なくいだけ
名久井岳(615m)は、青森県の東側、いわゆる南部地方にあり、山の端正な姿から南部小富士と呼ばれています。標高が比較的低いものの頂上に一等三角点があり360度の展望が望めるほか、山麓にはりんご・桃・梨・サクランボ等の果樹園が広がり、花の咲く春から収穫の秋まで楽しむことが出来ます。
山麓には法光寺、恵光院の由緒ある寺院や野瀬観音、泉山月山神社などの神社があって、信仰の山として崇められています。
泉山地区登拝行事 毎年7月25日に、7歳男児が月山神社奥殿へ登頂し初参りをする。(写真=月山山頂の月山神社奥殿で直会(なおらい)をしている) |
チェリリン村 かわいいコテージのオートキャンプ場、近くに温泉施設もある |
法光寺参道松並木 青森県の天然記念物として、推定樹齢300年、樹高約20mのアカマツ19本が聳える。延宝4年(1676)に住職や修行僧らが427本を手植えし、「千本松」の名の元になった。名松百選(社団法人日本の松の緑を守る会)に選ばれている |
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6月中旬から7月中旬に開催される「名川さくらんぼ狩り」 | 初夏の味覚 さくらんぼ | 南部利康霊屋(国指定重要文化財) 寛永9(1632)年、南部27代利直公が四男利康の死を悼んで創建された桃山様式のもの |
かもしか遊歩道コースの頂上付近には鎖場もあり、雨の日やその翌日は滑りやすくなります。 | |
名久井岳は県立自然公園となっております。 |
アクセス | 青い森鉄道諏訪ノ平駅 → 南部町の里バス・法光寺行き(約20分) *土曜日、日曜日のみの運行で、1本しかありません。 |
コース | 法光寺(かもしか遊歩道コース) → 長谷林道分岐 → 頂上(月山コース) → 木落し場 → 月山神社奥乃殿 → 長谷荒沢不動尊 → 恵光院 → 青い森鉄道三戸駅 |
親子 コースタイム |
上り(法光寺山頂まで)1時間10分、下り(青い森鉄道三戸駅まで)1時間35分、合計2時間45分(休憩含まず) |
交通 | ●青い森鉄道利用 行きは、青い森鉄道諏訪ノ平駅から南部町の里バス利用、法光寺まで。 帰りは、恵光院から青い森鉄道三戸駅まで約30分歩きます。 帰りに、法光寺から青い森鉄道剣吉駅まで南部町の里バスを利用できます。 *里バスは土曜日、日曜日のみの運行で、1日1本となります。 ●車利用 法光寺と恵光院の登山口付近に、駐車場があります。 樹海ライン(県道名久井岳公園線)の峠に駐車場があります。 (そこから約30分で頂上まで登ることが出来ます) |
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サクランボは数千年前から食べられていた
名久井岳のある南部町のサクランボは、青森県内一の生産量です。
サクランボは、またの名を桜桃といい(英語ではチェリー)、桜の実です。セイヨウミザクラやスミミザクラという品種に実のる果実で、数千年前から人類が食べていたとされています。日本には、明治時代に北海道に植えられたのが最初だと言われています。南部町のサクランボは6月中旬から7月中旬に収穫され、毎年「名川さくらんぼ狩り」が行われています。南部地方随一の霊峰
名久井岳は南部地方随一の霊峰としても知られ、山麓には1250年頃開山の法光寺、1390年創建の恵光院(通称長谷寺)という由緒ある寺院と野瀬観音などの神社があります。山伏や修験者の修行祈願する霊場(女人禁制の山)でした。
長谷寺創建後に観音堂・明神堂・荒沢不動などが数多く建設され、小社が峰伝いに続き、頂上には山頂天神・馬池蒼然・鬼ヶ城大権現が建設され、総称して長谷四十八末社と言われていました。その後、地元の社も合わせ四十八末社参りとして、旧暦の9月29日に参拝する風習が続いています(「しまいくにち」という行事)。
また、中腹(名久井岳第2秀峰)には月山神社奥殿があり、数え年7歳の男児が初参りする「登拝行事」があります。重要な食料だったクリやコナラ
名久井岳の植生は、ほぼ全域がスギ・アカマツの植林地ですが、クリ・コナラ群落が点在しています。山頂付近の風衝地には、シナノキを主体とする天然林があります。かつて東北地方の山村では、クリやコナラ、ミズナラのドングリは貴重な食料でした。しかし、大正時代以降に燃料として伐採されたため減少し、いまはスギやアカマツが植林されています。
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名久井岳のある南部町の町花は牡丹(ボタン)で、環境省の「かおり風景100選」に選定された「長谷ぼたん園」もあります。それでは、この牡丹と芍薬(シャクヤク)の違いは何でしょう?
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牡丹は樹木ですが、芍薬は草本です。そのため、冬には地上部が枯れてしまいます。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と美しい女性を形容する言葉として落語などに登場するほど、芍薬と牡丹は古くから日本人に親しまれ、美しい花を咲かせます。
青森県の県花はリンゴの花で、県民にもっとも親しまれている花です。さて、次の3種類の果実の、花が開花する順序は?
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その年によって違うこともありますが、青森では一般的に、桃は3月下旬から4月上旬頃に薄桃色の花をつけます。「桃の花」は春の季語です。梨は4月頃で、白い5枚の花弁の花をつけます。また、リンゴは晩春頃に、梨に似た白い5枚の花弁の花をつけます。
名久井岳情報 |
名久井岳県立自然公園
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