ひらおだい・ぬきさん

平尾台は、北九州市小倉南区にあり、北端の貫山(ぬきさん・712m)より南に8キロ広がる草原台地です。山口県秋吉台、四国カルストと並ぶ日本三大カルストの一つで、国の天然記念物、北九州国定公園に指定されています。石灰岩が散らばるピナクル「羊群原(ようぐんばる)」の景観は、まさに絶景です。
ハイキングコースはたくさんありますが、貫山への登山コースは、マイカーで登山口まで行き、平尾台の茶ヶ床園地から中峠経由ルート(登り1時間30分)と、平尾台の吹上峠からのルート(2時間)があります。シーズンは春と秋がおすすめです。

   
目白洞内部   オキナグサ(4月)   コオニユリ(8月)
   
キキョウ(8月)   平尾台自然の郷   ドリーネ。中峠付近から、くぼんだドリーネと大平山を望む
   
大平山山頂で記念写真   自然の郷で水遊びをする子どもたち   平尾台自然の郷キャンプ場

平成15年、吹上峠の近くに平尾台自然の郷がオープン。「人と自然の交流の場」をテーマに陶・食・木・花の各工房、地上・地下・地中探検のツアーなどのイベントが催されています。

平尾台の各ハイキングコースは、野焼きあとの春とススキの秋がおすすめ。夏は涼しい鍾乳洞がおすすめ。
平尾台のカルスト台地は、天然記念物に指定されているので、石灰岩を傷つけたり壊したり、落書きしたりしないようにしましょう。
また、植物や昆虫などの採取は禁じられています。
ゴールデンウィークやお盆期間中、土、日、祭日の千仏鍾乳洞への道は、マイカーで渋滞しますのでご注意を。
アクセス 1.マイカー 国道322号線新道寺平尾台入口交差点 → 平尾台吹上峠登山口(約20分) → 茶ヶ床園地登山口(約25分)
行橋方面からは、国道28号線と64号線が交わる「平尾台入口交差点」から吹上峠登山口(13分) → 茶ヶ床園地登山口(15分)

2. JR日田彦山線 石原町駅から、平尾台観光タクシー → 平尾台吹上峠登山口(旧バス停)(約20分)または自然観察センター下車(約25分) → 茶ヶ床園地登山口(徒歩約30分)
コース 1.茶ヶ床園地→中峠→四方台→貫山(往復)・・・一般コース

2.吹上峠→大平山→四方台→貫山(往復)・・・・健脚コース
または、1.~2.の周回コースをとってもよい。ただし、下山口から登山口の駐車場まで歩くことになる(約40分)。
親子
コースタイム
1.一般コース 登り1時間30分、下り1時間 合計2時間30分(休憩含まず)

2.健脚コース 登り2時間00分、下り1時間30分 合計3時間30分(休憩含まず)
交通 ●マイカー利用
両登山口に駐車場がありますが、休日は満車になることがあります。

●電車利用
JR利用の場合:平尾台への路線バスは廃止されているので、JR石原町駅または西鉄バス中谷営業所から、平尾台観光タクシーが運行している「おでかけ交通『カルスト号』」を、平日は水曜のみで1日2便。土、日、祝休日は9人乗りジャンボタクシーで1日4便運行しています。平尾台自然観察センターまで、おとな500円、子ども300円。12月〜3月は運休。
(問合せ 平尾台観光タクシー Tel.093-451-0201)

平尾台はどうしてできたでしょう

約3億年前、赤道近くの暖かい海にサンゴ礁がありました。そこに平尾台のもととなった石灰石が堆積した後、プレートの移動によって今の位置までやってきました。約1億年前のこと、地下深くに押し込まれていた石灰石は、高温のマグマの熱で結晶質になりました。平尾台のすぐ西にあった香春岳が大きな断層で切られて、南の方に約7㎞も動きました。その頃、筑豊炭田ができました。約8万年前、阿蘇カルデラが大爆発をしたとき、阿蘇山からきた大火砕流で平尾台はおおわれてしまいました。寒かった時代に、日本列島がアジア大陸と陸続きになり、大陸の動植物が平尾台にやってきました。平尾台の長い歴史の中で、いろんなことが起こり、今の平尾台ができました。(福岡県・平尾台自然観察センター資料から抜粋)

鍾乳洞が200もある

平尾台には200を越える鍾乳洞があると言われています。そのうち3つの鍾乳洞の一部が観光化され、中を見学できます。(有料)
■千仏鍾乳洞(せんぶつしょうにゅうどう):国の天然記念物に指定されている、平尾台で最も有名な洞窟です。長さは約700mで、中には地下川があり、約500m地点から先は水(川)の中をジャブジャブ歩けます。
■目白洞(めじろどう):平尾台で一番長い洞窟です。全長2㎞以上あり、その一部が観光化されています。鍾乳洞には珍しい、きれいな一枚天井が見どころです。昭和44年、学習院大学探検部が発見。大学の所在地から目白洞と命名されました。
■牡鹿洞(おじかどう):長さ約400m、高低差約50mの洞窟で、日本では珍しい入口部分が竪穴の観光洞です。入口から25m降りると地下川タイプの横穴に続き、カルストの内部がよくわかります。この洞窟からはニホンカワウソ、ムカシニホンジカ、ナウマン象などの化石が見つかっています。

平尾台にはアリジゴクのような、大きな穴(ドリーネ)があります。この穴は、どのようにしてできたのでしょうか?

1. 噴火して陥没した

2. 雨水がつくった

平尾台の大部分は結晶質石灰岩のカルスト台地です。雨水や地下水の浸食作用によって、羊の群れのような岩(ピナクル)やすり鉢状の穴(ドリーネ)ができました。まわりが溶けて残ったのがピナクルで、溶けて穴になったのがドリーネです。一般的にはピナクルはとがっていることが多いのですが、平尾台の場合は、結晶質であるため、丸みをおびています。

3. セメント用に採石した

平尾台の鍾乳洞のひとつ「青龍窟」には、日本武尊(ヤマトタケル)の父、景行天皇が棲んでいた化け物を退治したという伝説があります。さて、退治したのは何でしょう。

1. 八つ頭の大蛇

2. 土蜘蛛

古代日本の伝説(風土記など)では、大和朝廷にしたがわない土着の豪族などを「土蜘蛛」と表しています。『記紀』にも「土蜘蛛」または「都知久母(つちぐも)」の名が見られ、伝説では景行天皇が土蜘蛛を成敗しています。なお、景行天皇が本当に存在したのかどうかは、わかりません。

3. 大蝦蟇

平尾台・貫山情報

平尾台自然観察センター Tel. 093-453-3737
平尾台自然の郷 Tel. 093-452-2715

 

お問合わせ

日本山岳会 北九州支部 Tel. 092-844-3563

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