉三山」などがあり、それぞれに登山者に親しまれています。

3. 三頭山、高尾山、陣場山

三頭大滝に流れる水が最初に流れ込む川は、次のどの川でしょう。

1. 多摩川

2. 鶴川

3. 秋川

三頭山は東京都と山梨県の都県境に存在しています。西は山梨県で鶴川が流れています。桂川などと合流し相模川となり、相模湾に流れ込みます。北は多摩川、南は南秋川です。三頭大滝は南斜面にあり、流れは三頭沢となって秋川に、さらに多摩川にそそぎ込み東京湾に流れ込みます。

三頭山情報

西東京バス五日市営業所 Tel. 042-596-1611
奥多摩町役場観光産業課 Tel. 0428-83-2295
都民の森管理事務所 Tel. 042-598-6006

 

お問合わせ

日本山岳会 東京多摩支部 Tel. 042-796-9386

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