はこねやま
箱根山という名前は、神奈川県と静岡県にまたがる山域の総称です。最高峰は神山(かみやま)で標高1438m。山頂には一等三角点があります。
箱根園から箱根駒ヶ岳ロープウェーでわずか7分、標高約1330mのロープウェー頂上駅に着きます。まず、目の前の駒ヶ岳(1356m)からの大展望を楽しんだら自然林の中を歩いて神山、冠ヶ岳(かんむりがたけ)と越え、大涌谷へ下ります。途中、坊ヶ沢分岐から箱根登山鉄道の早雲山駅へ下るお中道コースが分かれます。
大涌谷は、荒涼とした大地に噴煙が立ちこめ、今でも火山活動の迫力が満点。名物の黒たまごを食べて元気をつけましょう。帰りは、箱根ロープウェイのゴンドラ、ケーブル、スイッチバックが楽しい箱根登山鉄道と、乗り物もいろいろ。時間があったら、芦ノ湖畔の桃源台から海賊船に乗るのも楽しいでしょう。
ロープウェー駅入口 箱根園のバス停からすぐのところに駒ヶ岳ロープウェーの駅がある。ここからハイキングが始まるよ |
展望台 駒ヶ岳ロープウェーの頂上駅の横にある展望台。目の下には芦ノ湖が広がって爽快だ |
芦ノ湖 展望台から見た芦ノ湖。湖の上を走る海賊船も見えるかも知れない |
||
馬降石 注連縄(しめなわ)が巻かれた馬降石(ばこうせき)。白馬に乗った神様がこの石の上に降りたとか。うしろは箱根元宮 |
古代祭祀遺跡 駒ヶ岳山頂に点在する四角い石は、昔の祭祀(神様をまつること)の遺跡だと伝わっている |
大涌谷噴煙地 昔は地獄谷と呼ばれていた大涌谷。大自然の力強さが感じられる |
||
温泉供給地 ロープウェイのゴンドラから下を見ると、噴煙の中に写真のような建物や施設が見えます。ここが箱根の街に温泉を供給している源です |
黒たまご 温泉池で茹でられる「黒たまご」。食べると7年長生きするといわれているよ |
スイッチバック 電車が逆方向に折り返して進むスイッチバック。大平台駅ならその様子がよく分かる |
駒ヶ岳山頂から神山方面へと笹原の中を下る道があるけれど、足元が見にくく、深くえぐれているところが多いので危険です。いったんロープウェー駅まで戻ってから神山を目指してください。 | |
神山までの道も歩きにくいところが多いので、足元に注意しながらゆっくりと歩きましょう。 | |
大涌谷分岐から大涌谷までは、火山ガスの濃度が高くなると通行止めになる場合があります。 | |
2018年10月現在、大涌谷から駒ヶ岳へのルートは通行禁止です。 |
アクセス | JR東海道新幹線・小田急電鉄小田原駅→伊豆箱根バス・箱根園行き(約1時間15分) → 箱根駒ヶ岳ロープウェー(7分) |
コース | 駒ヶ岳頂上駅 → 箱根駒ヶ岳(箱根元宮) → 坊ヶ沢分岐 → 神山 → 冠ヶ岳 → 大涌谷分岐 → 箱根ロープウェイ大涌谷駅 |
親子 コースタイム |
駒ヶ岳頂上駅から箱根元宮まで約10分、箱根元宮から坊ヶ沢分岐約20分 坊ヶ沢分岐から神山まで約50分、神山から冠ヶ岳まで約20分、冠ヶ岳から大涌谷分岐まで約25分、大涌谷分岐から箱根ロープウェイ大涌谷駅まで約30分。合計3時間5分(大涌谷から黒玉子茶屋まで約10分)。 |
交通 | ●電車利用 新宿からなら小田急ロマンスカーで箱根湯本駅まで約85分。駒ヶ岳頂上までの箱根駒ヶ岳ロープウェーは20分おきに発車。混雑時は15分おき。大涌谷からは箱根ロープウェイ、箱根登山鉄道のケーブルカー、登山電車を乗り継いで強羅駅または箱根湯本駅へ。 ●車利用 箱根園へは西湘バイパス箱根口から約20km。 |
-
火山の恵みで、温泉場がなんと20カ所!
箱根の山は火山活動で生まれたといわれています。その火山活動が箱根にたくさんの温泉場を生み出しました。最も古いものは湯本温泉で、738(天平10)年に見つかったそうです。江戸時代には7カ所となり箱根七湯と呼ばれました。明治になると十二湯に増え、現在では20カ所となり「箱根二十湯」と呼ばれています。しかも、それぞれに温泉の種類が違うので、温泉好きにはたまらない温泉天国です。
進行方向が逆になるスイッチバック
小田原から強羅まで走る箱根登山鉄道は、急な山腹の斜面を上り下りします。そのため、大きなカーブを描いてレールを敷くことができません。そこで考えられたのがスイッチバックです。進行方向を変えながらジグザグを繰り返して上り下りするのです。出山信号場、大平台駅、上大平台信号場の3カ所で、運転手さんと車掌さんが入れ替わります。先頭の車両のいちばん前に乗っていると、前に進んでいたのが後ろ向きになったりして、スイッチバックの様子がよく分かりますよ。
温泉で茹でられる黒たまご
大涌谷の名物といえば「黒たまご」。白いはずの卵が真っ黒でビックリ。大涌谷の黒玉子茶屋に行くともうもうと白煙を上げる温泉池があります。温度は約80度。この中で約1時間茹でられ、さらに100度の蒸気で15分ほど蒸されて完成。黒くなる理由は、温泉池の成分(鉄分)が卵に染み込んで硫化鉄になるからだそうです。大涌谷の雄大な景色を見ながらパクつきましょう。
-
冠ヶ岳から大涌谷分岐までの間に、他の山ではあまり見られない標識があります。それは次のどれでしょうか。
-
足元が悪い部分や登山道が狭くなったりするところでは、登る人と下りる人のすれ違いが難しくなります。冠ヶ岳からしばらく下ったところで「一方通行下り専用」の標識が、その下で今度は「一方通行登り専用」の標識が立っています。槍ヶ岳や剣岳の岩場には一方通行はありますが、ハイキングコースではあまり見られない標識です。
箱根山情報 |
箱根町観光課 Tel. 0460-85-7410
|
お問合わせ |
日本山岳会 東京多摩支部 Tel. 042-796-9386 |
登山計画書を書いて出かけよう! 登山計画書PDF