たるまえざん

樽前山(1102m)は、北海道の南西、苫小牧市に位置する活火山で、車なら七合目の登山口まで上がることができます。眼下に広がる支笏湖や太平洋の雄大な眺望も見事で、本格的な登山を楽しめる山として親しまれています。登山道には、6月上旬からイソツツジやイワブクロなど、火山帯に特徴的な花々が楽しめます。頂上の火口原は立ち入り禁止になっていますが、噴煙をあげる迫力満点の溶岩ドームを周遊することができ、生きた山を実感することができるでしょう。

   
932峰と風不死岳   北東斜面や展望台で見られるコケモモ   西山山頂
樽前山は樹林が少ないため木陰がなく、真夏は暑くなります。グリーンシーズンの登山は6月末までがおすすめです。
現在も活動中の火山ですので、噴煙の影響等で周辺道路が通行止めになる場合があります。登山前には交通情報もチェックしましょう。
交通・
アクセス
電車は、JR千歳駅から北海道中央バスで支笏湖畔下車。そこから登山口付近までの公共交通機関はありません。タクシーを利用すれば約20分です。
車は、札幌・千歳方面からは国道453号→276号、苫小牧からは国道276号を大滝方面へ。大滝への分岐点からすぐに樽前山への青い案内看板があります。左折して約10分で7合目駐車場。苫小牧方面からは道道141号で支笏湖方面に進み、7合目駐車場に至るルートもあります。
コース 駐車場(7合目登山口)→西山・樽前山山頂分岐(稜線)→樽前山山頂→風不死岳分岐→西山山頂→樽前山頂神社奥宮→西山・樽前山山頂分岐→駐車場(7合目登山口)
親子
コースタイム
登りは、7合目登山口から樽前山山頂まで1時間。外輪山を周遊して西山・樽前山山頂分岐まで約2時間。下りは、7合目登山口まで約35分。合計約3時間35分。

苔は謎に包まれた生物

「苔の洞門」は、樽前山の噴火でできた堆積物が浸食されてできた涸沢です。ここには蘚類59種、苔類25種の合わせて84種の苔が密生しています(千歳市観光振興課)。
苔は世界中におよそ20000種があると言われ、温暖で湿潤な地域に多く生息しています。苔植物の蘚類は葉と茎の区別がありますが、苔類のなかには区別がないものがあります。また、栄養を吸収するための根を持たず、岩や木などに張りつくための「仮根」という根をもっています。
苔は同じ種類でも世界中の遠くはなれた場所に生息するなど、多くの謎に包まれた生物です。

アイヌ語は消滅危機言語

樽前山はアイヌ語で「タオロマイ」(川岸の高いところ)と言われていた川の名からきているとされています。
北海道の地名には、アイヌ民族の言葉であるこのアイヌ語をつけたところが多くあり、札幌もアイヌ語の「サッポロ」(乾いた大きい)が由来であると言われています。しかしアイヌ語は、アイヌ民族の人口が少ないため、近いうちに消滅してしまう消滅危機言語となっています。アイヌ語をきちんとしゃべれる人は10人以下という説もあります。

樽前山と言えば、プリンの形をした黒い樽前ドームが有名で、1909年の噴火で形成されました。気象庁の常時観測火山として、いまも火山活動の観測がされています。さて、それでは、気象庁が常時観測している火山は、いくつあるでしょうか。

1. 12

2. 47

現在、大雪山や蔵王山、富士山、霧島山など47の火山が、「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として火山噴火予知連絡会によって選定され、地震計やGPS観測装置等を設置し、24時間体制で常時観測・監視されています。ちなみに、110は、火山噴火予知連絡会によって選定された「活火山」の数。

3. 110

「苔の洞門」は苔でおおわれ緑のじゅうたんを敷き詰めたような美しい渓谷です。ここには蘚類59種、苔類25種の合わせて84種の苔が密生しています(千歳市観光振興課)。なかでも、もっとも多いのが、エビゴケです。さて、このエビゴケの名前の由来は?

1. 海にいるエビに似ている

葉がエビの甲殻に似ていることからこの名前がつきました。茎の長さが1〜3cmで、日本では北海道から九州まで、火山地域の岩上に多く生育しています。世界的にも、北アメリカや東アジア、大西洋、インド洋などに広く分布しています。なお、現在「苔の洞門」内は、崩壊による危険のため立入禁止となっています。

2. 発見者、江尾博士の名前

3. 海老フライのころもに似ている

樽前山情報

苫小牧市役所 Tel. 0144(32)6448
胆振総合振興局商工観光課 Tel. 0143(24)9592
北海道中央バス Tel. 011(231)0500
千歳交通 Tel. 0123(22)6000

 

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日本山岳会 北海道支部

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