たろうやま
奥日光戦場ヶ原の北東部にそびえる独立峰が太郎山である。太郎山の南には北関東の霊峰男体山(2486m)がどっしりと構え、その遙か東には女峰山(2483m)が裾野を広げて優しく佇んでいる。太郎山は、男体山(父)と女峰山(母)に見守られて聳える孤高の独立峰(息子)である。ここでは、「日光三険」のひとつである新薙登山コースを紹介する。
新薙登山口 | ササ原の中の登山道 | 太郎山全景 | ||
新薙コースの難所 | 新薙のトラバース | お花畑(火口原) | ||
お花畑 | お花畑の可憐な高山植物 | 太郎山山頂 |
登山口へのアプローチは、裏男体林道(志津林道)を辿るのでマイカー利用がよい。志津峠への分岐で北に延びる工事用林道を1Km余進むと新薙登山口(1660m)である。車は登山口の道路路肩に5〜6台止めることができる。
登山道に入ると、はじめはササ原であるが、やがてダケカンバ、ツガ、カラマツ、シラビソ、シャクナゲなどの林の中を進む。しばらくすると左手がおおきく開け新薙が現われる。登山道はこのガレ沢である新薙に沿って登る。途中、岩場を固定ロープ伝いに登ったり、木の根っこを頼りにするなどの急な登りもあり、ガレ場の通過もあるので慎重に登る。この辺はプチ冒険登山である。しばらくすると新薙をトラバースする。この辺からの展望は日光の山々を眺めることのできる素晴らしい場所である。新薙と別れるとすぐにお花畑(火口原)に出る。花の数は少ないが、天上の楽園である。
お花畑からひと登りで山頂に到着。ここからは、白根山をはじめとする日光の山々はもちろん尾瀬や会津の山々を望むことができる素晴らしい場所である。
下山は往路である新薙コースを下る。ガレ場や急な岩場など足下の不安定な下りが続くので、登りより緊張する。急がずにゆっくりと足場を確認しながら、落石や転倒に充分気をつけたい。新薙から離れて樹林帯に入ればひと安心である。
新薙登山道は、岩場やガレ場、木の根を掴んでの急登があり、足下の不安定な場所が多いので、保護者の適切なサポートが必要。特に下りは要注意。その意味でも親子登山のプチ冒険登山コースです。 |
アクセス | マイカー利用で、裏男体林道(志津林道)から志津峠への分岐で北に延びる工事用林道を1km |
コース | 新薙登山口→新薙→お花畑→太郎山 |
親子 コースタイム |
登り 新薙登山口〜お花畑(180分)〜太郎山頂(20分) 下り 太郎山頂〜新薙登山口(180分) |
交通 | アクセスは裏男体林道をマイカー利用がお勧め(林道なので通行情報に要注意)、コースやコースタイムは前出の通り。 |
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日光は二荒山?
太郎山という名は、父である男体山と、母である女峰山から生まれた長男であるためだと言われています。大真名子山と小真名子山という2人の妹もおり、修験の場として、山自体がご神体として崇められていました。これらの山は総称して日光山と呼ばれています。日光山の名前の由来は、弘法大師が二荒山(男体山)に登ったおり、二荒をニコウと音読して、良い字をあてて日光にしたと伝えられています。
日本三大名瀑の華厳の滝
華厳の滝は、日本三大名瀑のひとつです(ほかの2つは、和歌山・那智の滝、茨城・袋田の滝)。中禅寺湖から、落差97mを一気に流れ落ちる豪快な滝の部分と、中段から無数の滝(十二滝といわれる)が透明な膜のように流れ落ちる華麗な滝を併せ持っています。現在は、エレベーターが営業し、滝壺から仰ぎ見ることができます。
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太郎山には太郎権現がまつられ、男体山の二荒山権現、女峰山の瀧尾権現とともに、日光三所権現とされています。
さて、男体山の山頂には何があるでしょうか。-
男体山の山頂には、大剣がそそり立っています。1877年(明治10年)に奉納されたものが、2012年に折れてしまいましたが、その年に新たに奉納されました。以前は鉄でしたが、今回はステンレス製で、長さは以前と同じ10尺です。
二荒山神社から中禅寺湖をはさんで向かいには、立木観音があります。さて、この観音様、どういう観音様でしょうか。
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桂の立木を勝道上人が手刻されたと伝わる観音様で、中禅寺に安置されています。二荒山神社の神宮寺として男体山登拝口近くに建立されていたそうですが、1902年(明治35年)に男体山の土石流で中禅寺湖に流され、奇跡的に3日後に浮かび上がって現在の場所に安置されました。
太郎山情報 |
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お問合わせ |
日本山岳会 栃木支部 |
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