まやさん
摩耶山(702m)は、六甲山の西の中心地。忉利天上寺を中心に栄えた場所で、周辺には神戸市立森林植物園や六甲山牧場、布引ハーブ園などの観光スポットがあります。山頂直下の掬星台は、六甲随一の展望台として人気のスポットです。
人気の信仰スポットだけあって登山道はたくさんありますが、今回は比較的傾斜の緩やかなトエンティクロスと呼ばれる渓谷の道をたどってみましょう。
お弁当も楽しみだなあ。先にケーブル・ロープウェイで掬星台に行って、道を下ってもいいかもね | トエンティクロスのある生田川を覗いてみよう。お魚が泳いでるかもしれないよ | トエンティクロスは、ぴょんぴょんと石の上を歩いて川を渡れる。あわてて落っこちないように | ||
早めに着けたら牧場に行ってもいいね。羊さんやポニーと遊べるよ |
谷コースなので、雨天時、雨天後は増水することがあるので注意してください。 | |
六甲山の各谷では、継続的に堰堤工事が行なわれています。迂回路が設けてありますので、現地の指示に従うようにしてください。 | |
小さい子どもを連れていく場合は、森林公園東口で先へ進むかどうか判断してください。あとの行程に無理があるようなら、森林植物園に向かいましょう(要入園料)。植物園からはシャトルバスで神戸電鉄北鈴蘭台駅へ。 |
アクセス | ●行き 神戸市営地下鉄新神戸駅 ●帰り 星の駅(摩耶ロープウェイ約5分、虹の駅乗り継ぎ摩耶ケーブル約5分)摩耶ケーブル下駅(神戸市営バス15分)阪急・JR・阪神三宮駅 *摩耶ケーブル下駅から阪急神戸線王子公園駅まで徒歩30分 |
コース | 新神戸駅→布引ノ滝→五本松堰堤→市ヶ原→トエンティクロス→森林植物園東口→穂高湖→掬星台(星の駅) |
親子 コースタイム |
4時間(休憩含まず) |
交通 | ●電車利用 新神戸駅へは各線三宮駅から地下鉄三宮駅に乗り換え2分です。 ●車利用 新神戸駅周辺、または三宮駅周辺の有料駐車場利用となります。 |
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摩耶山の名前の由来
摩耶山は忉利天上寺の山号で、釈迦の母、摩耶夫人を祀っています。摩耶の名はそこから取られました。開山は646年(大化2年)と伝わる大変古いお寺です。摩耶詣でとして、古くから多くの参拝者が訪れましたが、1976年(昭和51年)に消失しました。掬星台の東南の台地にある摩耶山史跡公園がその場所ですが、忉利天上寺は、その後、現在の地に移転しました。史跡公園には、長い石段と山門が残り、また「摩耶の大杉」として親しまれた巨杉(枯死しています)がそびえ、今に往時の面影を伝えています。
腐らない水「神戸ウォーター」
明治時代に貿易港として栄えた神戸には、多くの外国船が立ち寄りました。その船員たちが、長い航海中に腐らない水として重宝したのが「神戸ウォーター」です。布引周辺の生田川の水を指してそう呼んだようです。また、今、布引ノ滝の上部にある五本松堰堤は、明治時代に竣工した石積み(内部はコンクリート)の巨大な水道専用のダムで、国の重要文化財に指定されています。
遷移する森
森林は、移り変わっていきます。例えば荒地が始まりとすると、やがてススキが生え、マツなどの荒地に強い植物が生えて、松林を構成します。この移り変わりを遷移といいます。最後には遷移も終わり、その土地に最もふさわしい森林に落ち着くことになります。この森林を極相林といいます。六甲山の極相林は、シイやカシなどの照葉樹林が覆う森です。ところが六甲山にはマツやオオバヤシャブシ、ツツジなどの荒地に強い植物が目立ちます。コナラなどの落葉広葉樹も目に付きます。六甲山は里に近く薪や炭にする木を切り尽くしたために、明治時代はハゲ山でした。麓では六甲山から流れ出す雨水に水害が多く、明治時代に盛んに植林が行われるようになり現在のような姿になったのです。しかし、マツなどの植物が目立つというのはまだ遷移の途中にあるからです。
摩耶山史跡公園の北側斜面にはアカガシの林があります。忉利天上寺があったために木が切られずに極相林が残ったものと考えられています。同じ六甲山の寺院である再度山大龍寺周辺にスダジイの巨木が多く見られるのも同じ理由からです。幻のアジサイ「シチダンカ」
幕末、日本にやってきたドイツ人医師シーボルト。彼はヨーロッパに帰ってから日本の植物を紹介する『日本植物誌』という書物を発表しました。その中で17種類のアジサイを紹介していますが、「シチダンカ」とよばれるアジサイだけが日本で見つからず、永らく幻のアジサイと呼ばれていました。昭和34年、そのアジサイが六甲山で見つかったのです。挿し木され、増えたシチダンカは、神戸市立森林植物園や六甲高山植物園で見ることができます。
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摩耶山情報 |
六甲・まや空中散歩(まやビューライン)
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お問合わせ |
日本山岳会 関西支部 Tel. 06-6971-8067 |
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