くらかけやま
鞍掛山(897m)は、岩手山の南東の麓にある、ふたこぶの山です。岩手山に鞍を掛けたように見えるので、こう呼ばれます。宮沢賢治のいくつかの詩の舞台で、国指定名勝の一つにもなっています。頂上からは、岩手山の雄大な姿を目の当たり望めます。早池峰山や秋田駒ヶ岳も見えます。
麓には、キャンプ場、たきざわ自然情報センター、牧場、温泉、歩くスキー場等があり、広い駐車場もあります。
家族連れや初心者にもおすすめの山で、トレーニングに毎週、なかには毎日登っているベテランもいます。
滝沢市内の牧場から見た親子のような岩手山と鞍掛山(左側の鞍のような山) | 岩手山五合目付近から見たふたこぶの鞍掛山 | 相ノ沢キャンプ場から見た鞍掛山。右側が頂上 | ||
鞍掛山登山口の案内板 |
西側コースは分岐手前で沢へ下りる道が2つありますが、どちらも少し急なので、子どもが小さい場合は、東側コースがおすすめです。 | |
時たま、熊が出ることがあるそうです。熊よけ鈴を準備したり、熊が喜ぶ餌になるものを捨てたりしないようにしましょう。 |
アクセス | 東北道盛岡ICから国道46号線。網張温泉方面へ右折、進行し、小岩井農場を通りすぎ、相ノ沢キャンプ場の駐車場へ。約30分。 |
コース | 1.相ノ沢キャンプ場→西側コース→分岐→頂上(往復) 2.相ノ沢キャンプ場→東側コース→分岐→頂上(往復) |
親子 コースタイム |
どのコースでも、だいたい登りは1時間30分から2時間位。 下りは1時間30分位。 景色や自然を楽しみながらゆっくり登りましょう。 |
交通 | ●電車、バス利用 JR東北新幹線盛岡駅から網張温泉行きのバスに乗り、相ノ沢キャンプ場前で下車。約50分。 ●車利用 相ノ沢キャンプ場に広い駐車場があります。 |
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鞍掛山は送仙山(おくりせんやま)の頭だという伝説
男ぶりのいい岩手山は、ある日姫神山をめとりました。しかし姫神山の器量がよくなかったので、岩手山は早池峰山を側室にしました。姫神山は悔しくて毎日やきもちを妬いていました。うるさく思った岩手山は家来の送仙山に、姫神山を追い出してこいと命令しますが、姫神山は拒んで動こうとしません。送仙山は困ってしまいますが、姫神山のことが好きだったため、ちょっと離れた北上川の向こうに座らせました。怒った岩手山は送仙山の首を切ってしまいました。送仙山の山頂が平らなのはそのせいで、切った首は岩手山のふもとに飛んでいき、鞍掛山になりました。いまでも姫神山と岩手山の真ん中に送仙山はあります。
宮澤賢治の作品に登場する鞍掛山
鞍掛山は宮澤賢治のいくつかの作品に取り上げられています。相の沢キャンプ場に賢治の「くらかけ山の雪」の詩碑があります。
「くらかけ山の雪」
たよりになるのは
くらかけつづきの雪ばかり
野はらもはやしも
ぽしやぽしやしたり黝〔くす〕んだりして
すこしもあてにならないので
まことにあんな酵母〔かうぼ〕のふうの
朧〔おぼ〕ろなふぶきではありますが
ほのかなのぞみを送るのは
くらかけ山の雪ばかりです
(宮澤賢治) -
鞍掛山の西側コースの高台展望台と分岐の間に、不思議な石窯があります。これはいったい何でしょう。
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ほかにも何か所か石窯がありますが、ほとんど崩れていてよく分かりません。岩手山のすそ野一帯は、かつて炭焼きが行われていました。鞍掛山に残る窯は何回も使える石窯ですが、ほかは使い捨てのものがほとんどです。山からは炭だけでなく、薪や山菜、木材など多くのものを得ることができ、里の生活を支えていました。
頂上のすぐ下に階段が2か所あります。それぞれ何段でしょう。
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本当かどうか、自分で数えてみよう。
鞍掛山情報 |
岩手県滝沢市
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お問合わせ |
日本山岳会 岩手支部 |
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